中編3
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いわくつきな高校

僕の通っている高校って、いわくつきで。

なんか、元はお墓があったらしく、まあ、怖い話の定番みたいな感じ。

校舎自体はそんな古くないんで、夜中の廊下を幽霊がさまよっているとか、そういう話とかは無いのだが…

1年の時の話だけど、見てしまった。

幽霊を。

霊感は少しある方だけど、今まで、この校舎で何かを感じたとかは無かったのだが…

幽霊を見た日はなんか違った。

外はすごく晴れてるのに、校舎内はどんよりとしていて。

なんか今日はヤバいな、とか思ったけど、学校休む訳にもいかないので、気のせいだと思うことにした。

そして昼休み。

今思えば、友達と行けば良かったっておもうのだけど…

トイレ行こうと思って、廊下を1人で歩いていたんだ。

そしたら、女の人がいて、キョロキョロしてんだよ。

最初は、お客さんで、職員室でも探してるのかな、とか思ったけど、校内に入るには、職員室で許可とらなきゃいけないから、違う。

しかも、その女の人に近づくにつれて、息が苦しくなる。

あ、ヤバい。

死ぬな。

コイツに殺される。

瞬間にそう思った。

顔が見えないけど、見たらヤバいってことは本能的にわかった。

もう生きてる人間じゃないってわかった。

恥ずかしいけど、恐怖で足がすくんで、動けない。

どんどん近づいてくる。

こっち来るな!って言いたくても、声が出ない。

で、見ちゃった。

女の顔。

思い出したくもない。

右の眼球が無く、そこは空っぽ。

ドス黒い穴があいていた。

口から血を垂らしていて、何故か笑っている。

顔の1部の骨が見えている状態。

みんなしている想像をはるかに超えるものだと思う。

「…して」

何か喋っている。

ボソッと言ったのでよく聞き取れない。

「私の事が見えるんでしょぉぉぉぉぉ!?

だったら探してぇぇぇぇぇぇぇ!

探せよぉぉぉぉぉぉぉ!」

声を荒げる女。

ものすごく恥ずかしいけど、ちびった。

けど、それぐらい怖かった。

高校生にもなってもらすなんてありえないけど、この時は、本当にそれくらい普通のことだった。

しかも、何を探して欲しいのかがわからない。

「………何を?」

やっと声が出た。

女は片目で私のことを見つめる。

「お墓。

私のお墓。

お墓探して。

家族も一緒にいたの。

けど、お墓なくなっちゃったし、家族みんないなくなっちゃったの。

お願い。

お願いします。

お願いです。

探して…」

女は急に落ち着いて言う。

僕は女をかわいそうだと思った。

だが、お墓を探すことはできない。

「…ごめんなさい。

あなたのお墓を探すことはできない。

僕じゃ無理なんだ」

自然と涙が出てきた。

初めて会ったのに、しかもものすごくグロテスクな外見をしているのに。

そんな幽霊に涙を流している。

「…ありがとう」

そう言うと、女は消えた。

今、僕は3年生。

あの時以来、あの女の幽霊を僕は見ない。

僕の涙で成仏してくれたようだ。

天国で、彼女の家族達と楽しく過ごしていることを願う。

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その女の人はどこかへ行って戻ってきた時にお墓が無くなっていて
パニックになってしまったのでしょうか。
他のご家族の方はお墓を撤去する際のご供養で先に向こうの世界に行かれていて
『僕』さんの涙でご家族の方の元に導かれたのでしょうか。
そうだとするならいいですね。

しば子さん、“怖い”ありがとうございます。しば子さんも十二分に怖い思いされていたんですね。本当にかないませんね。

upa 様
コメントありがとうございます。
いい話なんて言っていただけて嬉しいです!
ケータイの前で飛び上がってます←

いい話でしたヽ(;▽;)ノ