短編2
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灯台

この話は、まだ幼稚園に入ったばかりの年のお盆の時の事。

お盆に田舎へ行こうって事で家族3人で帰郷しました。

当時の田舎では、町内の一軒一軒が交代で灯台を見回りに行ってました。

その日は親戚の家が見回りの日だったので、イトコ3人と、自分の4人が興味本位で大人達3人に着いて行きました。

最初は灯台周りをぐるっと回って、変な人がいないか?とか、不法投棄が無いかを確認して回りました。

といっても、自分含む子供達は鬼ごっこをして走り回っていましたけど(汗

そうこうしているうちに大人達は周りを一通り見て回り、灯台の中に入っていきました。

子供は中に入ってはダメということで、そのまま鬼ごっこから追いかけっこをしていたのですが……

走り回って2・3分経った頃、崖側に逃げて走っていた時、ゆっくりとなだらかだった海から崖上まで吹く風が、急に強風になって吹き上げてきた!!

その瞬間!

俺の体が崖の方に引っ張り落とされようとした!

急な事に頭の中がパニックになり手足をバタつかせていたら、何かに足を掴まれる感触があった。

「誰かが助けてくれた?」と思って安心して足をみたら、手首から先の体が無かったのに気がついた。

「えっ?えっ?何?」と思った瞬間、体が崖から落ちた!

その途中、頭の中で「助けてください!」を何回も言っていたら、突然耳元で女性で「貴方じゃない、ごめんね…」と一言聴こえ、「えっ?」と言った(と、思う)時に、「貴方だけでも助かって」と女性の声が聞こえました。

その瞬間意識を失いました。

意識を取り戻したのは病院のベッドの上でした。

目を覚ますと両親が泣きながら抱きついてきて「良かった…」と言い、意識を取り戻した事を喜んでいましたが、なんで落ちたかを話したのですが、両親には「お前がふざけて走り回っていて、不注意で落ちただけだろ!」と怒られ、2発のゲンコツが落ちました。(

本当に痛かった…トホホホ…)

あれから毎日、なぜあんな体験をする羽目になったのか考えましたが、結局答えが出ないので、今は考えない事にしました(笑

あの女性は何故あんな事をしたのでしょうか…

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