盗聴調査ファイルNO331より。

中編6
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盗聴調査ファイルNO331より。

とある一軒家であった事です。

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大学を卒業後 京都での就職が決まってある一軒家を借りられた女性からのご依頼

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その方がおっしゃるには、「この家何か変なんです 私の留守中誰かが入っている様で

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夜家に帰って来ると 机の上の物の位置が違ったり、朝出た時と何か雰囲気が違うんですよ

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ひょっとして 誰かに盗聴器が仕掛けられているかも」

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ていう依頼内容だった

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調査当日 アルバイトのN君2人で依頼主宅に向かった ついたのは夕方6時位、

京都の町並みは 道幅が無く路上駐車は困難の為、近くのコンビニに車を止め 

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そこで その女性と落ち合った

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そこから歩くこと2~3分その方の案内で家に着いく

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いかにも京都の町屋って感じの家だった

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中に入りすぐに機材を取り出し調査開始する

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別に怪しい電波が出ている事も無く又 盗聴器が仕掛けられていた形跡も無かった

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私は 彼女に「この家結構古いですからネズミがいたずらしてるんじゃ無いですか

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ここに暗視カメラが有るんでこの部屋の様子を1時間程撮りましょう もしネズミならその進入経路が判りますから」と提案した

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じゃぁやりましょう という事でカメラをセットした

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内心 1時間で何がカメラに写るもんかと思っていたが 彼女を安心させる1つの手立てだ

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この家は縦長で 6畳の畳の部屋と真ん中が6畳程の板の間そして6畳の畳部と3つになっていた

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この3つの部屋が全部写る様カメラを調整 そして 依頼主である彼女とN君3人で近くのファミレスで時間をつぶす事にした

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3人 かなり話が盛り上がり 1時間があっという間に過ぎた

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部屋に戻りN君はビデオの確認 私はその他 怪しい所が無いか再度部屋を見て回った

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その時 N君が私を呼んだ

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「ちょっとこれ見て下さい」と「ここなんですけど」と言いテープえを巻き戻した

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N君が言った「ここです」とカメラの液晶画面を指さした

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そこには パチンコ玉位の大きさの白いオーブが写っていた

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アングルから見て どうも真ん中の板の間 カメラの右端に忽然と現れゆっくりと水平に飛びその部屋の中央付近で消える

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それと同一のものが数分後にも記録されていた

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この事彼女に言っちゃいけないよ とN君に言い その板の間を確認した

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そこはカーペットが敷かれていて気が付かなかったが

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床下に収納ボックスがあったのだ

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彼女に尋ねた「ここ開けていいですか」と

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彼女曰く引っ越して来て間が無い為 まだ開けた事無いとの事

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私は彼女に確認をとりその床下収納の蓋を開ける事にした

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彼女とN君も注目した「ぎいぎいぎぃ~」と音共に蓋を開けた

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もう何年も開けて無いのだろう 中からかび臭いにおいがプウ~ンとした

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中にはボロボロの電気毛布がありその下には何かみかん箱の様なふくらみがある

 何かある様だ

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私はその毛布をゆっくりめくりあげた 「何やこれぇ!」と 驚いた

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そこには そのみかん箱位の大きさのボロボロのお仏壇があった

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湿気のせいか仏壇の枠は腐っていてかなり古い感じ 実に気持ち悪い状態

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私はこの家を紹介した不動産屋に 床下からこんなもん出てきた 気持ち悪くて住んでられないとクレームつけなさいと彼女に言った

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彼女もそのはず 携帯で友達に連絡して今晩泊めてぇ 迎えに来てぇ!などと話ししている様子

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まさにカメラに写ったオーブの正体はこれか!

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取り合えずこの状況の証拠写真を撮る為 車にカメラを取りに行った

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そして カメラ片手にその家の玄関付近まで戻って来た時である

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「うわぁ~ぁ~ぁ~はぁ~ぁ~ぁ~」という 何とも情けない様な腰が抜けたN君の叫び声が聞こえた

いったいどうしたんだぁ と思い 玄関を開けた

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すると 玄関の隅に彼女がしゃがんで顔を手で覆い泣いている

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部屋の中にはN君が 板の間で押し入れの襖に背中を付け尻もちを付く形になり顔は上を向き口をポカァ~ンと開けた状態

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そして驚いた事に彼は失禁状態だった

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「おい!どないしてん!何があったんやぁ!」とN君の肩を揺すぶった

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彼は無言のまま床下の仏壇を指さした

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何と 仏壇の扉が開いている 中にはボロボロになった位牌がまるで

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積み木の様に重なり合っていた

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彼に問いただした「誰がこの仏壇の扉開いたんやぁ!お前か?彼女か?どうなんや!」と

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かなり大きな声で怒鳴った

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N君は自分が開けたと言わんばかりにうなづいた

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「何勝手な事してんね!こんなん俺らの仕事ちゃうやろ!」怒鳴った瞬間だった

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部屋の蛍光灯が豆球に変わった

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ええ?

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こんなもんは 紐でカチャッ カチャッと引っ張らないとスイッチが切り替わる事は無い

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一瞬で薄暗くなった部屋

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その時 私の右目の端に何かもやもやした物が写り込んだ

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気になってその場所に目をやった

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するとその床下の仏壇あたりから薄く白い半透明の手が何本も伸びているのが見えた

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その手は垂直に天井に向かって延び始めていた

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私は今ここに居ると非常にヤバイと思い N君の手をつかみ それと同時に玄関で泣いている彼女の手を引っ張りながら素早くこの家から出たのだ

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取り合えず車を止めているコンビニのところまで二人の手えを引っ張って走った

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何とかこの二人を落ち着かせ様と必死だった

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彼女のほうは先程とは打って変わって別人の様な顔つきになっている

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まるで魂が抜けた様な

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N君は自分が失禁した事を自覚したのか私に「コンビニでパンツ買って下さい」と 一言

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「俺がカメラ取りに行ってる間にいったい何があったんやぁ!」とN君に問いただした

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すると半べそかきながらN君が話し始めた

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「渋谷さんが出て行ってからしばらくその仏壇を眺めてたら 何となく扉を開けなあかん様な気がして

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それで仏壇の扉を開けたんです

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そしたら そしたら・・・その開けた瞬間中から・・・・」

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「中からどないしてん!」と彼の頭をひっぱたいた

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しばらくして話しを続けた

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開けた瞬間中から顔半分骸骨のお爺さんが「出たいぃぃ~」と叫びながら出てきて僕の頭の上をかすめて飛んで行った」

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そのままN君は口を閉ざした

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私は思った 人間MAX恐怖を体験すると小便漏らすもんだと

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それと同時にその仏壇から幽霊が飛び出す光景を彼女も見ていたのだと

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さすがに怖かったのだろう まだ ぼーっとしてしゃがんでいる

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しばらくして この事件が起こる前に彼女が電話連絡していた友達が迎えに来た

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その彼女の女友達に今あった事の状況説明し迎えの車まで彼女の手を握り送った

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別れ際彼女に「家は私が施錠し鍵はポストに入れておきますから」そう言うと

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「何がぁ 何! 知らん 何!」と意味不明の言葉

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しかもその声 低い男の声で まるで別人

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そのまま車に乗り込み夜の町並みに消えて行った

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私はN君を励ましながら家まで送り届けた

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次の日気になるもんですからN君に電話した

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彼 電話に出ないんですよ

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次の日も その次の日も 電話がつながらないんです

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事件の日より4日目だったでしょうか

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朝 事務所のチャイムが鳴った 

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「ピンポ~ン!」 カメラで確認するとN君だった

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ドアを開けでビックリした 

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髪の毛ぼさぼさの汚らしい格好をしたN君がぼーっと立って居る

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「お前どないしてん あれから電話してもつながらへんし 心配しとったんや」

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彼を中に入れコーヒーを出した

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「それにしても 何ちゅう格好してんね で 何やその頭 髪の毛終わってるやんかぁ」

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そう言うとN君があれからどうしていたかを語り始めた

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「渋谷さん ヤバイです 俺 寝れないんです どうもあの爺の幽霊に取り憑かれたみたいで

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眠たくて うとうとして眠りにつこうとすると あの仏壇から飛び出して来て 出たいぃ~

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の声が耳元で聞こえて眠れないんです」

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彼自身説破詰まった状態だった

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かなりショックだったのに違いない あんなもの見たんだから

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「まぁ 取り合えず病院行って睡眠薬でも処方してもらえや」

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そう言い彼を駅まで送った

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結局 彼入院しちゃいました

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入院中も病状は改善されず 相変わらず うとうとすると「出たいぃ~」が聞こえて

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そして 気が狂ったN君 病室の窓から飛び降り自殺をしたんですが、3階という中途半端な高さから落ちたもんですから足を粉砕骨折し 一生歩けない体になっちゃいました

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私 思うんですが あの時 「出たいぃぃぃ~」といって出てきた爺の幽霊 N君が「俺の頭の上を掠めて行った」と言っていたが 実はその爺 頭の中に入り込んだんじゃないかと

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非常に気持ちの悪い体験でしたねぇ

Concrete
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ローザさん この爺のお化けはN君に憑依 依頼主の女性には他の霊が憑依したかも 
 この女性その後連絡とれず 又 今回の費用回収出来ずでした!

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欲求不満さん 京都は妙な事が沢山ありますです!

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こわいぃ〜‼︎

京都は怖い事が沢山ありそうですね…

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…ヤダ(´・ω・`)
頭の中は居心地いいのかしら?いや、そこからも出たい〜のかな。

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