中編5
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周波数のイタズラ。

幽霊が

見えるニンゲン

見えないニンゲンって

分かれてると思いますか?

第六感?

錯覚?

幻想?

でも、幽霊は

あやふやな存在なんかじゃない。

時に真実のみを写すカメラだって

幽霊の映像を捉える。

幽霊の存在については諸説あるけれど、

私は周波数が大きく関係してるという説が

もっとも有力だと思う。

例えば、テレビのように

ニンゲンの存在するチャンネルと

その他に広がるチャンネルに幽霊が存在する

この例えでは地球はテレビだ。

世界は思っているより

ずっと広く、そして、奥深い。

一般的な視覚の周波数帯に

おいては残念ながら殆ど幽霊は見えない。

でも、周波数帯が変われば

その周波数帯に存在する幽霊が映りこむ。

そう、幽霊はイタズラに

自身の周波数帯を変えられる訳じゃない。

彼らの時間は既に各自で止まっている。

彼らは色々な周波数帯に所々存在している。

そして、周波数帯を自在に変え

往き来できるのは無限の可能性を秘めたニンゲン。

感情の変化といった何からの影響により

周波数帯が僅かながらでも変動し

偶然にも本来見えないはずの

幽霊の一部だけが見えるようになる。

つまり、周波数帯が違うだけで

私たちニンゲンと同じ時間・場所に

幽霊は確かに存在している。

・・というのが

私が信じている「幽霊が見える理由」だ。

これは、あくまでも私が周波数論に1票投じているだけであって、正しいとか正しくないとか

そういう話は求めてません。あしからず。

長々と説明してしまったが、今回はこんな「周波数」が招いた「イタズラ」について語っていこうと思う。

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私はオートバイで一度、死にかけた。

たくさんの傷、粉砕骨折を負い

入退院と手術を繰り返し

外見は普通にも見えるが、

傷跡やら手術跡やら関節の稼働域に制限が出来たなど

多少なりとも後遺症を抱えながら生きている。

この生死をさ迷った事故以来、

私は「見える」ニンゲンになったようだ。

何かを考えていると見えないのだが、

眠りに入る前など無意識化では

稀に見えてしまう。

半透明で、一目でも幽霊と分かる彼らは

知らない人達ばかり。

私の存在に気付いていないと思える者

私に何かを語りかける者もいれば、

私に軽い悪戯をしかける者もいる。

今夜は眠気を感じて布団に入ったが

入ったとほぼ同時に、その姿を捉えてしまった。

しかし、今夜の幽霊は一風変わっていた。

無表情の30代くらいの男性で、悪い印象はないが

何も語りかけようとはせず、

ひたすら手招きを繰り返すのだ。

私をどこかに連れだそうとするように・・

関わったところで、

どうせロクなことなどない。

すぐ諦めてどこか行くでしょ。

そう思って、無視していた。

しかし、この夜は

金縛りに遭ってる訳でもないのに

どうしてもどうやっても寝付けなかった。

もう布団に入ってから3時間くらい経ってんだろうなー。なんて思ってたけど、1時間程度しか経ってなった。

深夜2時

夜は始まったばかり。

チラっと先程の彼を見ると、

やはり彼は飽きることなく

延々と無表情で手招きを繰り返している。

そういえば心なしか、手招きの速度が早まっているような・・

「しょうがないな・・」

明日はどうせ休みだし

このまま居座られたら堪らないしー

なんて適当な理由をつけて

彼に付き合うことにした。

実際には、

多少不気味だったのと、ただの興味本位だった。

起き上がり

枕元に置いてある上着を羽織ると

彼はこちらに向かって手招きを続けながら

ゆっくり後退し始めた。

上半身だけの彼

一体どうやって後ろ向きに進むんだろうなー

知らない道までいったりして戻ろうとしたら

怒られちゃうのかなー

っていうか、こんな夜中に出歩くなんて

久しぶりだわ。星が綺麗だなぁー

なんてお気軽なことばかり考えながら

知らない無言の案内人と深夜の散歩していた。

10分くらい歩いただろうか・・

案内人の彼は

何の変鉄もない1軒家の前で止まった。

知らない家だ。

私を見ていた目が徐々に宙に流れて

家の二階あたりで止まった。

「・・??」

あまりにも長く見つめ続けるものだから

私も同じ場所に目を向ける。

その時、突然、玄関に明かりがついた。

センサーで自動的に電気がつくタイプのようだ。

出てきたのは40~50歳代だろうか?男性だ。

小汚ない格好で玄関の壁に手をつき、無理やり靴を履こうとして履けず酷く慌てている。

幽霊の先導についてきた私の立ち位置は

男性の死角になっていたのかもしれない。

玄関の真横にいる私の存在にも彼は気付いてないようだ。

「早く隠れなくちゃ。」

何となく見つかってはいけない衝動に駆られて

振り返りすぐ後ろの路地に隠れた。

そういえば、あの幽霊は?

見回しても見当たらない。

まだあの家の前にいるのだろうか?

振り返るときにいたかなぁ・・

ちっ!やっぱり来なきゃ良かった・・

あの人、こっちに来なきゃいいんだけど・・

そのまま2、3分経っただろうか?

玄関から出てきた男はこちらに来ない。

どうやら、別の方角に立ち去ったようだ。

ホッと一息つき、そういえば幽霊どこかな・・

と、路地の壁ごしに先程の立ち位置を覗きこむ。

覗きこんだ瞬間、視界が闇に包まれ

突然の事態にとっさに後方に飛びのく。

体勢を立て直し、そっと見上げると

そこには玄関から出てきた男が居たのだ!!

叫びたいけど叫べないほどの恐怖心にかられ

フッっと意識が遠のき始める。

意識が遠退く中で見た映像は、

男の背後からゆっくり顔を出した

あの幽霊が

手招きしていた手の倍はあろうか

という大きな手で男の頭を掴み

瞬時に男の身体ごと後ろに投げ飛ばした。

幽霊は何事もなかったかのように無表情のまま

私に向かって深々と頭を下げた。

そんな映像だった。

次に目覚めたとき

私は何故か自宅の布団の中にいた。

家に戻った記憶など

もちろんない。

家の鍵だってしっかりと

かかっていた。

なんだ、夢だったのかな・・

嫌な夢だった。

いつものようにリビングに行き

テレビをつけると

「新婚夫婦惨殺、強盗殺人の犯人は

泥酔運転による車にはねられ死亡」

というニュースが流れていた。

言うまでもなく、新婚夫婦の家は

まさに幽霊によって誘導された家だった。

二階の寝室で眠る新婚夫婦2人を刺し殺し

金品を奪って家を飛び出したあたりで

車にはねられたそうだ。

新婚夫婦二人、そして、犯人も

即死だったそうだ。

Live報道の後、

事故が起きてそう時間も経っていないだろう

深夜帯にも関わらず報道陣が駆けつけ

撮影された映像も流れており、私は凍りついた。

交通事故の現場から家に向かって

ゆっくり歩み寄る報道アナウンサー

私が幽霊と二階を見ていた位置よりも

遠くにいるにも関わらずセンサーが働いたのだ!

え?え?どうして?

あの幽霊の、深々と頭を下げた礼が

フラッシュバックし頭から離れない。

もう私は手招きする幽霊を見たとしても

ついて行くことはないだろう。

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こ、怖いです…手招きする男性の霊が怖すぎます…!私なら…寝たフリをします(・□・;)

殺されたダンナさん..頭を下げてお礼して..きっと生前は良い人だったような気がする。
悪霊にならないで成仏して欲しいなと
感情移入してしまいました(((ρT-T)ρオヨヨ

ロビンさんコメントありがとうございます!
また、表現力がない文章で混乱させてしまい申し訳ありません。

幽霊は、殺された旦那という設定です。
いつの間にか殺されていて
愛する妻と自分の無惨な死体を目にした彼が
復讐を果たそうと霊体ながら心底願う。

願った瞬間、その願いを叶える最も近い者に
引き寄せられ・・そして生者の強い力と周波数域を介して復讐を果たす代わりに悪霊になり下がる。

そういう話にしたかったのです。
ご一読下さり、コメントまで頂いてありがとうございました!!

その幽霊さんって、新婚夫婦とどういう関係だったんだろう?

幽霊さんからは、この人には見えているということが分かるんでしょうか?

何かのきっかけで見えるようになったっていうお話しは結構この怖話でも読んだりしていたのですが、ほんとにあるんですね。