長編14
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幽霊屋敷

金曜日の放課後。この日は佐藤達の部活がある日だ。そこで3人そろってある話をしていた。それはこの部活の活動内容だ。心霊研究クラブと言うからには心霊についての研究をしなくてはならない。なのに佐藤達がやるのはいつもここに集まって話をしたり、

マンガを読んだりする事ぐらいだ。おまけにこの部活は部員が佐藤に勤に理子の3人だけ。これでは廃部は近いだろう。それで今回3人集まって色んな意見を出しあい、この部活を継続させようと言うことだ。

「まず、活動内容なんかはどうする?」「やっぱり心霊研究クラブとしては心霊に関する資料を集めて新聞作るとか?例えば霊には浮遊霊、地縛霊、生き霊、死霊と言った様々な種類の霊がいるとか。」

「でも最終的に廃部を防ぐならやっぱり部員を増やさないと。」あーでもない、こーでもないと言ってる内にあっという間に時間が過ぎて日は暮れてしまった。下校時刻を過ぎたので解散して各自帰宅する事に。

「じゃあ、またな。」「バイバイ。」勤は独り言を言いながら帰路に着いていた。「あーあ、何とかしないと卒業までに廃部になっちまうよ。」帰り道に勤はある家の前を通りかかる。「あれ?ここは。」 その家は見るからにとても古い家だ。

草に覆われていて壁には亀裂が入っている。明らかに人は住んでいない。「そうだ、この家は空き家の幽霊屋敷だ!」そう、この家は数年前に住人が突然失踪した空き家だ。新しく買い手がついても何故かその度にその新しい住人も忽然と姿を消して

しまうらしい。だから皆気味悪がってだれも住もうとはしなかった。その後取り壊す話も出たそうだが、解体作業を始めようとすると何故か決まって

事故が起きるのだそうだ。その為工事は中止され、ずっと空き家になっていて今に至る。

勤もこの家の近所に住んでいるから噂を聞いたことはある。只、何故幽霊屋敷と呼ばれているかまでは勤も知らない。噂によれば幽霊屋敷という名前の由来は子供がつけただの、人が失踪するのはこの屋敷に棲む化け物が食らっているからそうつけられただのと

色々あるが詳しくは分からない。「噂には聞いてたけど、実際に見るのは初めてだな。にしても幽霊屋敷って言われるだけあって夜だと超雰囲気あるなぁ。」勤はしばらく眺めた後、あることを思い付いた。「そうか!その手があったか!これなら新入部員も!」

勤は大喜びで家へ帰り、理子と佐藤に明日学校で話したい事があるから昼休みに部室で会おうと電話した。

翌日、昼休みになって佐藤と理子は弁当を持って部室を訪れた。するともう勤が先に来て待っていた。「よっ!待ってたぜ!」勤は満面の笑みで言ったが、二人は何も聞かされてないために少々不機嫌だった。

「それで?俺たちを呼んだ用って何だよ?」「いや、この部活の継続についてだよ!」勤が言うにはこの部活を継続させるにはもっと部員を増やさないといけない、だからその為に新入部員が大勢集まる様な事をしようと言うことだ。

「それで?新入部員が集まるような事ってどんな事だよ?」弁当のサンドイッチを食べながら佐藤が質問する。「心霊スポットを探訪するんだよ!」そこで勤は夕べの幽霊屋敷を見て思い付いたある考えを話始めた。

その考えというのは心霊スポットである例の幽霊屋敷を探訪し、そこの情報を新聞に纏めて号外で学校中に出そうという事だ。「そうすれば皆興味を持ってこの部活にくるだろ?それならいずれ新入部員もたくさん来るぜ!」

「どうかな?佐藤、理子!!」笑顔で尋ねてくるので佐藤は渋々ながら賛成する。しかし理子の方は佐藤と違って勤の意見に完全に賛成する。むしろ、理子の方が勤以上に興味を持ってしまったのだ。」

放課後3人は一度家に帰って探検の準備をしてから勤の家の近所にある例の幽霊屋敷に向かった。今日は土曜日で学校が早く終わったのである。「うわーっ、すごいな。これが何人も失踪したっていう幽霊屋敷か。」「面白そーう!」

「二人とも、ちゃんと持ち物持って来たか?」「ああ。」「当然よ!」3人が持って来た物とは…。勤が懐中電灯にトランプに夜食に水筒に毛布にバットに野球ボールに携帯電話にノートと筆記用具一式。全てリュックに入れて持って来た。

次に理子が持って来たのは夜食に水筒に懐中電灯に鏡に携帯電話に毛布にカメラに予備のフィルムに空のフィルムケース。全て手提げかばんに入れて持って来た。

最後に佐藤が持って来たのは夜食に水筒に懐中電灯に毛布に携帯電話にビデオカメラに虫眼鏡にコンパスに予備の数珠と手作りお守り。全て鞄に入れて持って来た。

「よし、完璧だ!」「でも本当に今日ここに泊まるのか?」「当たり前だろ、だからわざわざ皆毛布を持ってきたんじゃないか!」そう、3人は今日この幽霊屋敷を泊まりがけで調査するのだ。

「でも何だか軽く犯罪行為の気もするけど。」「大丈夫だよ!とにかく入ろうぜ。もう親にも今日は友人の家に泊まるって言ってあるんだろ?」そう言いながら勤が中へ入ってしまった為に佐藤もやむなく理子と一緒に中へ入った。

中へ入る為に敷地内の庭の雑草を掻き分けながら進み、窓が割れていたのでそこから屋敷の中へ入った。 中は想像以上に荒れている上にホコリだらけでクモの巣まみれだった。もちろん電気は点かないので懐中電灯の明かりだけが頼りだった。

昼間でもかなり暗いので懐中電灯は必要不可欠だった。勤がライトで照らして、理子がカメラであちこちの写真を撮り、佐藤がビデオカメラで撮影する。ちなみに屋敷は二階建てなので一階から順番に調べている。

調べている内に前の住人の物であろう家具が幾つかあった。いずれもホコリを被ってクモの巣が張ってある。勿論家具のタンスの引き出しの中などもしっかり調べているが特に何もなかった。休憩の際に佐藤は気になっていた事を勤に聞いた。

「なぁ勤、確かこの家を買った新しい住人も忽然と消えたんだよな?」「ん?ああ。」「じゃあ、警察の捜査も行われたのか?」「ああ、聞いた話によれば大勢の警官隊が大捜索したらしいけど結局誰一人として見つからなかったって。」

「もちろん新聞にも何度か載ったらしいけど。」「そうか…。」「それがどうかしたのか?」「いや、住人が姿を消したのは霊とかの類いによるものじゃなくて強盗に入られたとか、どっかに行ったとかじゃないかって。」

「さすがにそれはねぇよ。強盗が何度も同じ家に忍び込むとか、あり得ないし。どっかに行ったにしても荷物を置いたままな分けないしな!」「そりゃそうか。」しかし佐藤は何か気になった。そこで携帯電話で石田刑事に電話し、この屋敷の事を調べてくれる様に

頼んだ。「そんなに気になるのか?」

「ああ、最初のこの屋敷の住人の事とか、その後にこの屋敷を買った新しい住人が買ってからどれぐらいで姿を消したのかって事とかな。」「なるほど!それならこの屋敷の歴史を新聞に纏める時の資料にもなるしな!」

「そう言うことさ!」

それからしばらくしてもう一度屋敷の調査を再開した 。一階は夕方になるまで調査したが、結局大した情報は得られなかった。休憩中に石田刑事から連絡があり、調べた事を詳しく教えてくれた。以下、その内容だ。

ーこの屋敷が最初に建てられたのは今から丁度7年前。最初の住人はある資産家の3人家族(父、母、息子)で

父親は松田淳平、母親は松田栞(しおり)、息子は松田俊彦(としひこ)。

この資産家一家が失踪したのはこの屋敷が建てられてから1年後。

仕事にも顔を見せないのを不審に思った父親の同僚が様子を見に来たのである。その同僚の通報により、警察の捜査が屋敷全体で行われたが遂に発見されなかった。その後空き家になったこの屋敷を3人ほど新たに買う者が現れた。

買った3人はいずれも独り暮らしだった。だが、全員買ってから一週間も経たないまま失踪してしまう。これにより、その後誰も買い手は現れなかった。近所に住む人達の間ではある噂がたった。それはこの屋敷に棲む化け物が住人を食らった、

失踪した住人達は全員この屋敷の最初の住人の亡霊の祟りで神隠しに遇ったと言った物だ。ちなみここの敷地には屋敷が建てられる前にある石があった。その石にはある妖怪が封印されているという古い言い伝えがあった。

なんでも江戸時代にこの辺の土地はある妖怪による被害を受けていたらしい。その妖怪は名を紅大蛇(べにだいじゃ)と言ってこの地に住む人々を夜な夜な襲ってはさらい、食らっていたという。その妖怪は名前の通り体が真っ赤で十メートルを越す巨大な大蛇

であり、口からは体と同じ色の真っ赤な炎を吐き、家を襲っては燃やしていたらしい。さらに人々をさらう時には炎を吐く口からこれまた同じ色の真っ赤で二メートルは越えるほどの長い舌で絡め取っては捕食していたらしい。

その妖怪が現れてから数ヵ月後に一人の旅の侍がやって来て、紅大蛇の事を話すと妖怪退治を引き受けてくれる事になった。さらにその夜に紅大蛇が現れると素早い動きで敵を翻弄し、瞬く間に紅大蛇の弱点である両目を攻撃して見事に退治した。

紅大蛇の体は力尽きるとどろどろに溶けて跡形もなく消滅した。皆侍に感謝した。しかし紅大蛇が退治されてから数ヵ月後に今度は別の事件が起こった。何と紅大蛇を退治した侍がこの地を離れる際に突然痙攣を起こしたのだ。苦しみながらその侍は死んだ。

体に紅大蛇そっくりのアザを残して。

さらにそれを機に次々とその侍と全く同じ状態でこの地の人々が息を引き取り続けた。いずれも遺体には侍の体に出ていたのと同じアザが出ていた。

紅大蛇の祟りだと恐れた人々は大慌て

で日本各地から有名な拝み屋や祈祷師

を呼んで助けて貰える様に頼んだ。しかしその祈祷師達さえも同じような状態で亡くなり続けた。それから1年後にようやく紅大蛇は石に封印され、紅大蛇を退治した侍の愛刀をその石の穴に刺してこの事件は終わりを告げた。

だが、その石が7年前にこの屋敷を建てる際に邪魔になるとのことで粉々に粉砕されてしまったのだ。この近所に住む人達の中でもその石や先ほどの古い言い伝えを知る者がほとんど居なかったために処分されたのだ。ちなみに処分された石に刺さっていた刀は

価値があると見た資産家の所有物になったらしい。しかし、肝心の妖怪が封印されていた石は粉砕してしまった為に自由の身になった妖怪が祟りでこの屋敷の住人を次々に神隠しに遇わせたんだと近所の住人でさっきの古い言い伝えを知っていた老人は

語り、それを聞いた近所の住人がそんな噂を広めた為に幽霊屋敷と呼ばれる様になったらしい。ー

長くなったが、以上がこの屋敷についての全てだ。佐藤は石田刑事にお礼を述べて電話を切った。

「いやぁ、すごい内容だったなー。」「ほんと!凄かったね。」「まさかこの屋敷の敷地やその周辺の土地にあんな歴史があったなんて驚いたぜ。」「でも、そうなると住人が失踪したのはその妖怪のせいなのかなぁ。」

「佐藤はどう思う?」「いや、俺もまだ何とも言えないな。最初の住人が失踪した原因がその妖怪のせいだとしても、その後の買い手3人が失踪した原因は別にあるかも知れないし。」

石田刑事の話を聞いている内にかなりの時間が経過したらしく、もうそとは完全に真っ暗だった。3人は夜食を食べて腹ごしらえを済ませ、早かったがそれぞれ眠りに就いた。念の為に佐藤は寝る前に二人に手作りお守りを渡し、自身もお守りと一緒に数珠を

持って就寝した。翌朝佐藤が起きると理子の姿が居なくなっていて、勤はまだ寝ていた。目覚めた勤も事の状況を理解して二人で理子を探す事にした。ちなみに理子の荷物はそのままであり、お守りは毛布のそばに落ちていた。

しかし、その落ちていたお守りは真っ黒に焦げている上に中身の白い塩も黒く変色していた。佐藤と勤が持っていたお守りも見た所、同じ状態に変化していた。「こ、これは一体…。」「佐藤!どうなってるんだよ!?」「俺にも分からない…。一体何で。」

「とにかく二手に別れて理子を探すぞ!」そう言って勤は荷物を掴むと二階に上がって行ってしまった。佐藤も荷物を持って一階を探し始めた。しかし、それから一時間かけて隈無く探すも結局理子は見つからなかった。

佐藤は携帯電話で勤に二階はどうか聞いて見たがいないという返事が返ってきた。佐藤も二階に上がり、勤と合流した。「どうしよう。」「もういっぺん探すぞ!今度は二人一緒に!」

それから昼頃まで二階のどこかに見落としがないか探すも見つからなかった。昼食後に今度は一階を隈無く探した。そして…。「おい!あったぞ、勤!」佐藤が見つけたのは地下への階段だった。場所は二階へ上がる階段の下だった。

壁に偽装した空間の下に扉があったのだ。二人は懐中電灯を片手に下へ降りた。階段を降りた先には一つの部屋があった。ドアを開けて中に入るとそこには5体の人骨とそばに横たわる理子がいた。「理子!!」二人は理子に駆け寄ると理子の名を呼んだ。

すると理子は目を覚ました。「理子!よかったぁー。」勤は安堵して泣き崩れた。それから理子に昨夜何があったか聞くも何も覚えていないと言う。自分がなぜここにいるのかも分からないらしい。

しばらくすると後ろの部屋のドアが開いた。 振り返るとそこには一人の男が立っていた。「だ、誰だお前は!?」

「俺は松田淳平だ。」「松田淳平って…石田刑事が言っていたこの屋敷を建てた最初の住人の主!」「その通りだ。」そして松田淳平は語り始めた。

松田が言うに、どうやら7年前にこの屋敷の敷地にあった石に刺さっていた剣にこの屋敷を建てた1年後に触れた時に急に殺意を持ってしまったらしい。そして密かに作ったこの秘密の地下室に自分の妻と息子を呼び、

二人をその剣で脅してこの地下室に閉じ込めてからすぐに用意していた毒ガスをこの部屋に充満させて二人を死に至らしめたのだ。さらにその後この屋敷を買う者が現れる度に突然地下室から現れては同じ手口で殺害していたらしい。

「その被害者五人がこの5体の遺骨か。」遺骨に目をやりながら佐藤が呟くと「そうだ」と答えた。佐藤はさらに続けて言った。「話を聞いて分かったよ。あんたはあの剣に宿っていた侍に取り憑かれたんだな!」

「えっ、侍!?」二人が同時に叫んだ。「妖怪じゃないのか?」「いや、正確には例の妖怪に体を乗っ取られた侍が憑依しているんだ!」

「どう言うこと?」二人が理解出来ずに質問すると佐藤は説明し始めた。

「まず、言い伝え通りに侍が紅大蛇を剣で倒す。退治された紅大蛇は死後に怨霊になって侍に復讐しようと決めた。そして数ヵ月にまんまと呪い殺して復讐を果たす。だが、紅大蛇がさらに呪いを広めて大勢の人々を死に至らしめた為に祈祷師によって

例の石に封印された。ここまでなら紅大蛇の悪事はそこで終わった。だが、祈祷師達はその後やってはいけない事をしたんだ!」

「それは何?」「侍が退治に使った刀を妖怪が封印された石に刺して一緒に封印してしまったことだ!」「えっ、それって駄目だったの!?」「ああ、その刀には侍の愛着があったから侍の魂が刀に

宿っていたんだ。なのに妖怪と一緒に封印されたから妖怪同様力を封印された状態で侍は妖怪と一体化してしまって体を乗っ取られた。妖怪の方は封印されてもなお怨みが残っていたから侍の体を乗っ取ることができたんだ!」

「じゃあ、石は壊しても平気だったの?」「いや、剣が石に刺さっている間はまだ妖怪の力を封印できたんだ。でも、妖怪の力が封印された石を破壊した為に封印されていた力が解放されて1年の月日をかけて剣に宿っていた侍と同化した妖怪に

再び戻ってしまった。」「そうか!その力が戻った剣を1年後に松田淳平が触れたから妖怪に体を乗っ取られた侍が松田に取り憑いたのか!」「そう、だから剣に触れた途端に殺意を突然覚えたんだ。それ以前に触れた時に何も起きなかったのはまだ剣に力が

戻っていなかったから。」「けど、どうして剣に力が戻るのに1年もかかったの?」「お前らには言ってなかったけど、昨日石田刑事が電話で言うには石が粉々にされた所は九州の方だったらしいよ。」「でも、何で直接剣を使わずにわざわざこの部屋に閉じ込めて

から毒ガスを使ったりなんて面倒な方々を?」「恐らくそれはまだ侍の意識が残っているからだ。侍はきっと化け物退治以外には絶対使わないって決めてたんだ。いわゆる武士の心得って奴だ。」

そこまで言うと佐藤は数珠を取りだし、「さぁ、侍の体を離れて姿を見せろ妖怪!」と叫んだ。「バッ。」すると松田は後ろ手に隠し持っていた例の剣で佐藤に斬りかかろうとした。

「くっ。」「バッ。」

佐藤は間一髪で剣を避けて数珠で強く松田の背中を叩いた。すると松田は倒れて松田の体から侍と妖怪の霊が出てきた。「出たな!」「グッ。」「その侍から離れろ!」そう叫びながら数珠を振った。

すると勢い良く侍と妖怪が分離された。その途端に数珠が切れてしまった。「ああっ!?」「そ、そんなバカな。」それを見た妖怪はニヤリと笑って話始めた。「バカめ!先ほど私がその男(松田)の体を使って剣で貴様に斬りかかったのを忘れたか!あのとき

実は数珠が切られていたのも知らずに。」そう、実は先ほど佐藤が剣を避けた時に数珠に切り込みが入って切れやすくなっていたのだ。「しまった。なんてミスを!」佐藤の表情が険しくなる。だが、佐藤はすぐに笑顔になって鞄から予備の数珠を

取りだした。「ニッ。」「き、貴様!もう1つあったのか!?」妖怪の顔が険しくなる。「俺が1つしか持ってないと思ったか?甘いな!」

「くっ。」「さて、後はお前を再び封印するだけだな。」「貴様ごときにこの私を封印できると思ってるのか?」

「私の力で貴様も侍や祈祷師達同様に呪い殺してやる!」「そうはいかないよ。」「何っ!?」「お前はもう呪いを使えない。」「何をバカな。」「!?」「か、体が動かない!?な、何故!?」

「侍のお陰さ!」「なっ、何っ!?」「侍がお前を動かない様にしてくれてるのさ!」

「お前は封印されていた間侍の体を乗っ取った。その時侍もお前の体を、お前から解放されたら支配できる様になっていたんだよ!」

「そ、そんなバカなー!!」佐藤は落ちていた剣を拾って数珠を巻き、叫んだ。「侍、この中へ入ってくれ!」すると剣の中へ侍は入った。そして剣が光だした。「紅大蛇、観念しろ!」

「ひぃっ!」佐藤は剣で妖怪に斬りつけた。

「ズバッ」「ひぃーっ!!」「紅大蛇、未来永劫に封印!!」斬りつけられた紅大蛇は光ながら剣に吸い込まれていった。「終わったの?」ビデオカメラで撮影していた勤が質問した。「ああ、除霊は終了だ!」佐藤が笑顔で答える。

「紅大蛇はどうなったの?」「この剣の中に封印されたよ。未来永劫に。

後は侍が永久に妖怪の力を抑えてくれるさ!」その後佐藤達の通報で駆けつけた警察により、松田淳平は逮捕、5体の遺骨も全て回収された。

証拠品として剣は押収されたが、担当刑事の石田刑事はしっかり保管しておくと約束してくれた。佐藤達

大手柄だったが、親にはかなり叱られた。

そしてビデオカメラで撮影した記録を編集して学校内に流したり学校新聞の号外に出した結果、佐藤が除霊する所はかなりの生徒に大好評だった。

だが、肝心の新入部員は得られなかった為に勤の狙いは成功しなかった。しかし、これを機に心霊研究クラブへ

心霊相談の為に相談者が来ることになるとはまだこの時は佐藤も予測していなかった。

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