中編3
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築40年のボロ社宅で…

あれは9年前、2000年2月だった。

自分は県外に働きに行く事が決まり、岡山県○○市へ希望と夢と若干の不安を胸に旅立った。

県外者なので社宅に住むことになったのだが、その場所が山と山の間に建てられていて交通アクセスは不便かつ近くのコンビニまで歩いて30分もかかるところだった。

周りは何もない、すぐ近くに大きい沼があり夜になると不気味な光景。始めのうちは仕事を覚えることと慣れない作業から疲れて寝る日々を繰り返していた。

部屋の間取りは3Kで自分ともう一人おっちゃんが住んでいた。台所を挟んでおっちゃんが玄関近くの部屋、自分は襖を隔てた部屋で隣にはまだ誰も入ってきていない。

しかし、仕事にも慣れ夜更かしするようになった自分は、夜中テレビを見ていると隣の部屋が妙に気になる感覚を覚える。築40年ほどのボロ社宅だからか、襖も傷んでかすかな隙間ができているのだ。

そして夜中になると隙間から誰か見ているという嫌な感覚を味わっていた。何か気配を感じる

それが1ヶ月続いた…

ある日、職場の友達2人が土日で2日間休みだからということで社宅に遊びに来てくれた。その中の1人は自分と同じく霊感があるが、けっこう強い。社宅の玄関に入ったとたん

「俺、あそこの部屋には行きたくない(空き部屋)」

と、急に言い出した。

もちろんそんな不気味な感覚をすることや使われてない部屋であることは何も伝えていないのに。

とりあえず、自分の部屋で買ってきてもらったビールやチューハイを三人で飲みながら仕事の愚痴を言い合いながら騒いでいた。飲み過ぎて酔った友達(霊感が強い)が「ちょっと隣の部屋見てみる」と言い出し、こそっと襖を開けた。

その瞬間、酔っていた友達の顔は急に青ざめるのが分かるほどであった。

「ここ…、幽霊いるよ。ほら、あそこの窓のところに…。うわっ目が合った…」

そして怖くなった友達2人は帰ると言って飛んで帰って行ってしまった。

残された自分はそれ以上に怖くなったが、どうすることも出来ずとりあえず考え込まないようにするしかなかった。

そしてついに忘れもしない土曜日の夜。外は雨が降っていた。いつものようにテレビを見ながら夜更かしして、午前1時頃に就寝しようと布団に入り目を閉じる。

あれから、どれくらい時間が経過しただろうか。

急に目が覚めてしまった。夜中に起きてしまうのは珍しくなく、また疲れから起きてしまったんだろうと思っていた。タバコを吸ってからまた寝ようと体を動かそうとしてみるが、動かない。えっ?と思いながらも頑張って手足に力を入れる。駄目だ、動かない。

その時だ。

隣部屋と隔てていた襖が小さくガタガタと動いた。怖くなった自分は首だけ動けたので襖のほうを見てみるが暗くてよく見えない。

気のせいか。と思った次の瞬間、足元からモゾモゾとこちらに何かが来る違和感を感じた。

それは次第に体のほうにやってきた。恐怖のあまり声も出せず、ただただ怯えているしかなく胸元あたりにモゾモゾと感覚がきてからなりふり構わず恐怖すら忘れて、一体何なのかを確かめようと全力で顔を上げた。

「…わっ…。」

その時に見た物は今だに忘れない。心霊話でよくある話なんだけど、肩にまで伸びる汚い白髪で頭には死んだ人が付ける三角のやつ。白い着物を着て、下半身は無かった。顔は焦げ茶色の骸骨に似たババアが自分の体を這いずり回ってきたのだ。

それを見た瞬間、言葉にはならない恐怖から不覚にも失神してしまった…

目を覚ました時にはもう朝10時過ぎで、夜中の出来事が何だったのか分からない。

時はたち、3年働いた仕事を辞める時に聞いた話だけど社宅がある敷地は昔、戦時中に亡くなった人の墓地だったそうだ。この付近で飲食店を建てるがすぐ潰れるとのこと。大きい不気味な沼で身を投げた人も昔は多かったらしい。沼の近くに鳥居があるのはそれのせいなのか。

最後になるけど、自分が働きに来た年の盆休みに社宅に住む同じ作業者が近くの森林で首をつって亡くなった

警察が何十台と社宅に来ていたので大変な騒ぎだったのを覚えている

今でも何らかの怪奇現象が起こっている。これは本当に体験した事実の話です

怖い話投稿:ホラーテラー 親から霊感譲りさん  

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わかり易すぎな、ベタな幽霊だね。