短編2
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-とり憑く-

彼女はいつも通り職場にに向かっていると、

バイクに乗っていた男性が横断歩道へ突っ込み、何人かを巻き込みマンションへと衝突した。

ヘルメットをかぶった男で見た感じでは即死だった。

彼女は他の人が救急車を呼んだのを確認し、遅刻ギリギリだったので急いで職場へ向かった。

後日聞いた話によると、死者二名、重症三名の大事故で、死者の一人が運転手、もう一人は事故に巻き込まれた老人だったそうだ。

それから数日後、彼女は肩が異常に重くなったのを感じた。

職場の友人にバイク事故や肩の重さを相談したところ、霊媒師に見てもらおうと言う話も出たが、ただの肩こりだろうと自分に言い聞かせ、普段どうりに生活を続けた。

それから数日後の休日に本屋へ行くことにした。

本を読んでいると、声をかけられた。

顔を上げるとそこには、異常に目のくぼんだガリガリに痩せた灰色の服を着たおばさんが立っていた。

おばさんはこういった。

「信じてもらえないかもしれないけど、あなたの肩にヘルメットをかぶった男の霊が憑いてるわよ」

この言葉を聞いた瞬間、霊媒師に電話し見てもらった。

霊媒師はこの状態じゃお祓いはできないと言った。

彼女は泣きながら「どうかお願いです!お祓いしてください!」と叫んだ。

霊媒師が彼女に質問した。

「あなたは自分に憑いている霊が何か分かりますか?」

彼女は必死に声を出し

「ヘルメットをかぶった男の人が憑いてるんですよね!?」と言った。

霊媒師はこう返した。

「問題はその霊ではありません。問題はヘルメットをかぶった男の人に憑いている灰色の服を着たおばさんなんですよ。」

その後、女性は気を失った。

2話目の投稿となりました。読んでいただいた方、ありがとうございます。

ところで、あなたの後ろに誰か居るんですが、気のせいでしょうか??

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短い文章でここまでの完成度…羨ましい。

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オバサン...!

ワザワザ教えてくれて親切と思いきや
Σ(''A`)

怖かったです。
ワタシも肩こり酷い...まさかッ!(-ω-;)

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さ、最後の忠告怖すぎだよぉ…
。・゜・(ノД`)・゜・。

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こ、怖かった…鳥肌たちました。
つい後ろを振り返って確認してしまいました。
何もいなくてよかった、多分…

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