リサイクルショップシリーズ29〜記録的大雪の日に〜

中編3
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リサイクルショップシリーズ29〜記録的大雪の日に〜

ある冬の出来事…

大雪が降り、「屋根の雪下ろしをする…」と屋根に上がろうとする祖父に暫くすれば、お父さんが帰ってくるから…危ないから…と説得して、屋根の雪下ろしは後回しに、家族で雪かきを済ませ家の中で一息ついて、お茶を飲んでいました。

私はまだ降り続ける雪で濡れたジャンパーを乾かすため衣紋掛けにジャンパーをかけている時…

雪かきのシャベルが足りず、リサイクルショップに買いに行っていた母が戻り

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「あれぇ…雪かき…もう終わっちゃってたんだ…」

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と居間のコタツに潜り、寒い寒い…と手をコタツで温めながら…

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「おじいちゃんどこ行ったの?仏間?」

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と尋ねました…

あれ?さっきまで「ストーブに灯油入れるで…」とか何とか言ってタンク持ってフラフラしてたのに…

と仏間に見に行きました。

廊下から障子戸を見ると仏壇の前に人影が見えたので

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「お母さぁん!仏間におじいちゃん居るよぅ!?」

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と言うと

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「あっそう…じゃあいいよ…あんたもこっち来て暖まりりなさい、寒いから…聡士ぃ…あんた、もうチョット其方寄ってあげなさい…お姉ちゃん入れないでしょうっ!」

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居間に戻り、私もコタツに潜り、寒い寒い…とコタツの上にあるリモコンでテレビを付け、天気予報を見ました。

まだ降り続ける…との予報に家族皆で溜息をつきました…

お婆ちゃんが

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「大変だねぇ…私も手伝ってあげれればいいのだけれど…」

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と申し訳なさそうに顔を歪めていました。

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「お婆ちゃんは腰が悪いんだからしょうがないよ…私達でなんとかするから…それに聡士は北高、柔道部のエースだよ!?力技ならこの子に任せときなって…ねっ?聡?」

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弟の聡士に言うと、本当に嫌そうな顔をしながら寝っ転がり、今週号の少年ジャンプを開いていました。

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「おじいちゃん、何してるのかしら?」

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母がお茶を啜りながら、気にしはじめたので…

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「釣りの道具でも手入れでもしてるんじゃないの?」

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と弟の読んでいる『銀玉』を横から覗いて読んでいました。

その時、玄関が開く音がしました…

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「ただいま〜!おーい屋根の雪、降ろしてくれたのか?誰がやったんだ?聡士かぁ?!」

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と、玄関でわけの分からないことを叫んでいました。

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「誰も降ろさないよ!?おじいちゃんがやろうとしたけど、お父さんがそのうち帰るからって止めたもん!危ないでしょう?足でも滑らせて下に落ちたりしたら…」

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「降ろしてあるぞ!来て見てみろ!」

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はっ?

と驚き、外に見に行くと…

確かに全て降ろされ、また下に三十センチを超える雪が積もっていました…

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「何これ…勝手に落ちたんじゃないの?もし降ろしたんなら下に降ろした雪も片付けるもん…」

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その時、ざわざわ…っと嫌な予感を感じました。

慌てて、仏間に駆けて行き障子を開けて愕然としました…

祖父が居ない…

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「お父さん!?おじいちゃん…おじいちゃんが屋根に登ったんだよ!

もしかしたら、落ちたんじゃ!?」

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その言葉に驚き、家族全員が飛び出してきて、「どう言う事だ!さっき仏間に居るって言ったじゃないか!?」

と、私を責めました。

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「だって!本当に居たもん!!」

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玄関に行き、祖父の長靴を探しました…当然ありませんでした。

急いで皆で外の雪の中を捜索すると、雪の下から冷たくなった祖父が出てきました。

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『救急車に連絡して病院に…』

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その流れを取ろうにも、大雪のせいで救急車もなかなかやって来ませんでした…

必死になって、父が蘇生を繰り返しましたが…

救急車の来た時には、既に手遅れでした。

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あの時、障子の向こうに居た影は…

祖父の霊だったのでしょうか…

その後、大雪が降るたびに

あの時もっと早く気付いていれば…

とあの日の事を思い出します。

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匿名さん、ありがと…書いていきます。

さぁて…辞めどきかな?誰も反応なくなってきたし。