中編3
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小学校のトイレ

どうも、はじめましての方は、はじめまして。

前作を読んでくださった方は、二度目まして。

ゆ、と申します。

前回は創作の部類になるのですが、

今回はぜひ、私の体験談をもとにした話を書かせてください。

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私は、小学校の頃吹奏楽部に入っておりました。

私の小学校は、トイレが一階にあるのですが、

吹奏楽部の部室として使われている音楽室は二階にありました。

私はその頃少々反抗期気味で、部活中に、トイレに行くと言って、階段下に隠れて読書をしたりしていました。

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そのときも、私は階段下でサボって読書をしていました。

記憶では解決ゾロリを読んでいたときです....それはまぁよいのですが...。

コツン、コツン、と、誰かが降りてくる音が響きました。

生徒の上履きの音ではなく、ローファーかなにか、固い底の靴の音でした。

まだ馬鹿だった私は、先生か先輩が呼びに来たんだ!と思って、慌てて階段を降りてすぐのトイレに駆け込みました。

(階段を降りきった後ろがわ?にトイレがありました)

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トイレには誰もいませんでした。

当たり前です。

部活をしていない生徒は下校している時間ですから。

私は、なんだか言い表せない不安に襲われながら、一番奥から一つ手間の個室に隠れました。

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コツン、コツン、足音は階段を降りきって、廊下を歩き始めました。

音がトイレに向かっていることは、子供の私にも容易にわかりました。

そしてそのときになってようやく、これは先生の靴でも、先輩の上履きの音でもないということに気づいたのです。

だれ?

答えが思い浮かぶはずありません。

私は腰が抜けて、普段なら絶対座りませんが、個室の床に座り込みました。

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足音はついに、トイレに入ってきました。

私の恐怖は最大まで膨れ上がっていました。

しまった....!

私はよくあるトイレの怖い話を思い出しました。

個室の上のところからのぞいている、とか、ドアの隙間からのぞいている、とか...。

私は目をつぶりました。

見なければ大丈夫、そんなことを自分に言い聞かせていました。

携帯電話があんなに欲しくなったのはあのときが初めてです。

足音は、いつの間にか聞こえませんでした。

心臓の音だけが、バクバクと頭の中を占めていました。

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「.......ぉ...?」

ボソリ、と呟く声がしました。

何をいってるかわからなかったけど、小さな低い声でボソボゾと。

鳥肌がぞわっとたって、喉が変なふうに鳴りました。

体も震え始めました。

声は入り口のほうから聞こえましたが、また足音が聞こえ始めました。

コツン、コツン。

小学校のトイレです、そんなに広くありません。

すぐに奥まで来てしまいます。

私は心のなかで叫びました、誰か助けて!

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足音とは別に、ドアをノックする音もし始めました。

冷や汗がたれ、指先は痺れたように動かなくなりました。

相変わらずボソボゾと呟く声はします。

私の個室が、ノックされました。

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「...........ぃ...ぅ、い.......るぅ...」

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何を言っているかわかりました。

いる、そう言っているのです。

ドアがバンバン!と叩かれました。

ひっ...!と、おさえきれなかった悲鳴が出ました。

目はずっと閉じていました。

それでも、想像が、浮かんできます。

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そのときでした。

「◯◯ちゃん!いるの?お腹痛いの?」

私を呼ぶ先生の声がしました。

ドアはもう叩かれていません。

でも私は開けるのを躊躇いました。

よくある、これは偽物の先生では?という不安があったのです。

目はずっと閉じています。

私はスッと、目を開けました。

ドアの隙間から、靴が見えます。

先生の靴ではありませんでした。

Concrete
コメント怖い
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きよ 様
ありがとうございます。
期待に添えるようがんばります。

返信

怖っ…
続き早く読みたいです

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苦粗矢蝋 様
そう言っていただけると、本当に嬉しいです。
私が実際体験したものそのままでは恐怖が弱かったので、少々手を加えたのですが、
そうするとやはり創作になるので、どうしたものかと悩んでおります。
ですが、期待してくださる方がいるということがとても嬉しいので、
頑張ってみようと思います。

返信

匿名 様
ありがとうございます、時間が出来たらすぐ書こうと思います。

返信

短い短編ですが非常に面白い!
迷うなら是非是非お願いします

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匿名 様
続き書くかをどうしようか、迷っております...。
コメントありがとうございました。

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