短編2
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テケテケ

高校生の頃、友達と教室で怖い話で盛り上がっていた時、女の先生が話しに混ざってきました。

その先生から聞いた話し…。

先生は大学生の頃、仲良しの男性二人とよく遊んでいたそうです。

仮にAさん、Bさんとします。

ある日Aさんは駅のホームで電車事故を目撃しました。下半身はぐちゃぐちゃに飛び散り、上半身だけがポーンっとホームに戻ってきました。Aさんはその女の上半身とうっかり目が合ってしまいました。

気持ち悪いやら、怖いやら、Aさんは慌てて家路につきました。

帰り道、誰かにつけられているような嫌な気持ちで家に帰ると、ドアの下の方をドンッドンッと誰かが叩きます。ついさっき恐ろしい事故を見て、気分の悪かったAさんは、無視して布団に入りました。

ドアを叩く音が止むと、今度はズル…ズル…と、引きずるような音がします。不思議な事にその音は、2階で、両方を別の部屋に挟まれているAさんの部屋の周りをズルズルと回っています。Aさんは恐ろしくて、恐ろしくてただじっと朝を待ちました。

翌日、先生とBさんに昨夜の出来事をすべて話しました。するとBさんが、

『そんな事故を見たせいだよ。気のせいだから、きにすんな。怖いなら、今日泊まってやるよ。』

と言いました。

その夜…

昨夜と同じようにドンッドンッとドアの下の方を叩く音がしました。

Bさんがのぞき穴から覗いてみますが、誰もいません。そのうち、ズルズルと部屋の周りを回り始めます。Bさんは部屋のドアを少し開け、外の様子をうかがいました。

Aさんは恐る恐る部屋の真ん中で立っていました。

そしてBさんは見てしまいました。

肘をついて地面を這う上半身だけの女を。

女は、ドアを開けたBさんを見るなり、ニタリと笑い、とても腕の力とは思えないスピードで近寄ってきました。

Bさんは慌てて家を飛び出し、Aさんを置いて逃げ帰ってしまいました。

翌日、Aさんに謝ろうと、先生とBさんは部屋へ行きました。Aさんの部屋はドアが開いたままになっていました。

Bさんが走って部屋に入ると、そこには、呆然と立ち尽くし、体中引っ掻かれたような傷を負ったAさんがいたそうです。

そして、Bさんに言いました。

『よくも…よくも開けたな…』

そのまま病院に運ばれたAさんは、今もなお、精神科に入院しているのだそうです。

先生は元気だったAさんと、Bさんと三人で撮った思い出の写真を見せながら、寂しそうに語ってくれました。

怖い話投稿:ホラーテラー しずくさん  

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