中編4
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俺の苦悩

エレベーター

階段

いつもどちらに乗ろうか悩む。

この美しい脚を疲れさせたくはないけど、

エレベーターなんて吐き気がするような狭暗最悪所にも乗りたくない。

俺は今日も「ん~~。」と思考タイム。

手に持っているコンビニの袋を“ぶんぶん”と揺らしながら、

エレベーターと階段の間で棒立ち。

「ど~~、すっかな・・・・。」

誰か来ないかな。

そうすれば一緒に乗ってあげるのに。

何にって?

エレベーターに決まってんだろ。

は?

怖い訳じゃねえし。

乗ろうと思えばいつでも乗れる。

ただ

あの空間はどうしても受け付けないんだよ、この神聖な体が・・・・。

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つっても、

いつまでもこうやってつっ立ってんのも見た目不審者だし。

仕方ねえ。

乗るか、エレベーター。

今日は特別疲れてっから・・・

8階までの我慢我慢・・・・。

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ああああ、ヤダな、この空間、この感じ・・・。                                                                  さっさと8階つかねえかな。

・・・・・あれ?

俺、ボタン押したっけ?

・・・・・ま、いーや。

押したから動いてんだろうしー。

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あ、そうだ。

このエレベーター、鏡ついてんだっけ?

俺は笑顔で振り向いた。

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「うげ、髪はねてんじゃん・・・」

茶色でふわふわと四方八方に跳ねまくっている俺の毛。

「ああー、もう・・・。」

shake

「ん?」

何だ?今の。

前を見ると、エレベーターの階を表示する部分の「7」が点滅していた。

                                            ・・・マジ?

これ、“止まった”って、ヤツか?

停止ですか?

・・・・ありえねえ・・・

つーか「7」だぞ!?

あとちょっとで「8」じゃんッ!!

俺様が誰かわかってんだろうなコラッ!!!

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――――――――――――――――――

あれから一時間か・・・。

俺は腕時計を見てため息をついた。

誰もこねえし、携帯圏外だし・・・。

おまけにエレベーターについてる「非常ボタン」がつかえねえ。

このボタンは何のためにあんだよ!!

こういう時のためにあるんだろ!!

何ッでつかえねえんだよボロエレベーターがッ!!!!!!!!

こっから出れたら即引越しだな。

前から考えてたけど今決心した。

俺は引っ越す。

shake

「んっ!!」

扉の外の景色が動きだした。

「やっとか・・。」

!!!!!

今、誰かが廊下に・・・・

女?

つか、どこまで上がるんだ、コレ!?

エレベーターは最上階の「12」で止まった。

“ウイイイーーーーン”

「8」階と押しなおせば良いところだけど、正直そんな勇気はない。

もしまた止まられたりしたら、間違いなく俺は・・・

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キレるだろう。

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さっきもキレてただろうって?・・・うっせーよ。

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結局階段じゃねえか・・。

タイムロスはんぱじゃね・・・

8階について玄関のドアを開けようとした時、向こうのエレベーター

の手前に女が立っているのを見つけた。

俺は一番奥の部屋だから距離的にはかなりあるが、女は首をぐりぐりと動かし

エレベーターを覗き込んでいる。

・・・・あ。

アイツ、そういえばいたな!!!

エレベーターがあがるとき、視線に入った。

何やってんだ・・・・?

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俺は首を傾げながら鍵を回した。

俺の鍵音と同時に女が振り向いたのがわかった。

いやあ、俺視界が広いから・・。

天才って、こういうとき辛いよネ・・

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横目でエレベーターのほうをチラ見すると、女が目を見開いて

俺を見つめていた。

この距離でもわかるくらいの目の大きさだ。

正直、生まれて初めて「怖い」系の「ヤバイ」が口に出た。

女はものすごい速さで俺のほうへ走ってくる。

「はっ?!来んの?!」

ガチャガチャガチャッ

バタンッ

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あ・・・・・ぶねえ・・・・

良かった、端の部屋で・・・。

俺はふう、とため息をつくと、何故か玄関の穴をのぞいた。

あの女がいるかどうかを、確認するために。

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・・・誰も、いねえ・・・。

助かった・・・。

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俺はもう一度振り返った。

その瞬間、

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バタンッ

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「!!!!しまっ・・・」

鍵をかけるのを忘れていたドアが開いた。

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朝か・・・。

俺、あれからどうなったんだっけ・・・・・。

テレビをつけると、昨日の女が写っていた。

え?・・・

嫌な予感がした。

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あの女は、逃走中の「殺人事件」の犯人として扱われていた。

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幽霊じゃなかっただけマシだとして・・・

いやもう、あんな体験は二度としたくないね。

あんた達もエレベーターには乗らないほうが良い。

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