中編3
  • 表示切替
  • 使い方

幽霊マンション

私が小学校の頃から、幽霊マンションと呼ばれるマンションがありました。

当時、マンションの一階は某デパートの衣料館になっていて、母に連れられて買い物にも行ったことがありますが、店内は節電してるわけでもないのに暗い。

本当、店内電気が着いてるのにもかかわらず暗いんです。(当時は幽霊マンションとか呼ばれてるのも知らなかった)

買い物に着いて行ったのも一回きりで、何年もたたないうちに、気がつけば撤退して閉店していました。

とにかく、私が憶えているマンションの第一印象は暗い。

そんな感じのマンション。

ここまでが、このマンションの話の前提?

そして、月日は流れて私が18の頃

彼氏も出来て、当時付き合っていた彼氏も働いていて、いつかは同棲したいね!とか夢見ていました。

そんな時、友達から幽霊マンションの話を教えてもらいました。

「4LDKで一万円!」

え?マジで??

「うん!私の友達が住んでたから間違いない!ただし訳あり!(笑)」

何それ。

「実は、あの幽霊マンションよ!」

あのマンションって幽霊本当に出るの?

「それがさ〜」と話し始めた友達。

友達の友達をAとします。

Aは私と同様、彼氏と同様するために不動産を周りまくっていたらしい。

そこで、ある不動産であの幽霊マンションを管理している不動産会社にたどり着いた。

「こちら4LDKで四万円!貸し出し当時は八万円で貸し出していた物件ですが、築年数もありますので…。確かに2人暮らしには広いくらいですが格安でオススメですよ。」

と、出された物件が幽霊マンション

皆さん、ご存知でしょうか?

事故物件等は、半年や数ヶ月置いて貸し出すのですが、その際に借主に事故物件と報告する義務は発生するけど、その借主が出た後に借りる方には事故物件だと報告する義務は無くなると言うこと。

(ワンクッション置く事が重要らしい)

幽霊マンションと知っていたAは、ダメ元で交渉し始めた。

「このマンションってヤバいんでしょ?」

「!!」青ざめる不動産の従業員。

「ねぇ、一万円!一万円なら即契約する!」

「いやー、しかし…。」

「じゃいいわ。四万円も出して幽霊マンションなんか住みたくないし」

「わっわかりました!この事は他言しないと約束して下さい!」

なんと、Aは家賃を値切る事に成功したのだ。幽霊なんて全然信じないAからしたら「ラッキー!」って感じだったようだ。

そして住み始めたA

俗に言うラップ音となんて日常茶飯事。

エレベーターから部屋に辿り着くまでにこの世の人ではない人に出会うのも当たり前。

例えば、エレベーターで階が進むのにエレベーターの窓からエレベーターの前で俯いて立ってる女が階ごとに見えるとかね。

(わかるかな?瞬間移動してる女と言うか)

そして、誰もいないはずの部屋で足音やら人が横切る、立ってる、等々どんどん状況が酷くなっていったようだ。

しかし、それでも所詮死んだ人間でしょ〜?と気にしなかったA

そのうち彼氏も部屋に寄り付かなくなり、同棲するはずが広いマンションに一人暮らし。

それでも住み続けていたAですが、部屋で寝ていたはずなのに目を覚ますとマンションの屋上に立っていたり、気がつくと知らない場所…等が増えて、さすがに住んで居られなくなったらしい。

「どう?幽霊とか関係無ければ一万円だよ〜?」と能天気に笑ながら言う友達。

アホか!

幾ら安くても、そんな物件私には住めません。

今では、そのマンション、外人に貸してるようで駐車場にはYナンバーの車しか停まってません。

外人は大丈夫なのかな?

と言うか、皆さんなら住みたいですか?

今では管理してる不動産会社も変わってるかもしれないので一万円は無理かもしれないけど、沖縄在住なら住めるかもしれませんよ。

Normal
コメント怖い
0
2
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ