大長編72
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幼馴染み

…ガ…

…ガ…ガガ…

『 えーちょっと何言ってんの私もう高二だよ〜!そりゃあ好きな人くらいはいるわよ。でも全然気づいてくれないけどねw!

えっ誰って? ん~じゃあまた明日学校で話すね。うん!じゃあおやすみ希美♪ 』

…ガガ…ガガ…

優「…チッ… 美穂の奴、あいつもしかして好きな奴が出来たんかな?なんでだよ俺がいんのに!昔からずっと想ってんのに!

クソ!ムカつく!好きな奴ってもしかして俺の事かな? いや絶対違うな…一体どんな野郎だよ…」

【二日目】

…ガガ…ガピ…ガ…

パタン…!

『 ふーあ疲れた~あ!てか、美術の水田マジ有り得ないんだけど!!』

…ガ…ガガ…

『 なんでアタシだけ書き直しなのよ~!…ガガ…あ~もなんか腹立ってきたァー! 』

ガッ…ガピー…

『えー? ガ…お母さん何ぃーー?うん、分かった…ガ…今行くぅ!』

…ガ…ガ…ガガ…

パタン…

…ガ…ガガ…

優「…なんか最近受信しにくいな。

もうだいぶ古いからかな?そろそろ新しいのに替えた方がいいかもな… でも美穂の誕生日ってだいぶ先だしなァ。

…どうやって仕込むか… 」

【三日目】

ピンポーーン ガチャリ…

「は~い?あらまぁ優人くんじゃない、どうしたの? 」

優「あ、おばさんこんにちは!美穂、居ますか?」

「 久しぶりねぇ優人君の顔見るの♪ ごめんなさい、美穂今さっきお風呂入っちゃったのよ… 」

優「あーいいっす!いいっす!あのこれ、美穂に渡しといて貰えませんか?」

「何、あらぬいぐるみ? 」

優「はい、これ前から美穂が欲しがってたやつで、こないだたまたま見つけたんで買っといたんですよ~」

「 まーいつも悪いわね~♪ あの子はいつまでたってもこうゆうのが好きだから…クス… 優人くんにはちっちゃい頃からずっと美穂のお守りばっかりしてもらっちゃって、アリガトね!おばさんほんとに感謝してるのよ♪ 」

優「いやいや、そんな事全然気にしないでよおばさん!俺だって美穂には昔から色々助けて貰ってるし、でも学校では全然話しかけてくれないんだよ美穂のヤツ。

最近なんか廊下ですれ違ってもフル無視ッスよ!なんか俺、美穂に嫌われる事でもしたんかなぁ?」

「まぁ!あの子ったらそんな事してるの?! 分かった、おばさんから注意しとくわね!でもあの子最近ちょっと変なのよ…勉強もおろそかだし学校でなんかあったのかしら?

帰りも遅くてお勉強もしないで電話ばっかりしてるのよ!悪い友達でも出来たのかしらね… 」

優「大丈夫だよおばさん。俺が見てる限りは今の所変な友達なんかはいないと思うよ、もしかしたら好きな男でも出来たんじゃねぇのw?」

「まぁ~w、あの子もそんな年頃になったのかしらね?変な子を好きにならなきゃいいけど…

いっその事、優人くんが美穂を貰ってくれたらおばさんとしては安心なんだけどね! うふふ 」

優「ない!ない!ない!ない!だって美穂は学年で一番人気なんですよー。いくら幼なじみでも俺みたいなブサメンと美穂が付き合ったりなんかしたら周りの男共み~んな敵に回しちゃうっスよーw!じゃ俺はこれで… 」

「はいはい、優人くんありがとね! じゃコレあの子に渡しとくから、これからも美穂の監視の方よろしくね♪♪ 」

優「……はい… 」

【 翌週 】

ピッ、ジィーーー

パタン… ピッ…

美『 あっもっしー希美?あのさ、明日も練習とか見に行かない?

…うん… えーいいじゃ~ん!だって亮輔君めちゃ格好いいんだもーん!お願い!帰りにマクド奢るからさ~! 本当?やったー♪うん…じゃまたね~!おやすみィ、バイバーイ♪ 」

ピッ… ジィーーー

優「 ちぇっ!やっぱ亮輔かよ!あんな陸上馬鹿のどこがいんだよ?…畜生…つまんねーの…つまんねーつまんねーつまんねー!つまんねー!!つまんねーー!!クソ!… 」

【 翌日 】

キーンコーンカーンコーン

川「なぁなぁ優人!今日学校終わったら図書館いかねぇか?」

優「…………」

川「…おい優人?」

優「…………」

川「おぉーい!もしもーし!優人くーん?!」

優「…んっ?何?」

川「おぉ! 何?じゃねぇよ優人!お前今完全に目ぇ逝っちまってたぞ、大丈夫かよ?」

優「 んぁ~最近ちょっと寝不足でさぁ…すまん…ふぁ〜 あっ!次の科目何だっけ川口?」

川「たぶん英語じゃねぇかな?」

優「 そかダリィな…俺ちょっと小便行ってくるわ!あっ…因みに放課後は忙しいからパスで! 」

川「 あっ、聞こえてたのね… 」

ガラガラガラ…

優「あ、美穂… 」

美「先生!だからなんで私だけ書き直しなんですか?!」

水田「 あなただけじゃないわ、塩崎君も居残りよ!大体あなたがちゃんと言われた通りに仕上げてこないからいけないのよ!とにかく今日中にキッチリ仕上げて職員室まで持ってきなさい!分かったわね吉岡さん? 」

美「… はい…分かりました 」 スタスタスタ…

優「おーい美穂!お前水田に何言われてたんだよ?」

美「… 何よ別にあんたには関係ないじゃん!ほっといてよ!」

優「おいおいほっとけはないだろ!幼なじみのよしみでせっかく心配してやってんのにさぁ~ 」

美「ウザっ!」 タタタタタ…

優「お、おい美穂!ちょっと待てよぉ!」

希「 秋田君? 」

優「ん?あぁ希美ちゃんか…何?」

希「美穂と何かあったの?」

優「何かあったっつうか… てか、最近美穂の奴がやたらと俺に冷たい態度取るんだけどさ…希美ちゃん美穂の親友だろ?理由しらない?俺の事なんか言ってなかった? 」

希「……… 別に…何も… 」

優「何だよ今の沈黙? それって絶対なんか知ってるやつじゃんか!頼むよ希美ちゃん!何でもいいから教えてよ! 」

希「んー美穂も最近なんか色々あるみたいだからさァ、そっとしてあげてる方がいいんじゃないかな?って思うけど… 」

優「…亮輔か… 」

希「 …えっ?なんで秋田君がその事知ってるの?美穂から聞いたの? あたししか知らない筈なんだけど? 」

優「あ、ああ、えーとなんつうか?…そうそうあれだ!

俺と美穂はガキん頃からの付き合いなんだぜ、あいつが考えてる事ぐらいだったら大体分かんだよ!分かったか?へへバーカ!じゃ、じゃあ俺もう行くから! またな、希美ちゃん!」 タタタタタ…

希「ば、馬鹿って… 」

【放課後】

美「もう!こんなの今日中になんか終わんなーーい!水田の奴まじムカつくんだけど~!」

希「しょうがないよ美穂…ちゃんとやって来なかったあなたが悪いのよw」

美「何よ希美!あの女の肩持つ気?あいつ絶対私に嫌がらせしてんのよ! イケズよイケズ!ちょっと私が可愛い過ぎるからって、妬んでんのよあいつ!ほんと30代の独身年増教師は怖いわ!キィーーーー!!」

希「考え過ぎだよ美穂~w それより喋ってないで早く終わらせないとすぐに暗くなっちゃうよー?」

美「ほ…ほんとだ! 早くしないと亮輔君帰っちゃうじゃん!ムキーーー!!」

希「ふふ大丈夫だよ、陸上部は大会前だし最近遅くまで練習してる筈だからさ… 急いだら多分間に合うよ♪ 」

美「うぇーん!私こう見えても完璧主義だから適当に描けないのよー! まぁでもこの際仕方ないわ!希美!お願い描くの手伝ってくれない?」

希「ちょっと!私に全く絵心が無い事は良く知ってるでしょう?」

美「か…神様!! 」

ガラガラガラ…

優「うっす♪ 」

希「あ、秋田君!」

優「よう美穂! 絵描くの手伝ってやろうか? 俺は絵が得意だぜw…ニヤニヤ… 」

イラ… 美「 結構です!!」

優「な、なんだよ!何怒ってんだよ!どうでもいいけど早くしないと帰っちゃうぜ。お前の大好きな亮輔君♪ ひひ… 」

希「ちょ、ちょっと!こっち睨まないでよ美穂!私なんにも言ってないよぉ!」

美「じゃあなんで二人しか知らない秘密を優人が知ってんのよ? 何でよ?ねぇ何で?…イライラ… 」

希「 ちょ、ごっ誤解よ!」

優「 希美ちゃんに聞いたんじゃねぇよ… 」

美「へぇー、あそう、じゃ誰に聞いたのか教えなさいよ!ちゃんと私が納得できるように説明してよね!」

優「なっ、何だよ美穂そんなこええ顔すんなよ!なんでそこまで怒らなきゃいけねぇんだよ?お前最近なんか変だぞ? 俺に言いたい事あんだったらハッキリ言えよ! 」

美「 ……… 」

優「 な、何だよ」

美「 …はぁなんで怒ってるかですって? マジでわかんないの? じゃあ聞くけど、あんた最近私のお母さんとグルんなって何企んでんのよ? 」

優「 はい?」

美「もう!トボケないでよね!あんたこないだも家来た時、私に好きな男が出来たとかお母さんに勝手に吹き込んでたでしょう! 」

優「 い、いやあれは…」

美「 いやあれはじゃねぇし!だいたい帰りの電車だっていっつも私と同じ車両に乗ってるよね?なんで? 何がしたいの?あきらかつけまわしてんじゃん。 監視してんじゃん!

私が気づいてないとでも思ってんの?もうそういうの止めてくんない? まじでキモいから!!」

優「ちょっ、美穂落ち着けって!お前なんか誤解してるよ… 俺がオバサンと組んでそんな事する訳ねぇじゃんかよ!」

希「そうだよ美穂、ちょっと言い過ぎだよ。秋田君可哀想だよ… 」

美「希美は黙ってて頂戴!…じゃあ優人一つ教えてくれる?」

優「な、なんだよ?」

美「あんたこないだ熊のぬいぐるみ家に持って来たよね。なんで私が欲しがってるって分かったのよ?希美しか知らない筈なんだけど。」

優「……… 」

美「もう!焦れったいわね!さっさと答えてよ!」

優「……… 」 希「…秋田君」

優「ちょ、ちょっと待ってくれよ!理由なんてどうでも良いじゃんか!なんでプレゼントした俺がそんな責められなきゃいけねえんだよ!理由はどうあれ欲しかったもん貰ったんだから喜べよ! 感謝しろよ!知ったのだってたまたまお前らが立ち話ししてんのが聞こえてきただけじゃねぇか? …おお…

多分そうだよ!間違いねぇよ!美穂!お前もうちょっと素直な女になんねぇと亮輔に振り向いて貰えねぇぞ!へへ分かったか? 」

美「ふぅん…そうやって話をはぐらかすのね。分かったわ!私絵に集中したいからもうこの教室から出てってくれない?今すぐ!キモいから! 早く!ユーゲラーーーップ!!」

優「わ、わかったよ!なんだよ!もう手伝ってやるもんか!ばーか、ばーか!」

ガラガラガラ…ピシャン!

希「ふぅ…行っちゃったね秋田君… 」

美「ちなみに今のばーか、ばーかは子供の頃からのあいつの口癖よ…

隠し事してる時によく出るやつなの 」

希「そ、そうなんだ…てか美穂さっきの話!ぬいぐるみの事って確か電話でしか話してないよね?なんで秋田君が知ってたんだろ? 」

美「そんなの私にも分かんないわよ!ただ一つ分かってる事はあいつが超ウザいって事だけよ!」

希「キャー美穂!もうこんな時間!塩崎君も知らない間に帰っちゃってるし!」

美「ウキキーーー!!しょうがないわ、もうこうなったら奥の手を使うしかないわね!」

希「えっ奥の手?何それ?」

美「 …適当よ…適当に描くのよ!」

希「………… 」

希「なんとか絵は間に合ったけど、亮輔君は残念だったね… 」

美「当たり前じゃないのよもう八時前よ!畜生あったまきた!かんっぜんに優人のせいだわ!こんな時間に美少女が夜道を二人で歩くなんてさ、襲って下さいって言ってるようなものよね!」

希「ふふ、あの絵でよく水田が許してくれたね…びっくりよ」

美「あーあの女、絵なんてどうでもいいのよ。私を苛めて楽しんでるだけだから… 」

希「でもさぁ…本当に秋田君なんで分かったんだろね?もしかして超能力でもあるのかな? 霊感とか…w」

美「希美ってそういう系の話、ほんとに好きだよねぇ… そういえば優人って昔から勘が鋭い子だったわ…知らない筈の事をよく言い当てたりしてたのよ 」

希「へぇ…そうなんだ… 」

美「懐かしいわね…あいつも昔は優しい良い子だったのにな…ある時から急に変わっちゃったのよ」

希「変わった?」

美「…うん。中学の時にあの子両親二人共亡くしちゃってさ…」

希「えっ二人共?なんで?交通事故とか?」

美「いいえ、違うわ…… 殺されたのよ… 」

希「こ、殺されたの?!嘘!だっ、誰に?」

美「うん、私も詳しい事はよく知らないんだけどさ、優人って年の離れたお兄さんがいたのよ。浪人生だったらしいわ…そのお兄さんが殺しちゃったんだって…」

希「そんな…嘘でしょ…」

美「本当なの。うちの親同士がものすごく仲が良かったから、私のお母さんが滅茶苦茶落ち込んじゃってね…

犯行を止めれなかった!って、頭が変になってるお兄さんの事分かってて防げなかったのが悔しいって責任感じちゃってさ… だから優人の事は、今でも自分の息子みたいに思ってるのよ… 」

希「 で、お兄さんはどうなったの?」

美「刑務所だか、病院だかに入ってるみたいよ… 優人、今はおばあちゃんと二人で暮らしてるんだけどね、あれから性格も行動も明らかに変わっちゃったわ…口には出さないけどやっぱりあの子も精神的に相当辛かったんだと思うの……グスン…ひっく… ズル… ごめん希美ハンカチとか持ってない? グスン…」

希「うん持ってるよ…はい…」

美「ありがと… チーーーーン!!」

希「……… 」

美「でも、だからって私は優人の事家族だなんて思ってないし、あいつの意地悪な性格が治るまではとことん突き放してやるつもりよ!あ、ハンカチ返すね…ありがと… さ、もうあいつの話はこれでおしまい! じゃあ希美また明日ね!おやすみ♪♪ 」

希「お、おやすみなさい」

……

……

優「 ふう、今日は危ないとこだったな… 盗聴なんかしてんのがバレちゃったらこの辺に住めなくなっちまうよ。

しかし美穂は年々口が悪くなってきてんな…俺にウザいとか言いやがって、ふふ俺がいないと何にもできないクセにさ…

ちょっと調子乗りすぎだよな。

でも、亮輔に対する気持ちは相当な物だな…どうにか排除しないと。どうする?んーー あっ!…希美、そうか!希美ちゃんを上手く使ったら…そうか、よしよしいい作戦じゃん! 俺天才?

ふふ…ふふふん…ふふふふふふふふ…ふはははははは!!

ふひゃひゃひゃひゃひゃ!!ぎゃははははははははは!!!ふふーーい… あれ? 」

ガラガラピシャン!

優「やっべぇ…窓全開だったよ! 」

【 翌日 】

キーンコーンカーンコーン

優「ねえねえ希美ちゃん!ちょっといいかな?」

希「あ、秋田君おはよう!どうしたの?」

優「ちょっとだけ話あんだけどさ、いい?」

希「う、うん」

【放課後】

美「ほらほら亮輔君たら超カックイイ!きゃーあの筋肉!…神ね…ねえ希美もそう思わない?」

希「そ…そうね!むきむきだわ… でもさ美穂、こんなとこから毎日亮輔君眺めててよく飽きないよねw 」

美「 飽きる? …くす…あ、そっか!希美はまだ本気で人を好きになった事が無いからわかんないのね。

この純粋な乙女心を理解するには希美にはまだちょっと早かったかしらw? …くすくす… 」

希「ちょっと美穂ひっどい!」

美「冗談よ冗談w!」

希「美穂あのさぁ… 」

美「……… 」

希「美穂?」

美「……… 」

希「 ちょっと美穂聞いてる?どうしたの、そんな眉間にシワ寄せちゃって?」

美「ちょっとシィーー!今、乙女の念を亮輔君に送信してるんだから!」

希「そ、その亮輔君絡みの話なんだけどな… 」

美「えっ?何、何?亮輔君がどうしたって?」

希「あ、あのさ、今日休み時間にね… 秋田君が話かけて来たのよ。」

美「ちょっと希美!優人の話は聞きたくないんだけど!もう一体何よ?! あいつ昨日の愚痴でも言ってきたの?」

希「違うの…それがなんかさぁ…次の日曜日に映画でも見に行かないかって誘われちゃったんだけど…」

美「はあ?一体何考えてんのかしらあいつ? そうか分かったわ!仕返しよ…絶対そうよ!私の親友を奪う作戦ね。あいつにしては中々よく出来た作戦じゃない… だけど甘い!希美がそんな軽い女な訳ないじゃないのよ馬鹿!あいつはマジ馬鹿ね… 希美!勿論断ったんでしょ?」

希「それが…断れなかったの 」

美「 はぁ?ちょっと希美!あんた何考えてんのよ?まさかあいつと映画見に行く気なの?」

希「うん、行こっかなって… 昨日美穂から聞いた話の事もあるしなんか断りきれなかったの… ごめん…それにさあ…」

美「…それに?」

希「な、なんか嬉しかったの。ポッ///」

美「えっ?…えーーー!!ちょ、希美!あんたマジで言ってんの?何顔赤らめてんのよ…ちょっとほっぺたポッとさせてんじゃないわよ!あんたいつから優人の事好きだったの?」

希「わかんない…だいぶん前から…ポッ…」

美「だからポッとさせんじゃないっつってんのよー! いい?希美!あいつは昨日の仕返しをしようとしてるだけなのよ! 騙されちゃダメ!あいつの性格は私が一番よく知ってんだから!そういう事がサラッと出来る奴なのよ… やっぱダメダメ!ちゃんと断ってきなさい希美!!」

希「ぐすんひっく…ひっく…だって嬉しかったんだもん…ずっ好きだったんだもん!

…ぐす…あたしだって分かってるよ本当は好かれて無い事くらい… 秋田君、美穂の事大好きオーラ出しまくってるし本命は美穂なんだって分かってる!

確かに秋田君は顔も性格も悪い。

笑い顔もキモいし足も短いよ!いつも何考えてるか分かんないし、ご飯食べる時に目と鼻と口を同時に見開くっていうキモ過ぎる癖があるって事くらい!

…でも…でも…それでも大好きなんだもん!!うわぁぁぁぁぁん!!」 …ダダダダダダ!

美「あ~あ希美ったら言いたい事言って帰っちゃったわね… てかこの話全然亮輔君絡んで無いんじゃないの?一体どういう事かしら?」

ピンポーン♪ ガチャリ…

優「 はい…あれ美穂じゃん!どしたんこんな遅い時間に? てか珍しいじゃんお前の方から俺んチに来んの ♪」

美「 優人!あんた一体何企んでんのよ!」

優「 あーもしかして希美ちゃんの事か?別に何も企んでねえよ。ただ見たい映画があったから誘っただけだよ… 全然深い意味なんかねぇよ〜」

美「嘘つけ!じゃあ希美の事どう思ってんのよ? 映画に誘うって事は少しぐらいはあの子に気ぃあんでしょうね?!」

優「ああ…てかさ、お前も来たら映画!なんだったら亮輔も誘うからさ♪ 」

美「…はっ!!ゆ、優人君?今なんておっしゃったのかしら?」

優「ふふ、いやだからさ、亮輔も誘うんだよ。川口があいつと仲良いから多分誘えるぜ♪ でどうする?」

美「まっ… まぁしょうがないわね… わ、私も希美が心配だし…今回だけは特別に私も参加してあげるわ…でも言っとくけど今回だけだからね!」

優「ひひ…分かったよ。じゃあ明日にでも段取りしとくわ!それじゃまた明日な美穂 ♪ 」

美「 ちょ、ちょっと待って! 最近さぁあんまりお婆ちゃんの姿見かけないけど元気してるの?」

優「 あ、ああ婆ちゃん?そりゃ勿論元気だよ!元気に決まってんじゃん、ピンピンしてるぜ ♪ 」

美「 そう…じゃあせっかくだし久しぶりにご挨拶してから帰るわ…家入れてくれる?」

優「 へっ…? あぁ無理!無理!婆ちゃん今足怪我しちゃっててさ、もう疲れて寝ちゃってんだよ!挨拶はまた今度にしてくれよ。」

美「 へぇ、あんた今さっきおばあちゃんは元気でピンピンしてるって言ってなかったっけw? まあいいわ、お婆ちゃんの寝顔だけでも見て帰るから。」

優「 い、いやだからダメなんだって!また今度にしてくれよ!! 」

美「 あんた何でそんな焦ってんのよ?もしかしてなんか隠してんじゃないの?私に見せたくない物でもあんの?」

優「 はっ?そそそ、そんなもんねねねぇよ!!きょ、今日はもう遅いから明日にしろって、い、言ってんだよ! バカ、バーカ!!」

美「 ふふ、遂に出たわね!じゃあ無理やりにでも上がらせて貰うわ!」

ガタン!!

優「 お、おい美穂!てめえ何やってんだよ!ちょっと勝手に入んじゃねぇよ!今日はマジで駄目なんだって! クソてめー!こら!」

shake

ガタン! バタン!

美「きゃー!痛い!痛い! ちょっと髪の毛引っ張らないでよー!!」

優「 てめえ家ん中には入んなっつってんだろうがコラ!サッサと外出ろやー!」

美「 分かった、分かったから髪の毛離してよ! ハア、ハア、 ちょっと優人最低!あんた何本気になってんのよ?」

優「 ハア、ハア、… 美穂が悪いんだろ!無理に入ろうとすっからさぁ!」

美「 あんたやっぱり最近変よ!なんでそんなにムキになんの? なんかやましい事でもあんでしょ?」

優「 お前しつけぇ!なんにもねぇって言ってんだろ!」

美「 あっそう… あれ…お婆ちゃん?? こんばんわ!お久しぶりです。美穂です! 何よ…お婆ちゃん元気そうじゃない!」

優「 はっ?美穂お前何言ってんだよ? いい加減にしろよ!婆ちゃんは今寝てるっつってんだろうが!」

美「 あんたこそ何言ってんのよ?お婆ちゃんあんたの後ろに立ってんじゃない!」

優「…えっ?」

美「 まぁとにかくお婆ちゃんの元気な姿見れて安心したわ。あんたのせいで頭はズキズキ痛いけど…じゃ、またね! 」タタタタタ…

優「 あいつ一体何言ってんだ? 婆ちゃんを見ただって? …ふふ…

歩けない婆ちゃんがどうやって玄関まで来れるんだよ? へへ… 」

ギィーバタン!ミシミシミシ…

婆「………… 」

優「 婆ちゃん…今美穂が無理に入って来そうになったんだ。ちょっと危なかったよ… 婆ちゃんのこんな姿見られたら大変だよな。大騒ぎになっちゃうよ… じゃ俺もう寝るからさ!おやすみ… 」

ギシ、ギシ、ギシ、ギシ …

婆「…あぁ 優人…痛い、苦しい.…あぁ…助けて……助け…て…ああ…うう…あああ… 」

【吉岡宅】

ガチャリ…バタン!

美「 ただいまー!」 ニャオン♪

美「あらリクちゃんただいま☆」

ニャオンニャオンニャオンニャオンニャオンニャオンニャオン♪♪

美「ふふ、クロに太郎にみーちゃんにココア♪Qちゃんにホタテにロビンにミルク、アラレにクーちゃんにポポにアヅキまで♪ お出迎えご苦労様♪ みんなただいま♪ 」

ゴロゴロ…

母「あら、おかえりなさい。遅かったわね…学校でなんかあったの?」

美「あ、お母さんただいま!うんちょっとね…それよりお母さん優人のお婆ちゃんなんだけどさぁ、なんか元気なさそうだったよ… 」

母「え、光代叔母さんが?そういえば最近全然見かけないわね。あんた優人君のお家行ってきたの?」

美「うん、お婆ちゃん玄関まで出てきてくれたんだけどずっと俯いててさ…顔も真っ白だったし話かけても返事する元気すら無いって感じだったの… 」

母「あらま‥そうなの?じゃ明日にでもお伺いしてみようかしら?光代叔母さんももうだいぶご高齢だから心配ねぇ… 」

美「…うん…」

母「あんたそれより明日も早いんでしょ?早くお風呂入って寝ちゃいなさい!ほらほら猫ちゃん達もよ!」

ニャオン♪ (全員)

【 日曜日の午後 】

優「待てよ美穂~!」 美「何よ! 」

優「いやぁ良かったな映画!『名古屋の中心で愛を叫ぶ!』俺映画見て泣いちゃったのなんて久しぶりだぜw!」

美「あっそう…それは良かったわね!」

優「何だよ…何怒ってんだよ?」

美「はあ?わかんないの?なんで希美と亮輔君があんな楽しそうに二人してずっと引っ付いてんのよ?意味不明なんだけど!あの二人ってそんなに仲が良かったわけ?…ムス…」

優「あぁあれか?俺もビックリしてんだよ!でもよく見てみろよ美穂あの二人…喋りかけてんのは殆ど亮輔の方からだぜ。

希美ちゃんはすげぇ迷惑そうにしてんじゃん?ほら!」

美「ふん!知らないわよ!てかもうどうだっていいわよ!私もう帰りたいんだけど!…ムス…」

優「そんなにスネんなよ美穂ぉ!折角この後飯食ってからみんなで心霊スポットでも行こうって盛り上がってんのにさあ!」

美「映画を見る前までわね、でも私気が変わっちゃったの。…あっ! 亮輔君たら希美の腕引っ張ってる!ムキーーー!!」

優人の小声『 亮輔のやつ積極的だな…もしかしてあいつマジで希美ちゃんの事好きだったんかな?』

美「もう私帰る!」

優「ちょ、ちょっと待てよ!」

希「秋田くーん!あれ?美穂は?」

優「帰っちゃったよ…」

希「えっ?なんで?なんで帰っちゃったの?」

優「知らね、なんか機嫌損ねて帰っちゃったんだ… 」

希「えっ? うそ?ちょっと私電話してみるね!」

優「おい亮輔!お前なに希美ちゃんとイチャついてんだよ?美穂怒って帰っちまったじゃねぇか!」

亮「えっ? だってそれは優人が言ったんじゃないか? 希美ちゃんの事好きなフリしろって…」

優「バカ!それは廃墟に忍びこんでからの話だよ!今はなんとなく希美ちゃんに気があるフリするぐらいでいいんだよ!」

亮「む、難しいね…」

優「ていうか亮輔!お前実は希美ちゃんの事好きなんじゃねぇのか?全然演技に見えねんだけど…?」

亮「え!そ、そんな事ないよ!ポッ///」

優「…好きなんだな!」

亮(コクン… )

優「それならそうと早く言えよバカだな!せっかくの計画が台無しになったらどうしてくれんだよ、まったく!」

希「秋田君!秋田君!美穂今からこっち帰って来てくれるみたい♪ 」

優「うそ!マジで?良かったー!さすが希美ちゃんだな!よし…じゃ何食べにいく?ご馳走するよ!なんか食べたい物とかある?」

希「らーめーん!!」

優「……… 」

【 天下○品 15:30 】

優「う、げっぷう!! 」

美「ちょっと優人やめてよ下品ね!」

優「く、食い過ぎた~!何で俺だけ替え玉4個も食わなきゃいけねぇんだよ~ げっぷう!」

美「あんたが強がるからでしょ!」

希「でも秋田君凄かったよw …食べ方はキモかったけど…」

優「えっ?希美ちゃんなんて?」

希「何でもないw それよりこの後本当に行くの? おばけ見に…?」

優「…ああ美穂の機嫌も直った事だしな♪♪ こいつ亮輔の隣に座った途端、急に元気になるんだもんな!分かりやすい女だよ!」

美「ちょ、ちょっとそれどういう意味よ!は、恥ずかしいじゃない…ポッ/// 」

優「はいはい!じゃあ行こうか…」

希「やったあ!メッチャ楽しみーw 私一回そういう所行ってみたかったんだぁー♪ 」

美「ふふ希美好きだもんねー幽霊とか。でも本当にいるのかな?幽霊… 私は見た事ないから正直信じられないわ 」

亮「ガチガチ…優人やっぱり止めないか? そんなとこ行くの…万が一帰って来れなくなったらどうすんのさ?ガチガチ…」

優「わはは!おい、亮輔ビビってんのかよ?お前でけえ体してる割にはキン◯マちっちぇなww … わはは!」

美「ちょっと優人!それ以上下品な事言うんだったら中止にするわよ!」

優「なんだよキン◯マぐらいで…わーったよ!早く行こうぜ!」

///希美赤面 ///

【廃校 19:20 】

美「噂には聞いてたけどさすがの雰囲気ね… 」

優「だろ?先輩に教えて貰ったんだけどここはマジでヤバいらしいぜ! …ひひ… 」

亮「…ちょ、本気でこんな所に入る気かよ優人?!…ガチガチブルブル… 絶対止めた方がいいと思うよ!」

優「まだ言ってんのかよ亮輔?お前って奴は本当にキン…

と、とにかくよ!ここは滅茶苦茶古い木造の小学校跡なんだけどさ… 二階の男子トイレに入っちまうと出られなくなるらしいんだ。

入らなかった奴も記憶を無くしちゃうらしくて、捜索願い出しても探すに探せないらしいぜ …ひひ…」

美「あんた馬鹿ね… じゃあなんでみんな記憶無くしちゃうのに、二階のトイレが危ないって分かるのよ?矛盾してない?」

優「あ、うーん…な、なんでだろ? 逃げ延びた奴がいるんかな?」

美「ま、しょうがないわね。折角ここまで来たんだしその謎のトイレとやらに行きましょうかw 」

希「わーい♪♪ 楽しみぃ!」

美「ちょっと希美、ハシャギすぎw!」

ガラガラガタン! ギシ、ギシ、

美「ふぅ…鍵壊れてて良かったわね。見る限り硝子なんかも殆ど割られてるみたいだし、落書きやゴミなんかも酷いわ。

ここって結構有名な所なんじゃないの?人来すぎでしょこれ!?」

優「 まあそこら辺の廃墟に比べたら年季が違うからな! てかなんでお前が先頭斬ってんだよ?俺が連れて来てやったのにさ! チェッ!」

美「ブツブツ言わないの!何よこんな所来んのに懐中電灯すら忘れてきたくせに!もうサッサと見てサッサと帰るわよ!」

優人の小声『ひひひ…サッサと帰るだって?こいつらここの怖さナメてんな。そんな思い通りに帰れると思ってんのかよ!…ひひ…』

美「あんた何一人でボソボソ言ってんのよ!早く来なさいよ!」

優「わ、わかったよ!」

ミシミシミシ…

美「こ、ここね例の男子トイレ…」

希「うん多分そうじゃないかな?」

美「てか亮輔君大丈夫?さっきから何も喋んないけど」

亮「…ひぃ…」

希「やだ亮輔君たら美穂にしがみついたまま目閉じて歩いてんじゃん!」

亮「は、早く!早く帰ろう!絶対ヤバイよココ!俺言わなかったけど昔から見える方なんだ!ここはマジでヤバイよ。目開けてらんない!!」

希「亮輔君それ本当?なんか見えるの?もしかして今周りにいるの?ねぇねぇどんなオバケがいるの?」

亮「ブルブル…ひ…」

美「ちょっと希美止めなさい!亮輔君怖がってるじゃないの!でも多分亮輔君の言ってる事は本当よ… わかんないけど…

実は私も最近ちょっと変な幻覚を見る事があるの。今も見えてる…

ほら、あの階段の踊り場に赤い服着た女が居る様に見えるんだけど…あれ希美にも見えてる?」

希「ひえ!み…見えないよ…ただ真っ暗なだけに見える!」

美「…そう… じゃあ私の見間違いね、続けましょ。あれ?優人は?あいつどこ行った?」

希「そ…そう言えばさっきから声しないと思ったらどこ行っちゃったんだろ?」

美「イライラ… 本当にあいつは何考えてんのか全くわかんないわね!」

希「秋田くーーん!!」

美「馬鹿!こんな所で大声出してどうすんの!危ないわよ!」

希「…だって…優人君もしかして先帰っちゃったのかな?」

美「まあアイツならやり兼ねないわね…で…どうする希美?ここのトイレのドア開ける?もうこのまま開けずに帰ってもいいんだけど。どうする?」

希「うーん…怖いけど…見てみたい気もする。折角だし…」

亮「絶対やめた方がいい!やめた方がいい!やめた方がいい!マジで危ないよ!!」

美「 亮輔君ちょっとヤバイわね?やっぱもうこの辺で帰った方がよさそうね…」

希「うんそうね残念だけど… 正直私も怖くて腰が抜けそうになってきちゃったし… ふふw」

美「こんな時によく笑えるわね希美… 肝っ玉ヤバイっしょww」

ジジジジ…

希「何、なんの音?」

ジジジジ、ミーンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミン…

希「ちょっと美穂!これって蝉の鳴き声じゃない?なんでこの季節に蝉がいるの?今冬よ!なんで?」

美「シーー!希美!ほらトイレの中!段々明るくなってきてる。どういう事かしら… 蝉の声もこの中から聞こえてるみたい… 」

亮「…ひ…ひ…」

美「亮輔君?ど、どうしたの?」

shake

ガラガラガラ!!

美「ちょ、ちょっとダメ亮輔君!そこ開けちゃダメよ!」

亮「ひひひひひひ!おま@がわるい#おまえ%わる&!ひひゃひひゃひ 」

shake

ダダダダダ!!

美「きゃー!亮輔君!待って!行っちゃダメ! 亮輔君!!」

亮「ぁあーー!!ぁあーー!!ぁあーー!!ぁあーー!!」

shake

ガタン! ガラガラピシャン!

希「きゃあ!!えっ?どういう事? なんで亮輔君急にトイレに入っちゃったの?あんなに怖がってたのに? 」

美「りょ、亮輔君!!」 ガタガタガタガタ!

美「あれ?開かない…!何よコレ!全然開かないわこのドア!どうなってんの! 」

希「… てかなんでこのトイレの中だけこんなに明るくなってんの?明らか昼間じゃん…漏れてる日差し超キツイし…蝉の声もうるさい。夏だよね?この中だけ!」

美「 本当信じらんない…こんな事ってあるのかしら?なんか悪い夢でも見てるみたい! 」

希「ど、どうしよう美穂ぉ?…グスン…」

美「しょうがない…私も入ってみるわ! 」

希「えっ?何言ってるの?入るってドア開かないじゃない! 」

美「壊すしかないでしょ…このまま亮輔君放って帰れないし! でも希美は入っちゃダメよ!もし10分経っても私が出て来なかったらすぐに警察呼びに行ってね、お願い! 」

希「絶対ダメだよ美穂!!やめて一人にしないで、お願い!」

美「……… 」

優「…やめろ美穂!そのドアは壊しちゃだめだ! 」

希「あ!秋田君?! 」

優「 美穂…希美ちゃんの言う通りそこには入っちゃダメだ。マジで帰って来れなくなんぞ!」

美「ちょっとあんた今までどこに隠れてたのよ!あんたがいない間に亮輔君がこの中に入っちゃったのよ! アンタのせいよ、どうすんのよ! 」

優「ああ見てたよ。でも亮輔は多分… もう無理だ。ここに入ったら最後二度と出られねぇんだ。なんでもその中は次元つうか世界が違うらしいんだ。誰でも入れる訳じゃねぇらしい…

引き寄せられた人間しか入れねぇって噂だ。お前も見ただろ?亮輔は自分の意志に関係無くその中に引き寄せられたんだよ! 」

ダダダダダ!

shake

バチーン!!

優「痛ってー!何すんだよ!」

美「心底見損なったヮ優人!よくそんな危ない所に私達を連れてこれたわね!ほとほと愛想が尽きたわよ!亮輔君にもしもの事があったら私… 私あんたを一生恨むからね!」

優「み、美穂… 」

美「とにかく私は何があっても亮輔君を探しに行くわ!止めたって無駄よ!だけど、だけど希美だけは頼んだわよ!その子だけは絶対に無事に帰してあげて! 」

優「…グスン…ダメだよ行っちゃ… お前は行っちゃダメなんだよ。死ぬのは亮輔だけでいいんだよ!」

美「…あ、呆れた、ねえあんた今自分で何言ってるか分かってんの?人の命がかかってんのよ? じゃあ最初から亮輔君を消すつもりでここに来たっていう事なの?もうこれ以上私をガッカリさせないでよ!」

優「俺だってホントは半信半疑だったさ…まさか噂がマジだったなんて思わねェしさ! だって昨日来た時は何にも起きなかったんだぜ… 」

美「は?昨日? あんた昨日もここに来てたの? ほんとバッカじゃないの? もう訳わかんないわ!はぁ… こうなったらあんたが行きなさいよ!」

優「…え?」

美「だからあんたが亮輔君連れて来なさいって言ってんのよ!あんたのせいなんだからあんたが責任持って助けて来なさい!」

優「無理!無理! 俺絶対こんな所入りたくねぇよ!」

美「あっそう!もし行かなかったらあんたとは何があっても一生口聞かないからね!それでもいいのね?」

優「 …マジかよ…俺一人で?」

美「あたりめえだろ!早く行けよ馬鹿優人!」

優「 グスン…」

美「もう!トロイわね!早く入りなさいよ根性無し!」

優「 わ、分かったよ!でもこれどうやって壊すんだよ? 簡単に壊れねぇぞ?コレ? 」

…ガラガラガラ!!

優「 アレ?簡単に開いたんですけど…? はは、なんだコレ? 」

美「…ゆ…ゆ…優人… ま、前!前見て!!」

希「…ひ、ひえ… 」

優「 えっ?! 前? 」

『 …お兄ちゃんも…ボクと…遊んデくれ…の…?… 』

優「 うわ!! なんだお前!!やめろ!放せ!! う、うわ!た、助けて!助けてええええええええええ!!! 」

shake

ガラガラガラ、ビシャン!!

「 ぎゃーーー!!! 」×2

美「優人!!」 希「秋田君!!」

希「な、何?今の子だれ?! 」

美「いやー!返して!!優人を返せ!!この!! 」ガタガタガタガタガタガタ!!

美「 また開かないよコレ! …グス… 開けよ!開け!」ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!

【10分後】

希「…ヒック…さっきの男の子なんなの? 一瞬で秋田君の事引きづり込んじゃった… 青白い顔してたし、あれガチ幽霊じゃん!典型的なやつじゃん!

私、初めてモロに見ちゃったし… どうすんの? 次は私達の番なの?…グスン… もう嫌!お家帰りたい!! 」

美「ハァ!ハァ!…優人ー!!どうなっちゃったのーー?!いたら返事しなさいよーー!!」 ガタガタガタガタ!!

美「 だめだ …やっぱビクともしない… 」

希「美穂ー!もしかしてこれって超ヤバくない? 二人とも引きづり込まれちゃって…こういう時ってどうすんの? 警察?探偵?霊能者?古畑?右京?淳二?大槻教授? etc… 」

美「と、とりあえずやっぱ警察なんじゃない?これ私達じゃ解決できそうにないしね…希美!すぐ警察に電話して頂戴!!」

希「…み、みほ…あ… あ… あ…あれなに…? 」

美「ど、どうしたの希美?なんかいるの? ど、どこよ? 」

希「誰かそこにいる!!ほら…ほら…そこ…服…赤い服…這って来てる…!怖いよ…怖いよぉ… 」

…ドサッ…

美「ちょ、ちょっとどうしたの希美?!しっかりしてよ!ちょっと起きなさいよー!希美ーー!!」

shake

ズル…ズル…ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル…

美「…ちょ、何? ヤダ来ないで! や、やめて! 嫌、いや!イヤーー!! 」

shake

『 おおおおおお…オマエも…かぁ…オマエ…もかぁ… ゆる…ない… ゆるさな…いい…い… 』

美「 ぎゃーーーーああああ!!! 」

数日後、秋田優人宅の一階和室から祖母光代の遺体が発見された。

既に死後一月余りが経過しており、遺体はかなりの腐敗が進んでいた。長年に渡り何らかの暴行を受け続けたと思われる後も見つかったが、胃の中から何も出なかった事から死因は過度の衰弱による餓死であるとされた。

そして昏睡常態が続いていた吉岡美穂と永田希美は、一命を取り留め意識を取り戻したものの、事件前後の記憶を完全に失っていた…

秋田優人、石原亮輔、両名の安否は今も捜索が続いている。

希「 ねえねえ美穂!今日の帰りお家遊びに行ってもいい?私、猫ちゃん大好きなの…♪ 」

美「 うん!おいでよ!ちょっと希美に見てもらいたい物もあるしね♪ 」

希「 え、なに? 」

美「 ぬいぐるみよぬいぐるみ!なんか買った記憶の無い熊のぬいぐるみが出てきたのよ… 私、ぬいぐるみとか全く興味無いのに… 希美ってそういうの好きでしょ?良かったら希美にあげようかなって思って♪ 」

希「 えっ、ほんとに? 欲しい!欲しい! やったぁ!…もしかしてテディとか?」

美「 …ふふ、残念でしたぁ ♪ 」

【 二週間後 】

プルルル、プルルル… ピッ、

希「 あ、美穂? 遅くにゴメンね、まだ起きてた? 」

美「 うん大丈夫起きてたよ ♪ 最近なんか寝付き悪くてさ… 今『相棒シーズン8』見てたのよw ♪ 」

希「『相棒』って…ウチのパパがよく見てるやつかしら? 美穂ったら夜中に凄いの見てるね!とても女子高生の見る物とは思えないわ…w 」

美「 うふふ…私最近ミッチー(及川)にハマってるのよ ♪ 」

希「そうなんだー パパは寺脇さんが降板してからなんか納得いかない!って怒ってたけど… 」

美「 そ、そんな事よりどうしたの希美、何か用?」

希「 あ、うんそれがさァ… こないだ美穂に貰ったぬいぐるみあるじゃん?あのぬいぐるみなんだけど背中の所が少しほつれててさ、よく見てみたら縦に縫った後があったの… 」

美「…へぇあれ新品じゃ無かったんだ? 」

希「 で、綺麗に縫い直そうと思って全部ほどいてみたのよ… そしたらさぁ…何かたまごっちみたいな変な機械みたいのが出てきたの。

で、パパに見せたらこれもしかしたら盗聴器なんじゃないか?って言うのよね… 」

美「 盗聴器? 希美のパパったら相棒とかの見過ぎなんじゃないのw? まぁ私が言うのもなんだけどさ… 」

希「…うん、まだわかんないけど、とりあえずパパが調べてみるって言ってんだけどあのぬいぐるみってどこで買ったか美穂ほんとに覚えてないの? 」

美「 うん、それが全く覚えてないのよね… ほら私達って優人達が消えた日の2週間前ぐらいまでの記憶が消えちゃってるじゃん… 私思うんだけど多分その辺りで手に入れてるような気がするのよね… だって買った覚えも無い物が部屋にあるなんてどう考えてもおかしいでしょ?」

希「 そうだ!美穂のおばさんに聞いてみたら?もしかしたら何か知ってるかも!」

美「 ダメよ、ウチのお母さんあれ以来落ち込んじゃってるの… 今はとても何かを聞けるような状態じゃないわ… 」

希「 おばさんそんなに酷いの…?」

美「 そりゃそうよ、だって自分の娘が一週間も意識無かった上に優人まで消えちゃって… しかもお婆ちゃんまであんな事になっちゃってさ… 最近は殆ど会話も出来てないの。」

希「 そうなんだ、そりゃそうだよね… 早く秋田くん達見つかっておばさん元気になるといいのにね…ぐすん… 」

美「…そうね…でも肝心の私達が何も思い出せないってのが本当に辛いし腹が立つわ! 思い出そうとしたら頭割れそうなぐらいガンガン痛いし!!」

希「 うん、そだね… じゃとりあえずたまごっちの事はパパに調べてもらうからさ…美穂元気出してね… 」

美「 うんありがと。ちなみにお母さんの前で絶対におばさんって言わない方がいいわ… 命の保証が出来ないから…くす… 」

希「 あ、うん分かったw!…じゃまた明日ね ♪ 」

【数日後】

キーンコーンカーンコーン

希「ねぇねぇ美穂美穂!」

美「…………… 」

希「あれ美穂?聞こえてる?」

美「 …… えっ?あ、希美…?どうしたの?」

希「ちょっと美穂大丈夫?今完全に目ぇ逝っちゃってたけど!」

美「 うん、ちょっと大丈夫じゃないかも… 」

希「えー!ちょっとしっかりてよ!最近げっそりしちゃってなんか別人みたいだよ… 」

美「…そう? 前にも言ったけど最近殆ど寝れてないのよ… へんな夢ばっか見ちゃってさ… 」

希「 夢? 」

美「 そうなの… 毎回見る夢は同じなんだけどね… なんか暗い夜の学校みたいな所で誰かに追いかけられてる夢なの…

でも何故かいつも一緒の所で転んじゃって、顔をあげたら目の前に汚いトイレがあるの。

で中を覗いてみたら… 優人と亮輔くんが二人並んで立ってるのよ… 」

希「 えっ、秋田くん達が?」

美「 …そうなの、二人共こっちに向かって何か言ってるみたいなんだけど、なんて言ってるのか全然わかんないの… で、近寄ろうとすると決まってそこで目が醒めちゃうのよね… 」

希「 それってさ美穂… もしかして正夢とかじゃないの?」

美「 …正夢? 」

希「 うん、それか秋田くん達がどこかで動けなくなってて夢を通じて美穂に助けを求めてるとかさ! 」

美「 また希美のオカルトが始まったw そんなほん怖みたいな事ある訳ないじゃん。」

希「 いや分からないわよ。秋田くんと亮輔くんが私たちに見つけて欲しくて出てきてるんだわ絶対! だって同じ夢を毎日見るなんて普通に考えたらおかしいよ!」

美「 そ…そうかしら? なんか私もそんな気がしてきた… 」

希「 一応調べてみる価値あると思うけどな… 夜の学校って事しか分からないの?」

美「 うん、でも相当汚らしい所なのは確かよ… 教室のガラスなんかもバリバリに割れてたし、とにかく荒れ放題って感じだったわ… もしかしたらどこかの廃校かもしれないわね! 」

希「 …廃校か… 」

【翌日】

希「 ねえねえ美穂、こないだ言ってたたまごっちの件なんだけどさ。」

美「 あ、どうだった?」

希「 あれさ、パパが言うにはやっぱり盗聴器だったの。びっくりよね!なんかネットでしか手に入んないやつらしいんだけど盗聴器でまず間違いないらしいの! 」

美「 や〜だ、嘘でしょ!やめてよぉーなんで私の家にそんなもんがあんのよー? 」

希「 そんなの私にもわかんないよー、でも誰かがアレを仕込んで美穂の事盗聴してたのは確かじゃない? パパが警察に持って行くかどうか聞いてたけどどうする? 」

美「 …警察か… 警察はもうちょっと待って!夜お母さんに聞いてみるから。やっぱり何か知ってるかも知れないしね。 」

希「 …うん 」

「 ごめん、ちょっといいかな? 」

美「 えっと…あなたは確か優人とおんなじクラスの川口くんだよね?」

川「 あぁそうだよ、君たち昨日の休み時間に廊下で立ち話してたよね?」

美「 立ち話? ああ、うんしてたけど… てか毎日してるけどそれがどうかしたの? 」

川「 いや確か古い廃校がどうのこうのって言ってなかった?もしかしたら優人達の事かなと思ってさぁ… 」

美「 そ、そうだけど… え、もしかして川口くん優人達の事なんか知ってるの?」

優「 知ってるっつうかそれって君たちが四人で行った廃校の事じゃないの? てっきりそうだと思ってたんだけど… 」

美、希「 四人で行った?! 」

川「 あぁそうか! 記憶が無くなっちゃってたんだっけ? 多分優人達が消える前に君たち四人で廃校に肝試しに行ってる筈なんだ… セッティングしたの俺だからよく覚えてるんだ… 」

美「 そ、それホントなの川口くん? 四人て事は優人と亮輔くんと私と希美で廃校に肝試しに行ったって事? !」

川「 そうだよ、優人に頼まれて俺が亮輔に声かけたんだ。間違いないよ…優人やたら嬉しそうにしてたし… 」

美「 な、なんでその事もっと早く言ってくれなかったのよ? 私たち気づいたら病院で何にも覚えてなくて、警察にアレコレ質問攻めにされて大変だったのに… じゃ…じゃあ!あの日私達はどこかの廃校へ行ってたのね? 」

川「 ごめん!なんか俺巻き込まれんの嫌だったからずっと黙ってたんだ… でも優人達いつまでたっても全然見つかんねーし! 俺、もう黙ってんの辛くなってきちゃって…グス… 」

美「 …そうだったの… でも私達が発見された場所は離◯公園だって聞いてるけど… なんで私と希美だけ助かったのかしらね? どういう事かしら? 」

川「……ぐす…… 」

希「 川口くんどうしたの?」

川「 ごめん俺のせいなんだ!ほんとにごめん!! 」

美「 何っ?どうしたの?もしかしてまだ何か隠してんの川口くん?もう、知ってる事は全部教えてよ!あの子達の命がかかってんのよ!」

川「 あの廃校の事教えたの俺なんだ… 先輩から聞いたんだ。入ると二度と帰って来れなくなるトイレがあるってさ…

でもまさかほんとになるなんて思わねーもん!まさかほんとに…! 」

美「 川口くん、その話もうちょっと詳しく教えてくれる? 」

【放課後】

美「 大体の話は分かったわ… つまり優人は私と亮輔くんの仲を完全に断ち切る為に、希美を使って亮輔くんだけをそのトイレに閉じ込めるつもりだったのね… ほんとバッカじゃないのあいつ?

なんでそんなくだらない事をするのかしら? 考えてる事が殆んど小二じゃないの! いや、小一ね!

…てかなんで私と亮輔くんを断ち切る必要性があるの? 元々私亮輔くんと友達でもなんでもないのに? 」

川「 えっ? 吉岡って亮輔の事好きなんじゃないの? 」

美「 だ、誰がそんな事言ってたのよ! 確かに亮輔くんはスポーツ万能でイケメンだし、別に嫌いなタイプじゃないけど特別好きって程じゃないわよ! 優人も川口くんも何勘違いしてんのよ!?」

川「 そ、そうなの? お、おかしいな… 」

希「 美穂〜!どうしよう… 秋田くん達ってほんとにそこに居るのかなぁ~?…ぐすん… 」

美「 そんなのわかんないわよ、わかんないけどこうなった以上行くしかないじゃない!もしその話が本当だとしたら私の見てる夢も説明がつくわ!さっき希美が言った通りあの子達は何者かに今もそこに閉じ込められてるって事よ… 」

希「 えっ?えっ?行く?そこに行くの?もしかして私も?」

美「 当たり前じゃないの! あんた優人達を見殺しにする気なの? 勿論川口くんもよ! 」

川「 …うっ… 」

美「 嫌とは言わせないわよ。こうなったのは川口くんの責任でもあるんだからね!でも三人じゃちょっと心細いわね… 誰か一緒に行ってくれる心強い人っていないかしら? 」

希「 ちょ、ちょっと待って美穂何言ってんの? こんなの私達だけで解決できるわけないじゃん!後は警察とかに任せた方がいいよ! 」

美「 ふふ、希美もしかして怖いの? 普段あれだけオカルト好きだって言ってんのに ♪ 冗談よ冗談、勿論警察に頼むわよ…w そうね、とりあえず先生から警察に電話して貰った方がいいかな? 」

川「 よ、吉岡… 警察に言うのはちょっとだけ待ってくれないか…?」

美「 えっ川口くんどうしたの? てか吉岡って読者が混乱するからやめてくれない? 美穂でいいわよ! 」

川「 あ…あぁ、じゃあ美穂ちゃん… 警察への連絡はもう少しだけ待って欲しいんだ。 先にこの事を報告したい人がいるから… 」

美「 何言ってんの川口くん?この一刻を争うって時にさ! 一体誰に報告するってのよ? 」

川「 あぁ…この廃校の事を教えてくれた先輩の稲河さん… 稲河淳太さん… 」

希「 えっ!…イナガワ…!!」

美「 の、希美その人知ってるの…? 誰よ!その聞いた事があるようなないような名前の先輩は?!」

希「 美穂ったら稲淳知らないの? マジ? ここら辺じゃ結構有名な人だよ!心霊マニアの間じゃカリスマ的な存在で、霊的な力が強くて数々の強い霊と戦ってるの! 雑誌なんかにも稲淳の体験談なんかがよく載ってるよ!私毎月買って読んでる。凄いね川口くんそんな人と知り合いなんだ…凄い…!」

川「 の…希美ちゃん詳しいんだね… 知り合いっていうか兄貴の先輩なんだよ。実は昔色々世話になった事があってね、それ以来俺の事をいつも気にかけてくれてるんだ… 」

美「 ふーん、世話になったってどういう事? 」

川「 うん…俺さ、昔変なもんにとり憑かれちゃってたらしくて、死ぬ事しか考えてない時期があったんだ。そんな時に兄貴が稲河さん連れて来てくれてさ、あっという間にそいつを退治してくれたんだ。稲河さん曰く俺にはそういう悪い物を引きつける力が強いらしくてさ… 何かあったらまず相談しろって言われてんだよ… 」

美「 な、なるほど… そんな話ってほんとにあんのね…てかその稲河さんて何歳なの? 」

川「 46だけど… 」

美「 オッサンじゃん!! 私先輩だっつうからてっきり2、3コ上を想像してたんだけど! で、その人普段は何してる人なの? 」

川「 うーん詳しくは知らないけど多分真っ当な事はしてないと思うな。いつも一緒にいる人達ヤ◯ザみたいなんばっかだし… あっ、でも実家はたしか寺だって言ってたような… 」

美「 大丈夫なのそのオッサン?! 優人達見つけた後に法外なお金とか要求されたりしないだろうね… 希美はどう思う? 」

希「 美穂は考えすぎだよ、私は大丈夫だと思うよ… ♪ わーい ♪ 稲淳に会えるぅ… ♪♪ 」

美「 あら、希美ちゃんたら目がキラキラしちゃってるじゃん☆ まぁいいわ、とにかく川口くん早くしてね! 優人達を早く見つけだしてあげたいから!」

川「 分かった!稲河さん自体はそんなに悪い人じゃないと思うよ。とにかく今日の夜会ってくるからまた連絡するね!

はいこれ俺の電話番号!…じゃあまた… 」 スタスタスタ

美「 …本当に大丈夫なのかしら… 優人…お願い生きてて… なんかとんでもない事になりそう… 」

【その夜】

美「 お母さんそれ本当なの?!」

母「 本当よ、なんでいちいちあなたに嘘なんかつかなくちゃいけないの!あのぬいぐるみは優人君がくれたんじゃない!あんたそんな事まで忘れちゃったの…? …あぁ…ぐすん…」

美「 もう泣かないでよお母さん… 幾ら悲しんだってお婆ちゃんは帰ってこないんだよ。それに優人だってまだ帰って来る可能性あるんだから! もうあの事件から1ヶ月だよ… 早く元気になってくんなきゃ、私はお母さんの体の方が心配だよ… 」

母「…ぐすん…そうね…… 美穂の言う通りね… お母さんがいつまでもこんなんじゃ光代おばさんも天国で心配してるかもね…ぐすん… 」

美「 そうだよ~、ほらほら見てよ猫ちゃん達もみーんなお母さんの事心配してるんだから…!」

『 ふニャン? 』全員

美「…あれ… ま、まぁとにかく!早くいつもの元気なお母さんに戻ってね、お願い! 」

母「 … ごめんね…心配させちゃって。でも、本当に優人君が光代おばさんにあんな酷い事をしたのかしら?やっぱりお母さんは未だに信じられないわ。あんなに優しい子がそんな事をするなんて… 」

美『…私はあり得ると思うけど… 』

母「 やっぱりお母さんはどうしても信じられないわ!だって優人君は小さい頃から凄いお婆ちゃん子で光代おばさんも優人君の事溺愛してたのよ… そんな子がまさか殴ったりするなんてあり得ない!…ぐすん… 」

美「 もう、ほらほらお母さんまた涙出てるよ… はいハンカチ。」

母「…ぐす、…あ、ありがと… ズル、チーーーーーーン!! 」

美「…あ!お母さんそういえばさっきのぬいぐるみの話だけどさ!本当の本当に優人が私に渡しといてって言って持って来たのね? 絶対間違いないのね?! 」

母「 もう美穂!あんたちょっとしつこいわよ!お母さんが嘘言う訳ないでしょ!もう二階上がってサッサと寝ちゃいなさい!!…ぐす…うぇーーーん!!」

美「 だ、だめだこりゃ… 」

みしみしみし、ギイ… バタン!

ピッ…

美「 あれ?着信入ってる… これ見た事ない番号ね誰かしら? やだ、希美からも鳴ってんじゃん… 」

プルルル…

希「 あっ、美穂?やっとかかってきた!何回も電話したのになんで出ないの?」

美「 あゴメンね、ちょっとお母さんと一階で話しててさ… 」

希「 なんだそっか!おばさん…あっ!美穂のお母様… 少しは元気戻ったの? 」

美「 まだダメね重傷だわ。全然立ち直れてない…それよりさ希美分かったのよ!あのぬいぐるみの事!」

希「 え、そうなの?お母様に教えて貰ったの?」

美「 うん…やっぱりあれ私の物じゃなかったの…貰い物だったのよ。あれ誰が私の家に持って来たと思う? 」

希「 えっ?ん~………わかんない誰?」

美「 ヒント、最初に『ゆ』が付くわ… 」

希「 ゆ?… ん~…ゆ… ゆ……ゆうたろう?」

美「…希美、あんた全く考える気ないでしょう?」

プルプル、プルプル、

美「 あっ?」

プルプル、プルプル、

美「 ちょっとごめん希美キャッチだわ。やだまた知らない番号からかかってきた!これ誰かしら?」

希「 あっ美穂それ多分川口君だよ。今夜また連絡するって言ってたじゃん!」

美「 あっ、完全に忘れてた… 」

希「 もう美穂ったら私もそれが気になって電話したんだよw とにかく早く出てあげて!お話終わったら連絡頂戴ね、じゃ ♪ 」

ピッ、

美「 もしもし…」

川「 あっ!やっと繋がった!!美穂ちゃん俺、俺、川口! 良かったぁ一生繋がらねーかと思ったよ!」

美「 川口君ね…ごめんなさい。ちょっとこっちも色々あってさ… で、そのナントカってオッサンには会えたの?」

川「 ちょ、ちょっと美穂ちゃん!言葉には気をつけてよ! いま稲河さんと一緒に急いでそっちに向かってるからさ。急で悪いんだけど出掛ける用意だけしといて欲しいんだ!」

美「 はぁ?何よ突然?よく意味がわかんないんだけど… 今こっちに向かってるってどういう事?ちゃんと説明してくれないかな? 」

川「 今は説明してる時間がないんだ、こっちも色々とやる事があるからさ!とにかく稲河さん曰わく一刻を争う事だから早くしないとやばいらしいんだ!いいから準備しといて! 」

美「 え~!そんな事言ってももうお風呂入っちゃったし、パジャマも着ちゃったし… 今からちょっとだけ『相棒』の続き見て寝ようと思ってたのに…ぶつぶつ… 」

川「 ちょっと!こんな時になに呑気な事言ってんだよ美穂ちゃん!マジでやばい事になってんだよ!優人達が助かるどころか美穂ちゃん… 君たち二人も危ないんだよ! 奴らに…優人達を連れてった奴らに君たち見初められちゃってる可能性があるらしいんだ! 本当に危ないんだよ!何回も言うけど一刻を争うんだ!! 君たちが連れて行かれない為にも早く手を打たないと大変な事になる…

とにかく早く希美ちゃんに連絡して着替えて待ってて!必要なもん揃えるのに少し時間がかかるけど、一時間もしたらそっちに行くから!じゃまた連絡する!」 プチ、プー、プー、

美「 …はあ? な、何よ? 連れて行かれるですって? どういう事? 一体誰に連れてかれんのよ… 大体何者よその稲河ってオッサン? なんか信用できないわ! それって怪しい宗教とかスピリチュ…なんとかなんじゃないの? うん!絶対そうだわ!どうせ変な壺とか御札とかほうきとか買わされんのよ! もう何時だと思ってんのよ!!

ま、 まぁでも一応着替えとくか… 」

………

【二時間後】

プルルル… ピッ、

川「 あっ!もしもし美穂ちゃん? 今家の前着いたから出て来てくれる? もう時間がないから急いでね!」 プー、プー、プー、

美「 もう!今何時だと思ってんのよ!ちょっとテッペン回ってんじゃないのよ!ぶつぶつ… こんな時間に外出するなんてお母さんにバレたら怒られるなんてレベルじゃないのにもう…ぶつぶつ… 」

……

川「 あっ来た来た!美穂ちゃんこっちこっち!!」

美「 ちょ、ちょっとシーー!!大声出さないでよ近所の人にバレちゃうじゃない!変な評判立ったらどうしてくれんのよ!」

川「 いいから早く車乗って! 詳しい事は車で話すからさ。」

美「 ちょっと待って本当に大丈夫なの? まさかあんた私に変な事する気じゃないでしょうね… 」

「 へへ、美穂ぉ ♪♪ 」

美「 あれ?希美? な、なんであんたが先に車に乗ってんのよ!」

川「 あぁ希美ちゃん家の方が近かったから先に迎えに行ったんだ。さぁ美穂ちゃんも早く車乗って!稲河さん紹介したいからさ!」

美「 もう!しょうがないわね…!でももし変な事しようとしたらこれがすぐに火を吹くからね!!」

川「 す、スタンガン…?」

稲「 いやいや、これはどうもはじめまして… わたくし稲河と申しますがね… 美穂さんと言いましたかねぇ~? 突然の事で驚いてるでしょうが川口君からお話をお伺いして私も驚いてるんですよぉ。

まさかあなた方本当にアソコに行くなんて、ってねぇ…

あの場所はダメなんだぁ… 絶対に近づいちゃいけない!ましてやあなた方は素人でしょ? ダメだな~… 絶対ダメだ~… いやね、あそこは本当に出るんですよ… 強いのが居るんだぁ…

トイレのドアをギィ~と開けるとね、ファーっと生ぬるい風が吹いてくる。なんかヤダな~なんて思う間もなく辺りは昼間のように明るくなって来るんだ… するとジワジワジワジワ…と蝉の声が聞こえて来る… いやね、その昔このトイレである事件が起こったんですよ。

イジメですよイジメ。イジメられてたんですよね~その子… 暑い暑い夏の昼休みに閉じ込められてたんだそのトイレに…

生まれつき心臓が弱いその子を来る日も来る日も個室に閉じ込めて笑い者にしてたんだ…

そしてある日いつものように閉じ込められてトイレから出る事が出来ないその子は忘れられちゃったんだ。イジメグループは彼の事なんてすっかり忘れちゃって家に帰ってしまったんですよ…

日曜日を挟んだあくる日の月曜日に発見された時にはもう…その子の心臓は止まって冷たくなっていた…

それからなんですよねぇ…

次々にそのトイレで事故が起こって子供が亡くなっちゃったり消えたりしたんだ… やっぱり寂しいんでしょうかねぇ~? 気にいったら容赦なく連れてっちゃうんですよ。

結局、その小学校は同じ町の学校と合併して廃れてしまいましたがね… 待ってるんですよね今も… 当時のあの暑い夏の日のまま… 今も新しい友達を探してるんですかね〜?… 」

川「 ちょっちょっと美穂ちゃん!希美ちゃんも!!なんで寝てるんだよ? 稲河さんが折角話してくれてんのにさぁ~ 」

美「 …んっ?あ~終わった?だってそのオジサンの話超長いんだも~ん! てかもう一時回ってんのよ!そりゃ普通の人間は眠いわよ!」

希「 えっ、やだ!私も寝ちゃってたの?全然気づかなかった…?なんで? せっかく稲淳のお話生で聞けてたのに… 」

稲「 ひひ…いいんですよお嬢ちゃん方…だってしょうがない。二人の魂の半分近くはもうアッチ側に行っちゃってますからねぇ… 」

川「 いっ稲河さんそれどういう事っすか?」

稲「 え~可哀想だがもう憑かれちゃってるんですよ。今はまだ泳がされてるだけで結局はあの場所に呼び戻される筈なんですよねぇ。そう…だから眠いんだぁ…

早く現場に行って彼を供養して上に挙げてやらないと… この子達は確実に連れて行かれるでしょうねぇ~ 」

川「 ほらほら!やっべーじゃん!!急がないと!す、すいません真子さんもう少し運転急いで貰えませんか?! 」

真「 …ふん…お前らが勝手に行くからだ… 」

川「 ど、どうしたんですか真子さん?!」

真「 お前ら行くなつっただろうがーー!!! 知らないよ私はどうなってもさ!!」

美「 ね、ねぇ川口君… その運転しながらメチャ怒ってる女の人誰なの?」

川「 あ、あぁわりぃ!真子さんの紹介まだだったよな… 彼女は稲河さんの助手の真子さん… 北野真子さんだよ… 」

美「 き、北野まこ…と…?」

川「 いやいや、まことじゃなくて真子さんね… 彼女も今回俺達に力を貸してくれるって言うから一緒に来て貰ったんだ! 」

美「 あっそうなんだ… どうも初めまして私吉岡美穂と言います。えとこっちは永田希美です。あの…宜しくお願いします… 」

真「 ふっ… あんたら高校生か? まあ今更言ってもしょうがないけどよくもまぁあんな危ない所に行ったものよねぇ… ほんと怖い物知らずもいいとこだわ! アソコはさっき稲河先生が言った子供の霊ともう一人厄介なのがいるのよ。どっちかと言えばそっちの方が大変かもしれないのよ… 」

美「 も、もう一人ですか…?」

真「 そうよ、亡くなった子供の母親もいるの… 」

美「 は、母親? 」

真「 そう、彼女は事件後自分の息子の後を追ってみずから命を絶って亡くなってるの… とても激しい怨みを抱いてね!

イジメの事実をもみ消そうとした学校側と、事件後何事も無かったかのように学校へ通うイジメグループの少年達を彼女は絶対に許せなかったの! これは私と稲河先生との推測だけど、実際トイレに引っ張ってるのはその母親じゃないかと思うのよねぇ… あなた方は見てないかもしれないけど、あの廃校では上下赤い服を着た中年の女性の霊も頻繁に目撃されてるのよ… 」

希「 そ、そんな… 怖い…! 私達本当にそんな所に行ったのかしら?!美穂は何か思い出した? 」

美「 ………赤い…女…?… うっ…痛い!! 頭が痛い! ダメ、やっぱり何にも思い出せない!!頭が割れそう!! 」

真「 やめなさい、無理に思い出す必要はないわ。まぁとにかく今回の一番の相手はその母親で間違いないでしょうね…

ほら見て見なさい、今回はその母親の私物をうまく手に入れる事が出来たの… このノート… 」

川「うわ!何んすかこのきったねえノート?シミだらけで相当年季が入ってんじゃないスか! 」

真「 ふふ… シミ? 川口くんにはそれがシミに見えるのね…w ちょっとそのノート開けて見てみなさい! 」

川「 え~マジっすか?! 超気持ちわりぃ… うわ!なんだコレ!なんか人の名前がギッシリ書かれてる!…しかも赤い字で…スゲェ、恨み事なんかも沢山書き殴られてるし… え?なんすかコレ?なんか髪の毛みたいなもんがテープでとめられてますけど… 」

真「 ああそれ? それは多分…呪った相手の髪の毛だと思うわ。それを彼女がどうやって手に入れたのかはわかんないけどね。

それと、そこに書いてある字は全て血文字よ…母親の怨みがそこに全て詰まってるのよ。でもそのノートは彼女の遺品のほんの一部なの、まだ他にも沢山あるわ。」

川「 ウヘェ… てか真子さんこんな気持ち悪りぃもんどこで手に入れたんすかぁ?! 」

真「 うふふ… 知りたい? 残念!企業秘密よ!まぁ私と先生は色んな方面にお知り合いが沢山いるからね… とだけ言っておくわ…うふふ 」

川「 いや『 うふふ 』じゃなくて教えて下さいよ〜!てかそもそもこんなもんが今回の事になんか役に立つんスか?!」

真「 まぁ立つか立たないかは正直行ってみないと私にも分からないわね。あっ!それから現場に着く前にあなた方に渡しておきたい物があるの。ちょっと川口くんその三列シートの奥にある箱を開けてくれないかしら… 」

川「 あ、はい… うえ!!なんだこの人形気持ちわりぃ!!」

真「 川口くん、いちいちリアクションが大きいわよ!気を付けなさい!それはあなた方の人形よ。それに自分で名前を書いてあなた達の体の一部を背中に埋め込みなさい。つまり髪の毛か爪ををその人形の体に埋めるのよ。分かったらとっとと始めて頂戴! 」

川「 えー!マジすか?なんでそんな事するんすか?この人形って一体なんの意味があるんすかぁ?!」

真「 あぁそれ? それはもしもの時あなた方の身替わりになってくれる人形達よ… 」

川「 み、身替わり…?」

真「 そうよ。その人形達はいざという時の為の保険よ!あと今流行りのたすき掛けタイプのバッグが人数分入ってるでしょ?それも持っててね、御札やお塩やお酒、懐中電灯に防犯ブザーなんかも入れといたから… 役に立つか分からないけどもしもはぐれてしまったら大変だからね!」

川「 …あっはい!有難う御座います! じゃあこれ美穂ちゃんと希美ちゃんの分ね… あっ!! この二人なんか静かだと思ったらまたイビキかいてますよ!! なんだよ緊張感ないなぁーー!」

稲「 ん~、ちょっとマズイかも知れませんね~。思った以上にやられちゃってるようだ… 少し来るのが遅かったのかも知れませんね…」

川「 い、稲河さん!本当ですか?!この二人ってもしかしてもう助からないんですか?! 」

稲「 いえいえ、まだ行ってみないとなんとも言えませんが…まあ一刻を争う事は間違いないでしょう。しかしこの二人はもし助かったとしてもなにかの後遺症が残ってしまうかも知れませんね… さぁさ!とにかく急いで行きましょう北野クン!!」

真「 はい、先生!!」

ブロロロロロロロロロ………!!!!……

【 20分後 】

ブロロロロロロロロロ………!!!!… キィ…

川「 つ、着いたんですか真子さん?!ま、まさか…こっこっこっこっここが?!!」

真「 川口くん…相変わらずリアクションが大きいわね…イラッ…えぇそうよ、ここが現場よ! 」

川「 なんか想像してたのよりも全然気持ち悪いっすね!!」

真「 川口君、あなたは別にこなくてもいいのよ。てかこないで頂戴。今回の仕事にあなたはいてもいなくても一緒だから… てか邪魔だから! 」

川「 ちょ、ちょっと…何言ってんすか俺も行きますよ!!元はと言えば、俺の責任でもあるわけなんだし…」

稲「 ホホホホホ… なかなか勇気が有りますねぇ川口さん。

でも北野クンの言う通りよく考えた方がいい… 正直今回ばかりは私も無事で帰れる自信がないんだ… もしもみんな奴等に取り込まれてしまったらこの事件を知る者が一人も居なくなる。それは厄介ですよ…私達は二度と生きて帰れないかもしれない。やはりあなたは最後の一人として車に残った方がいいかもしれないですねぇ… 」

真「 そうよ川口くん!先生の言う通りよ。万が一の事を考えてあなたは車に残ってた方が賢明だわ。心配かもしれないけど先生と二人でなんとかしてみるから!はいこれ…」

川「 な、なんスかこの封筒?」

真「 もしも私達が帰ってこなかった時はその中にある番号に連絡して頂戴。すぐに事情と場所を教えて助けを呼ぶのよ!川口くん分かった?頼んだわよ! 」

川「 は、はぁ… 」

ガチャリ、

川「 ちょ、ちょっと!もう行っちゃうんすか?俺こんな所に一人とかすんげー不安なんすけど… 」

真「 もう川口くん!あなたちゃんとちん◯ん付いてるんでしょ?しっかりなさい!! ほら美穂さんと希美さんを見てみなさいよ。行く気満々じゃない!!」

川「 えっ?この二人寝てるんじゃ?! うわ起きてる!!てかなんで二人共笑ってんだよ?! 」

美「 ………… 」 希「 ………… 」

川「 さっきまで眠たい眠たいって言ってたくせになんか目ぇギラギラさせてるし、なんか怖えんだけど… 」

真「 さっ、もう時間も時間だから早く行きましょう… 美穂さんも希美さんも準備はいいわね? 」

美「 ……は…い… 」 希「 ……は…い… 」

真「 じゃあ川口くん後は頼んだわよ!もし太陽が昇っても私達が帰って来なかったら絶対そこに連絡するのよ!お願いね! 」

川「 ひ、ひぃー!はい、分かりました!! 」

真「 ホホホホ…♪ 」

メキメキ…ミシ… ガタン!

真「 ふぅ!本当に古い造りの学校ですね… 入り口が引き戸になってるのは初めてみましたよ。」

稲「 ホッホッホッ… 北野クンこれはなかなか雰囲気があっていい所じゃないですか。次のお話はこの廃校を題材にしましょうかね… 」

真「 それはいいですね先生!毎月連載の月刊『本当にあったかも知れない怖すぎる話! 』先生のお話を心待ちにしている読者様が沢山いますからね ♪ 」

稲「 ええ、北野クンこの雰囲気を忘れない為にも少し早いですがもうここからカメラを回しましょう…

万が一良い画が捉えられたら『ほんとうにあったかもしれない心霊動画ちゃん! 』にも売り込めますからねぇ…ホホ… 」

真「 分かりました!じゃカメラ回しますね!」

ジィーーーーー

真「 ところで先生、やっぱりこの二人はもうダメなんですか? 」

稲「 えぇ、残念ですがもう手遅れでしょうね。既に自分の意識は無い状態です。 私達二人は結界を張ってるので相手からは見えてない筈ですが、この二人は猛獣の檻の中に放り込まれた餌と一緒ですよ。まず生きては帰れません。相手の思うツボですね…ホホホ… 」

真「 ふふ… 川口くんのおかげで作戦は順調ですね。この二人が霊にさらわれる所を映像に残し、朝、川口くんに心霊番組担当のプロデューサーに連絡させてこの事件を明るみに出す! 連続失踪の謎をこのカメラだけが知っているというシナリオ… 稲川淳二ここにあり!! 先生! 間違いなく先生の時代が来ますよ!!」

稲「 …北野クン、私は『 稲川淳二 』じゃなくて『 稲河淳太 』なんですがね… 」

真「 はっ!!す、すいません!私とした事がとんでもない失敗を… 」

稲「 ホホホ…いいんですよ。むしろあの方と間違われるなんて光栄だ。ささ北野クン、あの方に一歩でも近づけるように今は目の前の敵に集中しましょう。私達だって確実に帰れる保証なんてただの一つもありませんからね!気を抜いたら負けですよ! 」

真「 はい先生!!」 キリ!

稲「 ホホホ… 」

ギシ、ギシ、ギシ、…

ミーンミンミンミンミンミンミーン… ジジジジ…

優「 …あ、…アチい… 」

亮「 …ゆ、優人、ここは? 」

優「 おー、やっと気がついたんか亮輔! 」

亮「 な、なんで俺達こんなとこにいるんだ?!…そういえば廃校に忍び込んで… あ、優人俺を助けに来てくれたんだな!! 」

優「 そうだよ! お前を助けに来たらこのザマだよ! なんで俺までこんな蒸し風呂みたいな便所に閉じ込めらんないといけねーんだよ… ブツブツ… 」

亮「 おい、俺の責任みたいに言うなよ! 優人が無理矢理こんなトコ連れてくるからこうなったんじゃないか! だから俺は何度もやめようって止めただろ! 」

優「 …チッ…とにかくここから速えとこ脱出しねぇと干からびちまうぜ… 喧嘩すんのはそれからだ! 」

ガタガタガタ!!

亮「なんでここの窓もドアも開かないんだよ?!このガラスもいくら殴っても割れないし… 」

優「 てか、俺を引っ張り込んだあのガキはどこ行ったんだよ? あいつが俺達を閉じ込めてんだからまずあいつを捕まえないといけねーんじゃねえのか? 多分… 」

亮「 だけどこのトイレの中にはいないじゃん… さっき個室も全部チェックしたけどいなかったし… 」

優「 うるせー!分かってるよ!お前の汗だくの顔見てっと余計暑さが増すんだよ… アッチ行ってろよ馬鹿! 」

亮「 そ、そんな言い方ないだろ!暑いんだからしょうがないじゃんか! いい加減にしろよ! 」

優「 なんだ…?やんのかよ!」

…ダダダ… ダダ…

亮「 ちょっ、ちょっとタンマ!! 誰か来たんじゃねぇか? 外で足音がする…」

優「 …この足音は一人じゃねぇな… 」

ガラガラガラ !!

『 おい! 正一!お前は今日もここで一人で遊んでろ!』

『 も、もうやめてくれよ… 』

『 おっ、偉そうに口答えすんのかよ? お前みたいなノロマはトイレの中がお似合いなんだよ! どうせ友達もいないんだから外で遊んでてもつまんねーだろw?! 』

『 ハア、ハア、や、やめて… 』

『 早く入れよばーか! 授業終わったらまた開けてやるからよ!素直に従わねーとまたぶん殴って水ぶっかけんぞ〜w!』

『 ハア、ハア、ハア、…やめて… せめて薬だけでも飲ませてよ… 』

『 知らねーよばーか!』 バチン!!

『 うっ!!』 …ギイ、バタン!

『 ちょ、ちょっと川口くん!殴ったらさすがにマズイんじゃないの?! 先生にバレちゃうよ… 』

『 大丈夫だよこのくらい!光代はすぐにビビんだなw だいたいこいつはすぐに口答えするし生意気なんだよ! 』

『 で、でも… お薬だけでも飲ませてあげたら? 正一くんてたしか心臓悪いんじゃなかったっけ? 』

『 へっ、大丈夫だよ!もしかしておまえ正一の事好きなんじゃねぇの?! へへへ! 好きなんだろ?!』

『 ば、ばか! そんなワケないじゃん!何言ってんのよぉ/// 」

『 うわ、お前赤くなってんの!!』

『 バカじゃないの川口くん! もう知らない!』 タタタタ…!

『 おーーい! 川口ーー! 外でサッカーやるらしいぞーー!!』

『 おー、分かった吉岡今行くよー! おい正一!お前先生にチクったら承知しねーからな! あとお前の母ちゃんにも絶対言うなよ! お前の母ちゃんめちゃくちゃキ◯ガイで怖えんだからさw へへ…とにかく俺が来るまでそこで大人しくしてろよ、わははは!!』

ガラガラガラ! …ダダダダ!…

亮「 …な、なんだ今の… 」

優「 ……… 」

亮「 お、おい優人! 今の見てただろ?! なんだったんだ今の? あの子供達ダレなんだよ? 」

優「 亮輔、これは夢だ… うん、たぶん悪い夢だ!もし夢じゃなかったらさっきのガキが見せてるただの幻覚に違いねぇ… なんだよ畜生!大人をからかいやがって!! 」

亮「…そう思って俺さっきからほっぺたツネってるけどめちゃくちゃ痛てーんだけど… 」

優「じゃ、じゃあ幻覚だ! あのガキは狐か狸なんだろ! おい糞餓鬼!! 聞こえてんだろ?もうこのくだらねー術を解きやがれ!付き合ってらんねぇんだよ!! 」

『 ………… 』

優「 おい!ガキ!そこに入ってんだろ?見てたんだよ!!早く出てこいよ…!! 」

『 ……ハア、ハア、…苦しい… 薬… ハア、ハア、…薬がないと…胸が…苦しい…だ… ハア、ハア、… 』

亮「 お、おい… この子マジで苦しそうだぜ優人! 早く開けてやんないとやべえんじゃねぇか?! 」

優「… 亮輔、お前なに化かされてんだよ! だからこれは全部幻覚だって言ったろ?! おい小僧! お前は俺達に何がしたくてこんなトコに閉じ込めてんだよ?! お前が何者か知んねーけど俺達は帰らなきゃならねーんだよ… いい加減解放してくんねーか?! 」

『 ……ハア、…ハア、… 苦しい…ハア、ハア、… 』

優「 おい無視すんじゃねぇよ! 聞こえてんだろ!俺達になんの恨みがあってこんな事してんだよ! 今迄俺達以外にも沢山引きづり込んでんだろ?! そいつらは一体どこにやっちまったんだよ!? おい、返事しやがれ!! 」

『 …あ…タ…ミ…よ… 』

優「 あっ?何だって?!」

『 …あきタ…みツ…ヨ… 』

優「 … 秋田光代?! 」

『 …あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ… 』

優「 おい!やめろ!!俺のばあちゃんがどうしたってんだよ!!」

『…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…あきタみつよ…が…殺した…殺した…あきタみつよが…殺した…あきタみつよがミゴロシにした…… 』

優「 ば、ばあちゃんが見殺しにしただって?!」

shake

ギイーーーイ… バタン…

優「 あれ?さっきのガキじゃねぇじゃん! だ、誰だよお前!? 」

亮「 …お、お、お、女?! あわわ… 」

『 …… オマエの祖母… あきタみつよが…ショウイチをミゴロシにした…… ユルサ…ナイ… オマエの全て… ネダヤシにシテヤル……ユルサ…ナイ… ネダヤシ… オマエの全て… コロス……ネダヤシ… 』

ベチゃ… ベチゃ… ベチゃ…

優「 や、やめろ!来んな! こっち来んな!! ひぃ…!! 」

亮「 おい!止まれよ!くそ、これでも喰らえ!」 バサァ!!

『 … オイ…おまえ今…ナニヲ…カケタ… ?… 』

亮「 へへ! 塩だよ塩!! こんな事もあろうかと粗塩持って来てたんだよ!バカめ!へへ! 効いたかこの赤女!! 」

『 … お… オマエモ…シニタイのカ……?… 』

優「 おい、亮輔! 全然効いてねぇぞバカ!! よけー怒らせてんじゃねぇかよ!! 」

『 … おまエ… ミツヨのマゴ… 秋田ケさいごノ…ヒトリ… 』

優「 最後の一人? やっぱりそうか… おい、女! お前の言いたい事は大体分かったよ!…つまり…俺のばあちゃんが昔お前の息子をイジメてたって事で恨んでんだろ!? そういう事だろ?

ばあちゃんずっと言ってたよ… 昔クラスで皆にイジメられてた男の子が死んじゃってから変な事が続いて学校に行くのが怖くなったってよ。私も同罪だって!イジメてたグループの男の子達は皆死んじゃったり行方不明になってもう私以外ほとんど残ってないって… 」

『 ………… 』

亮「 …イジメてた? 」

優「 いつかあの母親に殺されるっていつも言ってた… 毎晩夢に赤い女が出てくるって! ばあちゃん最近になって急に弱り出したんだ、お前だろ!お前がばあちゃんを殺しに来たんだろ?! 」

『 …みつよも…オマエの家族モ…モウみんなシンダ…アトはおまえダケ…オマエ…だけダ… 』

優「 俺の家族?…畜生…兄貴が母さん達を殺したのももしかしてお前の仕業なのか?!」

『 ………ww…… 』

優「 ……お前がやったんだな…ぐぅ… くそぅ…くそぅ…!! 」

亮「 ゆ…優人…… 」

『 …オマエ…の…マワリも…コロス…ものたりない…物足りない…モノタリナイ…モノ足りない…ネダヤシ…コロス… 』

優「 周りも殺す?! だ、誰を殺すんだよ!?」

亮「 くそぅ!そうは行くか!!喰らえ!」 バサァ!!

『 …コ…コロス…… 』

優「 許す!!」

亮「 ちょっ、タンマタンマ!!今のウソ!無し無し!!」

『 …イマ…コッチに…むかっ…ル… よしおカ…みほ… コロス… カワぐチ…こいつハゼッタイにゆるさナイ…!… カワぐチヒロシの…マゴ… にがサない…コロス…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ… 』

優「 お、おいちょっと待て!今なんつった?! 美穂って言ったか?おい赤女!答えろ!! 美穂って言っただろ?! 」

『 …オマエ…たち…許さない…コロス…マトメテ……ソレマデ…げ…@$イロ……マトメテ…それまで…%#〆ていろ…コロス… 』

優「 なんだ? なんて言ってんだ?!」

『 …………… 』 フゥうう……

亮「 あっ、消えた! 」

優「 あれ?…どこいったあの女!?」

亮「 うう……な…なんだこの眠気…!?… 」

優「 ぐぅ… ヤベェ… 意識が…意識が… と…と…ぶ…!… 」

……

……

……

ギシ、ギシ、ギシ、…

真「 先生! もうすぐ着きますよ例のトイレ… 」

稲「 ほほほ、流石の私も雰囲気にのまれてしまっているようですね… ほら、こんなに鳥肌が立ってしまってますよ… 」

真「 ほんとですね! 先生程の人が恐怖するなんてやはりこの学校は並の心霊スポットとは格が違いますね…!

あっ先生!あそこです!あのトイレが人を呑み込んでしまうと云われている魔の男子便所です!! 」

稲「 ほほ、遂に来ましたね… カメラはシッカリ回ってますか? 私達は特殊な結界によって守られてるので安心ですが、こういう場所では電気機器など脆いもので直ぐに壊されてしまいますから… 」

真「 はい先生! いまの所は正常に動いています。この小娘二人がトイレに引きづり込まれる徹底的瞬間をばっちりベストアングルで撮影して見せますよ!! ひひ… 」

稲「 ほほ、バッチリ頼みますよ北野くん! 」

美「 …あのう… すいません真子さんでしたっけ? 今小娘二人をどうするって言いました? 」

真「 ひっ!! あ、あれ吉岡さん? 気がついてたの?!」

美「 …ええ… なんか私寝ながら歩いてたんですかね?ここまでの記憶が殆ど無いんですけど… ここって…多分例の廃校ですよね? 私の夢に出てきた廊下とソックリなんです… 」

希「 …みほぉ… 私も寝てたみたい、なんか頭クラクラする… 」

真「 せ、先生! 」

稲「 おやおや二人共正気を取り戻しましたか… それは丁度良かった。たった今、例の男子便所に着いた所です。

あなた達はいままで虐められて命を落とした少年の母親… 上下赤い服の女に意識を乗っ取られていたんですよ… 非常に危ない所だったんです。さぁ美穂さんに希美さん、あの中に行方不明のお友達が閉じ込められている筈です! 助けに行きましょう… 覚悟はよろしいですか? 」

美「 ほ、本当にあそこに優人がいるんですか…? 」

稲「 はい、間違いありません。」

美「 …!!、ゆ、優人!!」 タタタタタ…!!

希「 ま、まってよ美穂ぉ! 」 タタタタタ…!!

ガラガラガラ!!

美「 優人!!いるの?!」

希「 秋田くん!!どこぉ?!」

美「 あれ?いない… どこにもいないじゃない… 」

真「 ちょっとアンタ達何やってるの! そこは女子トイレでしょ?!そっちじゃないわよこっちよこっち! 」

美「 えっ!そっち?/// だってそのオッさんがこっちって指さすから…/// 」

稲「 お… オッさ……?!… 」

ガラガラガラ!!

美「 あっ!! いた!! 優人! …亮輔くんもいた!! 」

希「 ほ、ほんとだ! 」

美「 優人!、優人、! シッカリしなさい!! 起きて! 」

希「 亮輔くん! 起きて!! やだ死んでるのかな?! 」

優「 …うっ… み、…みほか… ?… 」

美「 そ、そうよ私よ!! 良かった生きてる! …ぐす… 助けに来たのよ分かる?! …ぐすん… 」

優「 あ… あの女… 赤い… あの女はどこ行った…?… 」

美「 もういいのよそんな事! 早くここから逃げるのよ!! 」

希「 美穂! 亮輔くんも目を醒ましたよ! 良かった… 」

亮「 あ、あれ、希美ちゃん…なんで?」

shake

ドタン!!!

美「 な、何いまの音?… 」

稲「 …んっ? 北野くん? 北野くんはどこに行ったんですか?! 」

美「 おじさんアレ… 廊下に落ちてるの、あれカメラじゃないですか?! 」

稲「 本当ですね… 北野くん! 大事なキャメラを放置してどこに行ったんですか?! 」

『 …せ、せんせい… た… たすけ…だ…さい… 』

稲「 んっ?どこですか! 北野くん! 」

希「 あっ、これ…さっきの女子トイレの中から声がしてるんじゃ?! 」

稲「 き、北野くん!! 」 ダダダダ…!!

美「 あっ、ドア閉まってる! 」 ガタガタガタ!!

稲「 開けなさい北野くん! どうしたんですか? 北野くん!」

希「 …や、やだ… このトイレの中… また明るくなってる! この前と一緒だ… 嫌!…怖い… 女… 赤い女…!! 」

美「 の、希美? どうしたの? 女が何? なにか思い出したの希美!?」

希美「 い…い、いやーーーー!!! 」 ダダダダダ…!!

美「 ちょ!希美待って! 優人! 亮輔くんも走れる?!」

優「… あ、ああ大丈夫だ… 」

美「 追いかけるわよ! 希美ぃ、待ってぇー!!」ダダダダ…!!

稲「 … やれやれ、行っちゃいましたね。いやはや予想外の展開だ。今回は残念ながらいい画が撮れてなさそうですね… あっ!!キャメラのレンズが割れてる! 全く北野くんは何を考えているのか分かりませんね… 」

ガタガタガタガタ! !

稲「 やっぱり開かない… 北野くんここを開けて下さい! 」

『 ………… 』

稲「 ほら北野くん! ふざけてないで早くドアを開けなさい! もう帰りますよ!! 全くこれじゃあ新しい助手を探さなくてはいけませんねぇ… ブツブツブツ… 」

shake

ガラガラガラ!

稲「 やれやれ、やっと出てきましたか北…の…く…んっ? 」

『 …おじさんモ… ボクと…あそンで…くレルの…?… 』

稲「 ………… 」

ガラガラガラガラガラ… バタン…!!

ジワジワジワジワ…ミンミンミンミンミンミンミンミーン…

ダダダダダダ!!

美「 ちょっと希美ぃ!! 待ってよぉ!! 」

希「 いやー!あの女が来る!いやーー!! 」

ダダダダダダ!!

優「 ハア、ハア、おい美穂! こ、これどこ向かってんだよ? 階段あがってんじゃねぇのか?!」

美「 知らないわよ、私に聞かないでよ! ハア、ハア、赤い女って真子さんが言ってた男の子の母親の事でしょ?! なんで希美があんなに慌ててんのかしら?! 」

優「 ハア、ハア、も、もしかしたらお前達もあいつに会ってるんじゃないのか? あの女に!! 」

美「 …え…??…赤い…女…?…うっ!! 」

優「 おい、どうした?!」

美「 …痛い!! 頭が痛い!!」

優「 だ、大丈夫か! おい!しっかりしろ美穂! おい亮輔お前は希美ちゃんを追ってくれ!」

亮「 あ、ああ分かった!!」 ダダダダ…!!

美「 …… う… … 」

優「 あ、美穂…気がついたか? 」

美「 …う…うん、あれ?希美は? 」

優「 ああ、亮輔が追いかけてるから多分大丈夫だよ。あいつ陸上部だから足速えし… それより美穂頭大丈夫か?めちゃくちゃ痛がってたけど… 」

美「 …うん、もう大丈夫… 全部思い出したわ… 」

優「 思い出したって何を思い出したんだ? 」

美「 …うん、私と希美はね優人達がトイレに消えた後赤い女に襲われたの… イジメられて殺された正一君の母親にね… でも私達は一時的に解放された。記憶を消されてね… 」

優「 記憶を…? な、なんでお前達だけ解放されたんだ?! 」

美「 それは、川口くんをここへ連れて来る為によ… 」

優「 わ、ワリぃ、俺バカだからよく話が見えねーよ… 」

美「 …ふぅ、あの女は言ったわ。 私と優人と川口くんの家族全員を殺すって、根絶やしにするって。」

優「 あ、あぁそれは俺もあの女から聞いたよ… でも何で俺達家族全員が狙われなきゃなんねぇんだよ!あのガキもあの女も俺達とは何の関係もないだろ?! 」

美「 あのね、昔正一君をイジメてた主犯格が川口くんのおじいちゃんと私のおじいちゃんだったんだって… いつも一緒にいて見て見ぬふりをしていたのは優人のおばあちゃん… 光代おばあちゃん。三人は幼なじみでいつも一緒にいたんだって。」

優「 …ま、まじかよ… 」

美「 元々は正一くんも入れて四人が仲良かったらしいんだけど、何かの理由をキッカケに正一くんだけがイジメられるようになったらしいの… 」

優「 な、なるほど… てか美穂、なんでそんなに詳しいんだよ?!」

美「 えっ、アレ… 本当だ… なんでだろ?! 」

『 …よしカワ… ミホ… カワぐチは…どう…シ…た…?… 』

優「 う、うわぁ出た!! 」

美「 … ふっ、いないわよ! 」

『 …ナ…なゼだ… 』

美「 ふふ、なぜかですって? 」 ゴソゴソ…

優「 んっ? 美穂なんだそのタスキがけタイプのバックは? 」

美「 さあ、これでも喰らいなさい! クソ女!!!」 バサぁ!!

『 … おイ… ヨシおか…みホ… イマ何ヲかケ…た…? 』

美「 ふふ… 塩よ塩!! オバケの嫌いな塩よ!ふふふ あらニンニクも入ってたわ♪ 」 ビューン!

カコン!! カラン…カラン…カラン…

『 … コロ… ス… ぶチ… コロ…ス…!… 』

優「 ば、馬鹿! こいつに塩は効かねえんだよ!! ヤバイまじで切れてんぞこの女!! に、逃げるぞ!! 」

美「 え、え、まじで? 」 ダダダダダダ!!

『 … あ…あいツラ… マジ…ブっ…こロス… 』

【 小学校屋上 】

亮「 ハア、ハア、や、やっと捕まえた! 希美ちゃん足速いね… 陸上部入れば?! ハア、ハア、 」

希「 あれれ! なんで屋上なんかに来ちゃったんだろ? もう嫌!早くお家帰りたいよー!! グス… 」

亮「 そうだよ!に、逃げなきゃ!早く!ほら行こう! 」

shake

『 … オネ…エちゃん… 』

希「 きゃ何? 誰この子?! 」

亮「 う、うわ出たぁ!! こ、こいつだよ!例の男の子! ひぇ〜!」

『 …グスン… ご…メン…ナサい… ゴメン…ナサい…ゴメンナサい…ゴメンナサい…ボクが…ワルい…んダ…ゴメンナサい…ゴメンなさい…ヒック…グスン… 』

亮「 な、なんだこいつ急に泣き出したぞ…? 」

希「 …ど、どうしたのボク? んーもう泣かないでいいから… 良かったらお姉ちゃん達にお話聞かせてくれない? 」

『 …エッ?… 』

希「 君たちはなぜ私達を捕まえようとしてるのか? あの赤い女は誰なのか? そしてキミはどうして死んだのか…? 」

『 … う、… ウん… 』

希「 …そう… ありがとう話してくれて… グス… そんな事があったんだね。辛かったね…ヒック… 」

『 ………… 』

希「 でも正一くんの言う通りお母さんのやってる事は私も間違いだと思う。そんな事をしても誰も嬉しくないよね… 現に正一くんが一番嫌がってるんだもの… それにお母さんはイジメが始まった本当の理由を知らない。 そこが一番の問題ね… 」

亮「 …ズズッズズズズ…うう…ヒック!! 」

希「 ちょっと亮輔くん泣きすぎよ泣きすぎ!!」

亮「 うう、俺ダメなんだこういう話…ズズズズ… 辛かったなぁ僕ゥ!! 本当に辛かったなぁ!! ヒック…うううう… 」

希「 …ま、まぁ、とにかく早くあなたのママにこの事をちゃんと伝えないと私達みんな殺されるって事だよね? で、どうしよう… 正一くんからママに伝える事はできないの? 」

『 …ムリ… ボク…しらないコト…に…ナッてるカラ… 』

希「 えぇ〜、ちょっと待ってよ!! 正一くんあんた男の子なんでしょ?! ちん◯ん付いてんでしょ? あんたのママなんだからあんたがなんとかしなさいよぉ〜もぉ〜!マジ最低! 」

『 …ビク…!! 』

亮「 の、希美ちゃん? なんか美穂ちゃんみたいになってるよ… 」

ダダダダダダ!!!

美「 あっ!! 希美達いた!!」

優「 ほ、ほんとだ! おい亮輔こんなとこで何してんだよ!!早く逃げんぞバカ! 」

亮「 …イラ! 」

美「 希美大丈夫だった?! さ、早く行くわよ! 」

希「 ま、待って美穂! いま逃げても多分無理だよ… 多分ここからは逃げられないと思う… 」

美「 えっ? な、なんでよ!」

希「 …… 」

shake

『 …コロす…こロス… こロス… ネダヤシ… ネダヤシ…コロす…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ…ネダヤシ… …』

優「 き、来たーーー!!! 」

美「 ひ、ひい!!」

『 …オマエら… ヤット…コロせル… カワぐチ…カワぐチは…ドウ…し…タ…? 』

優「 や、やめろ赤女! 俺達は関係ないじゃねぇかよ! お前らが恨んでんのは俺のばあちゃん達だろ?! 」

美「 そ、そうよ… 優人の言う通りよ! 私達はあなたの息子とは何の面識もないんだから関係ないはずよ! ましてや希美と亮輔くんなんて全くの部外者だし…

あなた私達を殺して何になるの? 殺せば満足するの? 息子は喜ぶの? 成仏出来るの?どうなのよ?! 」

『 …ウ… 』

優「 お、おい美穂ちょっと効いてるぞ!…もっと行け!!」

『 …オ…オマエたチの…ミウチが…ショうイチヲ…コロし…た…ドウザい…ユルさナイ… リユウ…も…なく…コロし…た… ウラギっテ…コロした…!… ゼッたイに…ユルさナイ…!… 』

希「 それはあなたの誤解よ!! 」

美「 えっ…希美それどういう事? 」

希「 …さっき正一くんが教えてくれたの… イジメの真相!なぜ突然イジメられるようになったのかをあなたは知らない… 知らないだけなのよ!! 」

『 …シ…シんソウ…?… 』

希「 …家島香也子、これがあなたの名前ね… 正一くんのお母さん。

あなたは女手一つで正一くんを育てあげた。そして正一くんはお父さんの顔を知らない… あなたは唯一の家族正一くんを本当に大事にしていた…! 」

『 … ナ… な二ガ…イイタ…い…? 』

希「 あなたは毎朝正一くんを学校まで送り、帰りも迎えに行ってたそうね? 息子が心配で片時も離したくなかったあなたは日曜日も友達と遊ぶ事を許さなかったらしいじゃない… 」

『 …ショ…ショういチ…ガ…いった…ノ…か…?… 』

希「 ある日、些細な友達との喧嘩で擦り傷をつけて帰ってきた正一くんをあなたは問い詰めたそうね… 誰にヤられたんだと… 」

『 ………… 』

希「 相手は川口くんのおじいちゃんだったんでしょ? あなたは正一くんを連れて川口くんの家まで怒鳴りこみ、何時間も罵声を浴びせ続けた… もう二度と息子に近づくなと…その後学校にも報告して大騒ぎにしたんでしょ?!

… 本当の喧嘩の原因は正一くんにあった事を知っておきながら。」

『 …ウルさイ… オマエ…に…な二ガ…わカル…! 』

希「 あなたのその行動が正一くんの負担になってた事に気づかなかったの?! 次の日から正一くんは孤立してしまったわ… そしてその内みんなからからかわれるようになったのよ!…おまえの母ちゃんは…… 」

『 …ナ…んだ…? 』

希「 おまえの母ちゃんは、…キチ◯イだって… 』

美「 の、希美… 何言ってんのよ! 」

希「 でも正一くんは香也子さん、あなたが大好きだった… だから学校で何を言われようとジッと耐えて我慢していたのよ! あなた知ってる?その時正一くんをかばい続けてくれてたのは川口くんのおじいちゃんだったって事!! 」

『 …ウそ…ヲ…ツクな…!!… 』

希「 ほんとよ! 正一くんが言ってるんだから間違いないわ! 川口くんはあなたに酷い事を言われながらも、幼なじみである正一くんを決して見捨てなかったのよ! あの事があるまではね… 」

美「 あの事? 」

希「 …ええ、イジメを受けて泣きながら帰ってきた正一くんを見て、あなたはまた川口くんの仕業だと思ったのよね。

正一くんの話も聞かずにあなたはまた川口くんの家に怒鳴り込んだ! そして家族が見ている前であなたは川口くんを何度も殴ったそうじゃない! 」

『 …や… ヤメろ… 』

希「 あなたはカッターナイフも準備していたそうね… 警察に連れて行かれた後もあなたは頑として非を認めなかったそうじゃない。

その時の正一くんの気持ち…考えた事あるの香也子さん? 」

美「 ほんとなの…その話? 」

『 ……… 』

希「 さすがに川口くんもそれ以来正一くんを避けるようになったわ。

まぁ当たり前よね、自分が身に覚えもない事でそれだけ殴られたんですもの… そして川口くんの怒りはとうとう正一くんに向けられた… 」

『 …… !… 』

優「 おいおいマジかよこの話?! お前とんでもねぇモンスター母ちゃんだな!! これじゃ正一が可哀想じゃねぇかよ! 」

美「 ゆ、優人は黙ってて!!」

優「 …… 」

希「 香也子さん、あなたの行き過ぎた愛情がこの悲劇を招いたとは思わない? 本当に川口くんのおじいちゃん達だけが一方的に悪いと言える? 正一くんの気持ちを一度でもちゃんと考えてあげた事があるの?!」

『 … …う…ウルさ…イ…こむスメ…!… シ…ョウい…ちが…コロサ…れタノハ… ジジツだ… アイツら…コロし…たんだ…ワタ…シ…ムスコ…ヲ… … ショう…イチ… ヲ… !… 』

希「 いい加減にしてよ香也子さん!もう怨みは晴らしたんじゃないの?! 川口くんのおじいちゃんも美穂のおじいちゃんも光代おばあちゃんもあなたが殺したんでしょ?! もう充分じゃない!!

何人殺せば気が済むのよ、こんな事して一番辛いのは誰よ? 正一くんでしょ? いい加減気づいてあげてよ!! …グスン…ヒック… 」

美「 の、希美ぃ…! 」

『 …ウ… 』

『 … ママ… … 』

『 …シ…正一?… 』

『 …ママ、もうやめて。 お願い。 もう誰も殺さないで。 僕は川口くん達を恨んでなんかないよ。みんな大事な友達なんだ。

お願い、僕はママとこうして一緒にいられるだけで幸せだよ… 』

『 正一… 本当なのかい? あの娘が言ってた事は。』

『 うん、今まで黙っててごめんなさい。 ママ… 』

『 正一… グス… ごめんね、ママが間違ってた。ごめんね、正一!ママ取り返しのつかない事しちゃった。ごめんなさい… ヒック…』

『 ママ… 』

『 正一… 』

優「 こいつらキメー!!ママとか言ってやがるぞw! 」

美「 こ、こら優人!黙ってなさい!! 希美、今のうちに逃げちゃったら行けるんじゃないの?! 」

希「 …そ、そうね… 流れからみてもう解決したッポイもんね! に、逃げましょ! ! 」

亮「 ズズッ!ずずずず、ヒック…うううう…!!! 」

希「 ちょっと亮輔くん!いつまで泣いてんのよ?!早く逃げるわよ!! 」

亮「 ズルズル、ヒック… う、わ、わかったぁああよぅ…ヒック…」

ダダダダ!!!

【 午前7:00 】

shake

ガンガン!ガンガン!!

美「 川口くん!川口くん!起きて、早くドアを開けて!!」

ガンガン!ガンガン!!

川「 … んっ? な、なんだぁ?…ムニァ…ムニァ… 」

優「 おい、川口!てめえ一人だけ呑気に爆睡コキやがって、早くしろよバカ!!」

川「 ムカ… 」

ブオン、ブロロロロロぉーーー!!

美「 …と、まぁそういう事よ。希美のお蔭でなんとか無事にみんな脱出出来たってワケ。」

川「 そ、そうだったんだ…良かったぁ俺行かねぇで!でもみんな無事に帰れてほんとに良かったよなぁー。 それにしても俺のじいちゃんて事故死だと思ってたんだけど、実はそうじゃ無かったのか… マジやべえなその女!!」

美「 そうよ、私達も本当に危ない所だったのよ… 希美のお蔭ね ♪♪ あんなに堂々とした希美の姿見たのは初めてだからビックリしたわ! ありがとう希美 ♪♪ 」

希「 み、みほ〜! 怖かったぁあぁ〜!! ヒック… 」

美「 あれれ、いつもの希美に戻ってる…! 」

川「 てか優人!お前普通に運転してっけど免許持ってんのかよ? 」

優「 …ひひ…持ってると思うか?」

川「 ……… 」

美「 あっそうそう!優人! 悪いけどこのまま警察署まで行ってくれない?」

優「 お、おまえそんな事したら俺無免許で捕まっちまうじゃんかw!冗談やめてくれよ… 」

美「 あら、冗談じゃないわよ。無免許なんかよりももっと重大な事件があるの… ほらコレよ♪♪ 早く捜査して貰わなきゃね! 」

優「 な、なにそれ?」

美「 あら、わかんないの? 盗聴器よ盗聴器! こんなもんが私の部屋から出てきたの。 大事件でしょ?! 」

優「 と、とうちょ…!!」 グラグラ!!グラグラ!!

川「 お、おい優人!前見て前!!」

優「ま、まあチョット待てよ美穂… 警察はとりあえず落ち着いてからにしようぜ! もう俺疲れちゃったし腹減ったしよ… 」

美「 …ふふ、しょうがないわねこのストーカー!!」

優「 えっ? ば、バレてたの…? 」

美「 当たり前よバカ! あんた本当に最低なヤツね!信じられないわ人の部屋盗聴するなんて!! 犯罪よ犯罪!! 」

優「 …ご、ごめん… 」

美「 バカ!ごめんで済んだら警察も杉下右京もいらないのよ!!」

優「 ……… 」

川「 ははw てか美穂ちゃん、亮輔も一緒に無事生還出来てほんとに良かったね ♪ なんだったら亮輔と席変わろうか? へへ… 」

美「 あら、川口くん何言ってるのかしら? よく意味が分からないんですけど…? 」

優「 強がんじゃねぇよ美穂… おまえが亮輔の事好きだって事はもうみんな知ってんだよ! チェッ! 」

亮「 /// 」

美「 だから何でそうなるのよ? 私、亮輔くんが好きだなんて誰にもいった憶えないし、別に好きでもなんでもないんだけど! 」

亮「 !! 」

優「 えっ? ウソ?お前なに言ってんだよ?こないだまであんなに亮輔くん亮輔くんて言ってたのによ! なぁ希美ちゃん?! 」

希「 え〜、私も亮輔くんが好きだなんて初耳だよ〜? だって美穂が昔から好きな人は、……ゆ…… 」

美「 ちょ、ちょっと希美!!ストップ、ストップよ! あんた何言い出すのよ?!ちょっと信じられないわねほんと…///!!」

優「 …ゆ、えっ?! の、希美ちゃん! そ、その先は?! 」

希「 ふふ、教えなーーい ♪♪ 」

ブオン、ブロロロロロぉーーー!!

稲「…… うっ… ど、どこですかここは?… はっ!北野くん! だ、大丈夫ですか? ほらシッカリしなさい! 」 バチン!!

真「 うっ!痛っ!!… はっ!、先生?! こ、ここは?! 」

稲「 それは私が聞きたいぐらいですよ… なぜ私達はこんな所で倒れていたんでしょうか? …うっ!痛い! 頭が割れるように痛い!…ハア、ハア、グウ… 」

真「 せ、先生大丈夫ですか? んっトイレ?ここはどこかのトイレみたいですね… な、なぜこんな所に… 」

稲「 ハア、ハア、ど、どこか分かりませんがヤバイですよここは!もの凄い霊気を感じます! ハア、ハア、は、早く逃げましょう! 」

真「 ……… 」

稲「 ど、どうしたんですか北野くん?! 」

真「 … せ、先生… 後ろに赤い女が… 」

【了】

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皆様、こんな長いお話を心折れる事なく読破して頂いて恐縮でごんす!!やあロビンミッシェルだ。

この話を書いた時は、誤字脱字を探すのに相当苦労した思い出がありますでごんす!もう大長編は無理でがんす!!

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スゲー!こんな長い話、よく書けますなー!
尊敬に値しますよ!

でも、物語としては面白い展開でした。
後で繋がる人間関係や、真相など、僕には出来ない事が沢山有りました!ありがとうございます!勉強になりました!

そうそう、続編期待していますけど焦らずゆっくりと「タクシー」の中で書いてくださいな!笑

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これね、まだ怖ポチもコメントもする勇気のなかった頃にブクマ機能駆使して読んだよ。

面白かった。
今はブクマ機能がなくなってしまったから、これを読めと言われたら泣いちゃうけどwww

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大長編!
前のアカ作品、実は1つも読んでなかった沙羅ねーだw

殆ど台詞のみの物語なのに、解説くさくないのがスゴイね!!
ちゃんと場面解ったし。
謎は…残したままなのねw

さすがロビたん。焦らす手法は得意技ね~(^^)🎵

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やあ皆様ご機嫌よう、ロビンミッシェルだ。

この「幼馴染み」のようなセリフ主体の話をまた書きたいなと思っているんだがどうでしょうか?…ひ…

まあ、実はただたんに「コメ欄に最上げ」して、読んでない皆さんに読んで貰いたいなと思惑付きの姑息な所業は秘密です…ひひ…

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やあロビンミッシェル子だ。
火の玉氏、なんとも嬉しいコメをサンクス!偶然、俺も最近この話を久しぶりに読み返して見たんだが、開始7分で寝てしまったよ…ひひ…
長いのに読んでくれてありがとう!

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ロビンMさん、昔読んだこの作品がずっと頭から離れませんでした。。
わたくしの中では、この作品がロビンMさんの最高傑作だと思っております!!

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やあロビンミッシェルだ。
紫音氏、なんと続編希望とは…ひ…約束は出来ないが、なんか閃きそうな予感がするんで考えてみるよ!有難う

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優人、美穂、希美、亮輔、川口のその後が知りたいです✧(✪д✪)✧

出来たら続編を書いて頂けないでしょうか?

宜しくお願い致します┏○┓

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やあ✋ロビンミッシェルだ。

makoto氏、お褒めの有難い言葉をサンクス!
久しぶりに読み直してみると手直ししないといけない箇所が随分とあったが、クソ長い分一番思い入れのある話なんで評価されると特別嬉しいよ、有難う!…ひひ…

来道氏、成る程気持ちは痛い程分かるが、どうか宮根氏に名前を呼ばれる事だけは避けてくれ!頼む!…ひ…

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悲しい話だね(;´д`)

みほたんに盗撮したいよ(;´д`)

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この話好きです。

長い話なのにまとまりが良いのがすごいです。

だらだら実体験を綴る自分にはこのクオリティがうらやましいです。

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やあロビンミッシェルだ。

奥氏、初めまして浪速の男前ロビンと申します。…ひ…

長い話に付き合ってくれて有難う!また時間が出来たら奥氏の怪談もゆっくり読ませて頂くよ!

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やあロビンミッシェルだ。

aoi氏、長いのに読んで貰えて嬉しいよ!有難う!

確かに今、良く良くイメージキャストを見直してみると、優人と美穂と希美はどうもイメージにあっていない気がするな…ひひ… もう一度練り直してみるよ!

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・・・ロビンさんがこんな大長編をアップされているのを
見落としていたとは・・・不徳の致す所であります(ーー;
凄く臨場感があり長く感じず一気に読めてしまった・・・
いやホントお見事・感服しました。

>皆のイメージはどうだろうか?
他のキャストは何となくピンと来ないのですが
「美穂の母→ 松下由樹先生」「北野真子→ 光浦靖子先生」「正一→ 鈴木福先生」
は私的に何故か1ミクロンの狂いもなく「スコン!」と嵌った感じがしました。

じゃあ「他はどうなんだと」言われても人物が思い浮かばないんですけどね(^^;

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やあロビンミッシェルだ。

喪氏、会話文のみなんで、強めなキャラの個性を作るのには骨を折ったよ…ひ…

少々濃い目の味付けすぎたかな?…ひひ…

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優人のばあちゃんとうちのおかんの名前が同じ(笑)

長かったけど会話形式だと読んでて疲れないわね…
登場人物みんな饒舌すぎ(笑)

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やあ✋ロビンミッシェルだ。

bhjkas氏、俺は今嬉しさの余りスマホを打つ手が震えているよ…う…

貴重な睡眠時間を大幅に割いて俺の愚談に付き合ってくれた事にな!…ぐす…

心を込めて有難うと言わせてくれ!…ひひ…

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