短編2
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ー喋るー

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これは全然怖くないけれど

あなたの身にも起こりうる事だから…

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その少女はサチという。

平凡で霊感皆無のとっても怖がりな子供時代を過ごしていた。

サチは中学生になり人より遅い初恋をした。

同級生のスーと…

幸せだった。

スーが事故で死んでしまうまでは。

それからサチは不思議な体験をしていく。

でも怖がりなはずのサチは全く肝の冷えない性格になっていた。

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サチがハタチを迎える頃、妊娠した。

検査薬を使わないのにサチにはハッキリとわかっていた。

何故ならわかるはずのない『受精』の瞬間に聴こえていたから。

ーーーー今いくよ。

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それからしばらくしてサチは、周りからしたら変なコとしか思えない行動をとるようになった。

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「聞こえてるんでしょ…?」

えっ!?

と、どれだけ見まわしても誰もいない。

まして一人の声ではなく複数の老若男女の声。

わからなかった。

でも、ある日その声の主達がハッキリとわかるようになった。

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「ねえ!あたしよ!!聞こえるでしょ?」

振り向いたサチの視界に少し型落ちのスポーツカーがいた。

「こっちに来てくれる?」

そのスポーツカーの前に行ってみると

「よかった。やっとちゃんと聞こえる人が来たわ!」

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ーー?

サチが目の前に来るなり、その声の主は泣き出した。

「あのね…」

それはスポーツカーの声だった。

前の持ち主の事がとても好きだった事。その幸せだった日々。とても大事にしてもらっていたと。

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「でもね、彼は…」

泣く泣く車を手離さなくてはいけなくなり、売ってしまう事になった、と。

サチがその『彼女』をみると先ほどまでなかったはずのモノが目にとまった。

ヘッドライトに水が半分ほどたまり、ポタリと地面に落ちていたのだ。

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その時から、サチには色々な物の声が聴こえ会話をするようになっていった。

そんなサチの話は、またの機会に…………。

ちなみに、その車をサチは購入した。

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あなたならどうします?

物が溢れる世の中で、全てから声が聴こえるようになったら………

みんな

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喋 る ん で す よ ?

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