短編2
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修学旅行

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「最初はぐぅ!じゃんけんぽん!」

光希と夢子がじゃんけんをしているところに、ちょうど風呂上りの私が入ってきたところ。

「夢子の負け!

これで5たい0ねー♪」

光希の得意げな声に、夢子は頬を膨らませた。

「二人とも、そんなに暇だった?」

私が聞いてみると、夢子が静かに言った。

「…怖さを紛らわしてるだけだよ」

え?と思った。

「いやーあのね!

この旅館、幽霊出るって噂でさ…」

光希が言うには、ちょうど四年前。

この旅館のこの部屋で、自殺した女の人がいるらしい。

その人は貧乏で、自分の最後のお金を使い果たしてこの旅館にきたそう。

でもお金が0になった彼女はやりたいことを

見つけることもできず、この部屋で自殺したそう。

「その霊がこの部屋にとりついてるんじゃないかーってこと?」

「多分そういうこと」

背筋にゾゾっと寒気が通り抜けた。

楽しいはずの修学旅行。

それが一気に恐ろしいもののように感じた。

「武田くん…!?」

ふいに夢子が叫んだので、ビクンッと驚きながらもドアの方を見た。

そこには武田くんが立っていた。

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「どうしたの?」

「あ、ごめん。部屋間違えたみたい」

そう言って戻ろうとドアの方を向こうとした武田くんの顔が、

いっしゅんにして凍りついた。

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「え、な、なに!?」

夢子が慌てた表情で武田くんを見つめる。

「おい。あれ、誰だよ」

うしろを振り向くと、髪の長い女が

這うようにしていた。

「きゃぁぁぁ!!」

私、夢子、光希は気が狂ったように叫んだ。

そして女は人間とは思えないスピードで

床を這って私たちに近づいてきて、

ふんわりと煙になって消えた。

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あとから聞いた話によると、

この旅館で亡くなった女の人は、

毒物を飲んで、まるで部屋の中を這いずり回っていたかのような不気味な体制で、

亡くなっていたそうだ…

Concrete
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