私は普段、家事をしたり、寝る前にニコ生をつけている。
BGMとして丁度良いし、たまにコメントすると主が反応してくれるのも楽しい。
その日もニコ生を見てボーっとしていた。
友達のヨウコが遊びに来る予定だったが、微妙に時間が空いたので暇を潰していたのだ。
見始めて10分程経った頃、ヨウコがやって来た。
「久しぶり~」
「久しぶり!なにこれニコ生?」
「うん、BGM代わりによくつけてるんだ。」
「へー。色々チャンネルがあるんだね。」
ヨウコは興味を持ったようで、チャンネルをいじり始めた。
「顔出してる人もいるんだね。」
そこには髪の長い女が俯いている様子が映っていた。
が、妙な点があった。
普通、音楽の垂れ流しにしろ、単なる作業配信にしろ、音や映像に何かしらの動きがあるものだ。
ところがその生主は、俯いたまま何もしていなかった。音楽もない。
「ちょっと変だね。何してるのかな。」
と話した時、ヨウコの顔がみるみる青ざめ、半泣きになった。
「えっ、急にどうしたの?」
ヨウコは画面を指差しながら言った。
「これ...私の部屋。」
ヨウコは一人暮らしだった。
作者caffelover