短編2
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霊道

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これは、私がまだ中学生だった頃のお話です。

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その日の夕方、私は友人Tの家の居間で、

Tと友人Mの三人でコックリさんをしていました。

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Tの家は平屋の借家で、玄関のドアが引き戸になっており、開けっ放しにされていました。

私たちのいる居間は、玄関から入り、

靴を脱いで上がってすぐ左にあり、

私は、ちょうど開けっ放しの玄関が見える位置に座っていました。

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コックリさんを続けていると、

玄関から廊下の奥に向かって通り過ぎる人影が視界に入りました。

肌着姿のおじいさんのようでした。

Tはそれに気付いていない様子だったので教えてあげようと思い、

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私「おじいちゃんきたよ。」

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そう言うとTの表情が急にこわばったのが分かりました。

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T「やめてよ。」

私「ん?」

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そして次にTが言った一言が、

私の背筋を凍らせました。

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T「うち、おじいちゃんなんていないよ・・・。」

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私「え・・・。」

T「Y(私)のお母さんが家に来た時も、同じようなこと言ってた・・・。」

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怖くなった私たちは、コックリさんなんてやってる場合じゃないと、

すぐに終わりの儀式を行いました。

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確かにその時、家の中には私とTとMの

三人しかいなかったのです。

いったい、私が見たあのおじいさんらしき人影は何だったのでしょうか?

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ここからは、あくまでも私の推測になります。

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Tの家は某遊園地近くのK市にあり、

家の前は広場のようになっていて、

その奥には森がありました。

そしてその森にはある噂があったのです。

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昔、そこが罪人の処刑をする首狩場だったと。

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もしかすると、Tの家は霊の通り道になっていたのかも知れません。

そして当時、Tは父親の家庭内暴力に怯える日々を 過ごしていました。

今思えば、そのことも何か関係しているような気がしてなりません。

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>父親の家庭内暴力
近くに処刑場址があり霊道が通っているなら可能性は
あると思います。
霊道の通っている家に住んでいる家族は仲が悪くその家の敷地だけ
空気が澱んでいるらしいですから・・・

引っ越しする事が一番いいのですがそれが出来ないなら何か対策
をした方が良さげですね。
・・・私は専門家ではないのでどんな対策をすれば良いのか判りませんが(--;

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