中編3
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私の同僚 M太

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これは私の同僚のM太から聞いた話。

M太には姉がいる。

M太の家はいわゆる”みえる家系”らしく、M太と姉の2人は特にその力が強いらしい。

またM太の家の玄関は学校に面しており、霊がよく集まるのだといっていた。

そのためか、幼いころはよく姉弟で霊と会話することもあったそうで。

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M太が16になる頃にはもう霊はほとんど見えなくなっていた。

しかし、M太の姉は見えなくなるどころか、より力が強くなっていったようで

弱い霊達が、姉の力を借りようと、よく集まってくるのだと言っていた。

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M太の実家は東北の端っこのほうの出身で、高校卒業後は都内の専門学校に通い始めた。

M太の通っていた専門学校は4年制で、3年生になった。

専門学校も3年目のともなると余裕も出てくる。

お盆も近いので、実家に帰ることにしたのだ。

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M太が実家についたのは夕方頃。

夕日に怪しく照らされる小学校。

小学校のすぐ裏手には大きな森が広がっており

小さい頃から身近にあった小学校だが

久しぶりに見る小学校はいつも以上に薄暗く、気味が悪い。

まだ夕方の5時半頃だというのに人の声がまるで聞こえないのだ。

久しぶりの実家でくつろげると思ったM太だったが、異様な静けさで少し気味悪く感じていた。

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すっかり日も暮れ、姉が帰ってくるなり準備していた食事が次々と料理が運ばれてくる。

弟が帰ってくるということもあり、今晩は豪華なお刺身である。

M太はお刺身が大の好物であった。

晩飯を終え、縁側で腹を休めているとM太 の側へ姉が寄ってきて、こういった。

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「あんた、東京から何持ってきたの?」

M太は特段何を持ってきたでもなく、1週間分の着替え以外は何も持ってきてはいない。。。

怖くなったM太は姉に尋ねた。

「俺に何か憑いてる・・・?」

姉は首を振り、何も言わずにその場を立ち去ってしまった。

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M太が風呂から上がる頃には深夜1時を回っていた。

早めに濡れた体をふき、足早に寝る支度をはじめたM太だったが、なにやら外から

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shake

「ガタガタッ」

と物が揺れる音がする。

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その音の出処はどうやら食後にいた縁側あたりのようだった。

急いで向かってみるとM太の姉が、M太が持ってきた荷物を押さえつけている!!

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「姉ちゃん! 何やってんだよ!!」

M太は大きな声を上げ、姉に近寄ったが、M太の目にはとんでもないものが写った。

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1週間分の荷物が入っているバッグから、大量の黒い塊のようなものが飛び出ているのが見えるではないか!!

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びっくりしたM太だったが、姉が必死にそのカタマリが出てこないように抑えているのを手伝った。

「あんた、これが何かわかる・・・?」

姉はM太に聞いた。

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「いや、わからないけど・・・。どうして俺の荷物からこんなものが・・・。」

姉はM太に自分の荷物を抑えつけるように頼むと、神棚に祀ってあったお祓い棒のようなものを持ちだして、荷物に向かって規則正しく左右に振りながら 何かを唱えている。。

M太の姉は小さい頃からよく神社に行っており、そのまま近所の神社に巫女として務めている。

すると、だんだん荷物から見えていた黒いカタマリが小さくなっていった。

「鎮まってきたぞ! あとすこしだ!」

M太が油断したその時だった。

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shake

バチンッ!!!!

急にM太の左手首に激痛が走る。

それと同時に黒いカタマリが消え、荷物からの物音も消えた。

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*****

「その時出来たアザがこれなんですよ。」

とM太は話してくれた。

その手首のアザは、誰かに叩かれたような手の跡がくっきりと出ていた。。。

その後M太は別の会社に移り、以来連絡を取っていない。

彼は今どこで何をやっているのだろうか。

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M太さんはどこで憑かれてきたのでしょうか…。
叩かれて痣が出来たようですが、
これが呪いの類でない事を祈るばかりです。

叩かれただけで済んで良かったですね。