中編6
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怪しい隣人

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僕が体験した話でございます。

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今考えても、あの人は何がしたかったのかわからない。

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僕が小学生の頃住んでいた団地での話。

僕が住む団地には子供からお年寄りまで幅広い年齢の人が住んでいて、色んな人が居た。

色んな人というのは少々変わってる人が居る という意味だ。

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ベランダで朝から晩までカラオケしているおじさん 自分の車を子供のように溺愛するニートの男性 毎回ゴミ置き場からエロ本をこっそり調達する高校生 など。

他にも色んな人が居て、とにかくバラエティに富んだ団地だった。

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僕の隣の部屋に住む人は少し危ない人が多かった。

というのは、隣に住む人が何度か入れ替わっているからだ。

両親の話によると僕達家族が越してきた時に隣に住んでいた人は幽霊みたいな人だったらしい。動きやオーラが幽霊みたい だったそうだ。

次に越してきた人は確か四人?家族で、問題有りの家庭だった。

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子供が親に暴力をふるっていたのだ。

僕の部屋から壁を通して子供が両親を殴っている音や罵声が何度か聞こえた。

出かける際に両親とすれ違う事が度々あり、その顔は殴られ腫れていた。

最終的には子供が逮捕され殴られていた両親は施設へ入る事になった。

次に隣に越してきた人は夫婦だった。

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僕の両親は見たことがあるらしいが、僕は奥さんの顔を見た事がなかった。

隣に越してきた時に旦那さんが挨拶と簡単な自己紹介をしていたのを覚えている。

名前は鈴木といい夫婦二人で越してきたのだと言っていた。

僕は、鈴木さん(旦那さんの事を)"おじさん"

と呼んでいた。

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おじさんの家は冬以外はいつも家のドアを数センチ開けていた。

僕はそれがなんだか気になり、毎回出かける時と帰宅する時にドアをチエックしていた。

朝学校へ行く時 学校から帰ってくる時 帰ってきて出かける時、おじさんとよく出くわした。

その度に「こんにちわ〜」といってニコニコしながら話かけてきた。

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おじさんは身長175cm位で見た目は40代後半、少し痩せ型で肌は黒くセミロングの真っ黒な髪をしていた。髪の毛が若干ウェーブががっていて目つきが鋭く、いつも猫背だった。

デ○ノートの○ュークみたいだった。

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小学生だった僕にとっておじさんは不気味なデカイおじさんという印象だった。

おじさんは昼間も家にいるし夜も家にいるし、一体どんな仕事をしてるのか謎だった。

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不気味なおじさんという印象だったので、おじさんと話をしないようにしていた。

何か話かけられても適当に受け流していた。

家から出ると必ずおじさんと出会い、挨拶されるので何かあるのではないかと考えた。

朝はだいたい学校へ行く時間が決まっているし、帰りの時間も殆ど同じ時間だった。

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おじさんは僕が学校へ行く時間や帰ってくる時間 出かける時間を覚えているのではないか、と考え学校へ行く時間をずらしてみた。

きっとおじさんと会うことはないだろうと思った。

しかし、おじさんは現れた...

「おはよう〜....今日はいつもと時間違うね。学校、遅れちゃうよ?」

「あ......はい。」

僕が家から出た瞬間おじさんが隣から出てきて大きな声で話しかけてきたのでかなりびっくりした。

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団地の構造上隣同士は向かい合ってドアがついている したがって相手が家を出入りするのがドアスコープから確認でにるのだ。

おじさんの場合はドアスコープからではなく、開けられたドアの数センチの隙間から此方を伺っていた。

僕が出かける前におじさんの部屋を確認した際、ドアの隙間からおじさんが此方を伺う顔が見えたのだ。

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どうにかおじさんにばれないように出かける方法はないか考えたが、いい案が浮かばなかった。

今までは軽い挨拶だけで乗り切れたが、そうもいかない事態が起きた。

学校へ行く途中にゴミ捨てを頼まれたのだ。

家から出るとおじさんも一緒に出てきた。

「おはよう〜今日はゴミの日だね。」

「あ、はい。」

おじさんの手にゴミ袋が握られていないのをみて、またいつもみたいに挨拶だけで済むと思った。

予想外におじさんは何も持たず僕に話しかけながらついてきた。

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(えーなにこれ なんでおじさんついてくるの)

ちょっと怖くなって僕はダッシュで階段を駆け下りた、おじさんもダッシュで階段を駆け下りてついてくる。

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おじさんは何がしたいのかわからなかった。

一階につきゴミ捨て場まで急いだ その間おじさんは僕に話しかけつづけた。

「やっぱり小学生は元気だな。君、走るの速いね〜」

僕はゴミを捨てるのに忙しいというアピールをしたがおじさんには通用しなかった。

「ゴミ、重くない?おじさんが持ってあげようか〜」

「いえ、大丈夫です。」

この時の僕は小学三年生 体格は並だったが顔が他の同級生より幼かった。

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ゴミを捨て終わり学校へ向かおうとした。

「ねぇ、ちょっといい?」

「は、はい。」

猫背なおじさんは僕に視線を合わせるように背を低くして話しかけてきた。

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早く学校へ行きたかったがおじさんが怖くて、話を聞かないといけないような雰囲気があった。

異様な雰囲気のまま少しの沈黙の後おじさんが口をひらいた。

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「おじさんはね、君とこうして話せるのが嬉しいよ。おじさんの家には子供がいないから...君みたいな子はとても...新鮮なんだよ。」

「はい...。」

「君は小さくていいね、とてもいい。いいな〜おじさんも君みたいな子欲しかったな〜。ご両親が出かけて一人で寂しい時はおじさんのお家へおいでよ。ね?」

「あ、え、..ありがとうございます。」

言い終わったあとおじさんは去っていった。

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一連の事を両親に相談し僕が出かける時は両親が見送る事になった。

それからはおじさんと挨拶することがなくなり、おじさんと会う事がなくなった。

これでもう終わったのだと思った。

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終わらなかった。

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両親が僕を見送り部屋へ戻ったあと、おじさんはダッシュで僕の後を追ってきた事があった。

距離があったので何も起こらなかったが、その時のおじさんの目がいつも以上にギラギラしていて怖かった。

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学校が終わり帰り仕度をし、一緒に帰る友達に声をかけようと友達に近づいた...

「おい、あれ...怪しくない?変な人いる。」

友達が窓に向かって指を指す。

「ん?何?」

校舎から生徒たちが帰る門をみた

おじさんが居た。

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おじさんがきょろきょろしながら、小学校の門から少し離れた所をウロウロしていた。

「なんで居るの....。怖い一人で家まで行けない...」

友達に頼んで友達と友達のお姉さん(大学生)に家の前までついてきてもらい、無事に家に帰れた。

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次の日は休日で家族で出かけ、夜は外食することになった。

家から車で10分位の場所にあるレストランに入り、それぞれ注文した。

食事をしてる途中でトイレに行きたくなり席をたった。

「トイレ行ってくる!場所どこ?」

「そこの突き当たりを右よ。」

母に教えてもらいトイレへ向かった。

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トイレを済ませトイレのドアを開けた

目の前におじさんが立っていた...

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「あれ〜同じレストランで食べていたんだね。元気〜?」

猫背な背中をさらに曲げながら僕に視線を合わせる。

「!!....元気ですっ」

おじさんの横をすり抜けて逃げ、両親のところへ向かった。

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この後もおじさんは過剰な声がけをしてきた。。

特に触ってきたりすることはなかったが、話しかけてくる時顔の距離が段々近くなっていた。

結局、僕は引越しをすることにした。

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特にこの話にオチはないんだけど、引越しをして一ヶ月経った位の日におじさんが僕の家の周辺に現れた時が一番びっくりした。見つからないように隠れたから話してないけど。

あのおじさんは何がしたかったのか今だに謎です。

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<おしまい>

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白夜叉さんコメントありがとうございます。
不気味な話ですよね。

気味の悪い話