中編3
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もう空を飛べないのなら

ドイツではローレライ、ギリシアではハルピュイア、日本では夜雀、名前は幾らでもある。

でも、変わらない事もある。私の生き甲斐は唄を歌う事だ。

だから私は今日も唄を歌う。それで船が沈もうと私の知った事じゃない。

『バンッ』

銃声?射たれたの?この私が?なんで?私は唄を歌ってただけじゃない。私が何をしたの?何もしてないでしょ。

嗚呼、落ちる。いや、なんの為に羽がある。飛ぶためよ。まだ、死ぬには早い。私の羽よ動いて、、、、、なんで動かないの?

まさか、射たれたのは羽?案の定羽から血が出てる。これは動かない訳だよ。

『ザバン』

海の中ってこうなってるんだ。嗚呼、私は死ぬんだ。

~~~~~~~~

「砂?嗚呼、海岸か。なんだ、生きてんじゃん私」

私は海岸に打ち付けられてた。

「もう、この羽じゃ空を飛べないよね」

私は羽を持っていたナイフで切り落とした。

「グッアアアアァァァァ。ゲホッゲホッ。ん、オエェェ。」ドピァッ

予想以上に痛い

「ハアハアハア、クッソ。折角痛み引いてきたのに、もう一つ有るのか」

~~~~

羽を切り落としたのは良いけど、此からどうしよう。いく宛も無いし、友達と言える人?ん、私達って人じゃないよね。怪物?妖怪?なんだ?まあ、取り敢えずも妖怪は日本だ。

???「ちょっお前、大丈夫か?凄い血が出てるけど。取り敢えず僕の家来い」

「貴方、誰ですか?見知らぬ人を家に上げる何てどんだけ非常識なんですか」

あ、駄目だ。意識が朦朧としてきた。此処で落ちたら駄目だ。

???「いやいや、凄い出血だよ。早く手当てしな・と・・じゃう・ら、だから、い・・・・」

もう、駄目だ

『バタッ』

???『大丈夫じゃないじゃん!取り敢えず早く処置しないと』

~~~~~~~~

ん、此処は? 嗚呼、さっきの人の家か。連れて来られたんだった。

???「あ、起きた?此処まで連れて来るの大変だったんだよ。不審者に間違われたり。・・・あ、自己紹介がまだだったね、僕は、、名前、、好きに呼んで、僕らに人権なんて物は無いから。」

「じゃあ、鵺なんてどう?」

鵺「ぬえか、良いねそれ。どういう意味?」

「日本の妖怪で正体不明って意味」

鵺「格好いいじゃん。君は、なんて言うの?」

「私の名前は、、そうね、夜雀かな?」

鵺「それも、日本の妖怪?君、日本人なの?」

夜雀「ええ、でも私は日本人じゃない。日本に長く居ただけ」

鵺「そうなんだ、、、」

~~~~

寝れない。慣れない環境だと云うのもあるのかも知れない。

夜雀「♪~~」

鵺「ふーん、歌上手いね」

夜雀「!!?何時から居たの!?」

鵺「最初から」

~~~~~~~~

この生活にも慣れてきた。

私が怪物と言う事はまだバレてないみたい。

~~~~~~~~

鵺「君を見つけてもう15年経つか」

夜雀「気付いてた?」

鵺「最初からね」

夜雀「出ていった方が良い?」

鵺「いや、良いよ。もう少しで、いや、なんでも無い」

~~~~~~~~

鵺が死んでもう3年。私の居場所は完全に無くなった。

そもそも、羽を失った時点で私は、船誘では無くなっていた。

其なのに私は死なない。いや、死ねない。もう、生き甲斐の唄を歌う事も叶わない。

其なら、この舌も要らない。

この舌も、あの羽同様に、切り落とすだけ。

~~~~

・・・・・・

       ~END~

 

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鎮魂歌さん、コメントありがとうございます。
哀しい話なんですかね?

この場合の名前とは『役割』を示すとも言えますね。
ドイツ、日本、ギリシャ、それぞれの場所で名を与えられ、
同じような役割を果たしていたと言う事になりますね。

鵺は名前通りに正体不明でしたが、
結局は夜雀に居場所を与えた上で最後には
全てを奪ってしまう存在となった。
哀しい話であると同時に、Neidさんらしい作品だと思います(^^)

Aokiminoさん、怖いありがとうございます。

ガラさん、コメントありがとうございます。

そうなんですかね?

これはこれでいい話だと思います。