短編2
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壊れてる

「壊れてる...」

声に気づき振り返ると妙齢の女性がいました。私はその人を知りません。

「壊れてる...」

また呟きます。わたしに言ってるのでしょうか。あたりを見渡しても私たちの他に人はいないようです。

住宅街の似たようなデザインの家々を傾きかけた日がオレンジ色に染め始めていました。

私は彼女を無視し足を進めます。

「壊れてる...」

彼女がうしろから着いてきます。

私は何だか不安です。単に頭が弱い方ではないような気がするのです。

「壊れてる...」

私は彼女を無視することにして、走って逃げることにしました。

日が落ち、辺りの暗闇を街灯やら住宅のキラキラした七色の光が照らし始めている光景が目に入ってきます。

「壊れてる...」

彼女はなおも着いてきます。

私は走っていますが、彼女は普通に歩いてついてきます。

私は怖くて仕方がありません。

誰かに助けを求めたいのですが、やはりあたりには人影がありません。

ユラユラ揺れる雲になんだかイラつきを覚えます。

「壊れてる...」

声はまだうしろから聞こえます。

私は足をさらに速めました。

私は強い衝撃を受けて宙に舞いました。

彼女から何かされたのでしょうか。

痛むところを手で確認し、その手を見ると血がついています。頭を切り、鼻血が出ているようです。

あたりを見ると彼女はもういませんでした。

「すいません。大丈夫ですか!?」

男性の声がします。

あたりを見渡しても、ほとんど白色に近い爽やかな青空しか目に映りません。

壊れているものが何か分かりました。

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