中編3
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王道都市伝説その2

やぁやぁ、大兄大姉の皆さん、こんばんわ

需要なさそうだけどまたやるよ

あいも変わらず、素人さん向けの定番話だ

ほらほら、怖い話マニアの皆様は行った行った

こんな定番な話読むだけ時間がもったいないよ

きっと知ってる話だよ

さぁ、素人さん方はこっちにおいで

俺ッちがが今から有名な怖い話しをするよぉ

東京に出てきて苦節5年

流行り廃りの早いアイドル業界で5年という年月は、一アイドルの寿命に匹敵すると言ってもいいだろう

それまでに目が出なければ、業界でやっていくことはもう絶望的だ

そんな中、とあるアイドルユニットのメジャーデビューが決まった

仮にA、B、C、Dの4人グループとしよう

この日の皆のはしゃぎようと言ったらなかった

特に最年長のDは、いままで数々のユニットを組まされては解散の繰り返しだった為

喜びも人一倍だったことだろう

その日4人はささやかながらもパーティを開いた

まぁパーティと言っても、まぁ宅飲み女子会と大して変わらない

確かに全員正真正銘アイドルであるが、パーッとやりたくてもそのお金がないのだ

始めは明るく今後の事なんか話したりし、会話も弾んでいたのだが

過去の苦労話などをしているうちに、なんとなく場が湿っぽくなってしまった

雰囲気を変えるべく、グループ内で一番人気のAが

「ファンの人が送ってきたDVD見よう!」

と言いだした

「これ、マネージャーさんがくれたんだけどね」

と言ってAは数枚のDVDをバッグから取り出した

「え?なになに?そんなのAちゃん見てんの?エライねぇ、アイドルの鏡だよ」

グループ内2番人気のCは関心した

「違うよ、Aちゃんのは悪趣味なんだよ」

そう言ったのはAとは同郷で仲良しのBだ

「そんなこと言いながら、Bちゃんもしっかり見てゲラゲラ笑ってたくせに」

まるで、自分一人が悪者にされそうになったAは共犯者を告発した

「DVDならそこにセットすりゃ勝手に再生されるよー」

Dは我関せずと言った感じだが、見ること自体に嫌はないようだ

「じゃぁ、入れるよ」

とAは宣言すると一枚目のDVDをセットした

それはファンが送ってきてくれた動画で、自分らのパフォーマンスを真似て録画したものだった

「なにこれー、きもーい」

「うぁわ-,この人たち何歳なんだろう?」

それらを見て4人は爆笑して盛り上がった

そりゃそうだ、いい大人が自分たちみたいな小娘の歌を歌い、踊りを一生懸命コピーしているのだから

まぁ、Bの言う通り多少悪趣味ではあるが彼女たちを責める道義はない

1枚目のDVDが終わり2枚目のDVDを再生した

プレイヤーがディスクから情報を読み取り動画が映し出される、内容は先ほどとほぼ同じで、年齢そこそこの中年男性のファンが室内で汗をかきながら歌って踊っている

ほんの一瞬ではあるがBはAが強張った顔をしたのを見逃さなかった

そしてその理由もすぐわかったが敢えてこの場では何も言わなかった

そんな、残酷なDVD鑑賞も飽き、話題も無くなり夜も深まってきた頃、このパーティは終了した

その帰り道、逆方面のCとはわ分れ、AとBは並んで帰途についていた

同郷で年齢も近く、同じ時期に上京した二人はプライベートでも仲が良く、借りてるアパートも近い

BはAに問いかけた。

「どうする今日?私の部屋に来る?」

「え?」

Aは一瞬目をまん丸くしBを見た。

「あの2枚目DVDに写っていたあの部屋

Aちゃんの部屋だよね?

ねぇ、部屋に戻るのやめなよ。今日はもう遅いからしょうがないけど。明日直ぐにでもマネージャーさんに相談しよう?」

「Bちゃん……ありがとうでもいいの。私なら大丈夫だから……」

「そんな!大丈夫なわけないじゃん!!危険だよ、世の中物騒だし?メジャーデビューを気に食わないファンの人たちも多いっていうし……ね?お願いだから今日は私の部屋に泊まって?」

「ほっといて言ってるでしょ!大丈夫だから!!」

「Aちゃん……どうして……」

「……なの……だから大丈夫……」

「え?ごめん、なに?良く聞こえなかった」

「だから……あそこに写ってたのは、私のお父さんなの!!お願いだからほっといて!」

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ぐう…またしても読めなかった!最後の二行で食っていたラーメンが鼻から飛び出しちまった…ひ…

第三弾も期待しているよ…ひひ…