中編3
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覗き窓

沖縄には「ヤナカジ・シタナカジ」(直訳=悪風・よごれた風)とよばれる「悪鬼悪霊」が存在すると信じられている。

このような「ヤナカジ・シタナカジ」がひとたび屋敷内に入り込むと、家屋敷は荒れ、そこに住む家族の健康がそこなわれ、家庭生活はたちまちのうちに破壊されてしまう、とされている。その為玄関には厄除け用にお札が貼られていたり魔除けとして「サン」と呼ばれるススキの葉先を編んで作ったものを置いたりしている家庭が多くあります。

これからする話は前の職場で一緒に働いていたFさんの知人のKさんの体験談である。

Kさんは現在30代。

昔から霊感が強かったらしく普段からよく見えているそうです。

見え始めた頃はとても怖かったらしいですが基本的に何もしなければ特に害はないと気付いてからは落ちついて過ごしてきたらしいです。

霊というのは気付いてくれてるとわかると憑いてくるらしく困ることがよくあったらしいです。

普段道を歩いてると壁からいきなり男の子が飛び出してきて気付いているかいないかを確認したりする事があったり…学生の頃はバスに乗っていると乗車する人と混じって霊が乗ってくる事があり、一人一人の顔を覗いて気付いているか確認してバスを降りていく霊もいるそうです。

そういった場合は寝たふりをして過ごせば大丈夫だったらしいです。

今回聞いた話は学生の頃に一番怖かった出来事で…(ここからはKさん目線で)

自分は両親が共働きで学校が終わって帰宅する時間はいつも家で一人でした。

バスで通っていて帰宅する為いつも通りに窓側の席に座っていると…

乗車してきた人の中に人では無い女性が乗ってきました。

横目で見ていると自分の隣に座ってきました…

「あぁ~めんどくさい」と思いつつ、いつもみたいに寝たふりしました。

何分か経ち自分が降りるバス停に近づいて来たのでボタンを押しバスが停車したので降りようと思い席を立ち移動しようとした際に…

隣に座っている女性にぶつからないように反射的に避けて前を通ってしまい…

「あ…ヤバイ…」

と思いつつバスを急いで降りて、家は200メートルくらい先にあるマンションだったのでダッシュで家に向かいました。

自分の横をバスが通りすぎたので、ふと後ろを振り返るとバス停に女性が立っていてこっちを見ていました…

「やっぱり気付いてるのバレたか」

と思いながら走って帰宅してすぐに玄関のカギを閉めて靴箱で…

「はぁ…はぁ…はぁ」

息を切らしていると…玄関が「ガン!!」と音をたてて

ドアノブが「ガチャガチャ」動いている…

「やっぱ憑いてきてる…」

息を整えて覗き窓から外を見てみると「真っ暗!?暗くて何も見えない…」と思っていると…

「…あと…もうすこしだったのに…」

声が聞こえて覗き窓から目が見開いた無表情の

女の顔があらわれたと思ったら…

ふっ…と消えていなくなった。

その時わかったんだけど…暗くて見えてなかったのは…外の覗き窓から女が目を見開いて中を覗いていたんだ…って思ったら怖かった。

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Kさんの体験自体も怖いですが、現世と死者の世界の交錯が「珍しくない」と言えるような状態になっているのも恐ろしいですね。
「めんどくさい」と言えるほど慣れつつあっても、それは接触してはならない世界ですからね…。