短編2
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双子。

幼馴染みが死んだ。突然の事故で帰らぬ人となったのだ。彼とは幼稚園からの付き合いで、中学、高校と一緒だった。

腐れ縁、とでも言おうか。私達はいつも一緒だったし、仲も良かった。男女の垣根を超えた間柄というか。珍しいことかもしれないけれど、異性の親友と言っても過言ではない。

そんな彼が急逝したのは、大学に入ってすぐのこと。バイト先からの帰り、乗っていたバイクで事故を起こしたらしい。

お葬式の日。私はあまりのショックのため、自力では立ち上がることも出来ず、寝たきり老人のように無気力になっていた。ベットから一歩も動けず、結局、お葬式には参列出来なかった。

思い出がいっぱい詰まったアルバムを開いては、一人でこっそり泣いていた。どのページにも生きている彼の姿がある。笑った顔、おどけた顔……涙がぽろりぽろりと溢れて、喉が熱くなる。

そのうち、一枚の写真に行き着いた。彼のお姉さんに赤ちゃんが生まれたため、子ども好きな私は彼にせがんで、赤ちゃんを見せて貰いに行った。せっかくだからと赤ちゃんを抱っこさせて貰い、その時に写真も撮ったのだ。

そういえば、この時。彼は赤ちゃんを抱く私を見つめながら、不思議なことを言っていた。

「俺、生まれ変わったら双子になりたいな」

彼が亡くなって、五年後のこと。私は大学の先輩と結婚し、懐妊した。その時は新たに始まった生活が忙しく、彼の存在もどんどん薄れていた。

検診に行くと、赤ちゃんはどうやら双子だと医者に告げられた。いっぺんに二人もの子どもを授かった私は嬉しい反面、二人を同時に育てることは大変だろうなあと不安に思ったものだ。当時はまだ仕事も続けていたため、日々の生活は更に目まぐるしいものとなった。

そして今年の春。私は無事に双子を出産し、新米ママとしてデビューした。初めて授かった二人の愛おしい我が子。現在は生後一カ月を迎え、少しずつではあるが、育児にも慣れてきた。

ある日、二人が揃って目を覚ましていたので、ベットに並ばせて写真を撮ろうとした時だ。二人は寸分違わずに私を見ると、まだ歯も生えていないのに、

「ダカラ、イッタデショ」

声を揃えて呟いた。

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