中編4
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モウトラレナイ

ようちえんに はいって はじめてのひ、みかちゃんと おともだちになりました。

みかちゃん は とてもかわいいです。

あるひ、 わたしはみかちゃんが わたしのおきにいりの ハンカチ と おんなじ ハンカチを もっているの をみつけました。

その ハンカチ は わたし が なくしたもの だったので とっても うらやましかったです。

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わたしは小学生になって、ミカちゃんと学校がはなれてしまいました。

ちょっとさみしいですが、わたしたちはときどき会っていっしょに遊びます。

ミカちゃんは、たまにすごくしんけんな目でわたしのお人形や服を見るときがあります。

ミカちゃんをおうちに入れると、よく物がなくなることがあります。

わたしはそのせいでよくお母さんにおこられます。

たんじょうびに買ってもらったお人形をなくしたときはすごくおこられました。

きっとわたしがちゃんと管理してないのがダメなんだと思います。

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私と美香は市内の同じ私立中学へ入学しました。

部活も同じ音楽部に入り、今まで通り仲良しでした。

そんな中、私の大好きだったおじいちゃんが逝ってしまいました。

おじいちゃんが依然私に買ってくれたiPodはおじいちゃんの形見であり、また、私の一番の宝物でした。

しかし、合宿のときに私はiPodをどこかに落としてしまったようで、非常に困りました。

結局、そのまま見つからず合宿も終わり、解散。

そのとき偶然見てしまいました。

美香が私のiPodを持っていることに。

私がいくら訪ねても「知らない」とシラを切る美香に私はいい加減腹がたち、つい怒鳴ってしまいました。

iPodを取り返せなかったこともショックでしたが、何より親友だと思っていた人間に裏切られたことが悲しかったです。

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最終的に美香とは和解したのですが、高校生になった今でも美香の手癖の悪さを時折垣間見ることがあります。

彼女が家に遊びに来るときは、私も極力貴重品は出さないよう、心掛けていたので、私の被害は減っていきました。

美香はどうやら近所でも有名人のようです。

私たちがが中学三年生のとき、美香のお父さんが市長に選ばれました。

それからというもの、美香が万引きをするという噂が近所でまことしやかに囁かれるようになりました。

万引きする物も大したものではないし、父親が市長ということもあって手が出せないというのが現状でした。

しかし、厳格で有名な個人商店のおばさんは美香を許さず、ついに万引きの現場を取り押さえ、警察へ引き渡しました。

学校に復帰してからの美香に、私以外の友達は寄って行きませんでした。

私は美香を慰め、極力力になれるよう努力しました。

そんなある日、私は周りから酷いいじめを受けるようになりました。

何かした覚えはありませんが、私は美香だけは唯一仲間でいてくれると思いました。

しかし、美香にそんな気はさらさらなく、新しくできた友達と私を蔑むような目で見るようになりました。

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大人になって私は結婚して専業主婦に、美香はOLとして働き始めた。

しばらくして美香が結婚した、という噂を聞いた。

そして高校の同窓会。私は苦い思い出もあり、あまり出たくはなかったが、それでも最後にはいくらか友達もでき、悪い思い出ばかりではなかったので一応出席することにした。

久しぶりに会う美香はひどい厚化粧で、太っていて、高校の頃の面影は微塵も残っていないように感じられたが、偶然同じアーティストが好き、ということで私たちは意気投合した。

さらにしばらくして、美香から子供も連れて行くから久しぶりにお茶でもしないか?という連絡があった。

当然気は進まないもの、つい承諾してしまった。

私の方が先に結婚したのにどうやら子供は同い年らしい。

「絵里子。わかってると思うけど、失礼のないようにね?」

「はーい。お母さん。」

絵里子は私の可愛い可愛い娘だ。

今年で16歳になり、もう高校一年生だ。

私の一番の宝物だ。

成績も良く、周りからも美人で、性格も良いと評判の私の自慢の娘。

玄関のチャイムが鳴った。

ドアを開けると、そこには美香とその息子が立っていた。

美香も息子もまるで豚のように太っていて、私はここにきて初めて美香に対して異常なまでの優越感を覚えた。

とくに、息子といえばそれはもう醜悪という言葉が似合うような気持ち悪さがあった。

そんなわけで1,2時間ほど話をして、美香が妙なことを言い出した。

「絵里子ちゃん…ほんとうに可愛いわねえ。うちのお嫁に来ない?」

「え、そんな」

「来なさいよ!!翔太のお嫁さんになりなさい!ねぇそう思うわよね?」

そのとき私はもう盗られまい、そう思った。

ハンカチ、おもちゃ、形見、友達、私のものをそんなにとって何が楽しいのだろうか?でもつぎは絶対に渡さない。何があっても。死んでも渡さない。絵里子は私の立った一つの大切な娘。お前なんかに渡してたまるかこんな豚みたいなクソガキにわたしてたまるか絶対に渡さないお前に与えるものなどない泥棒が

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今度は私が盗る番だ。

盗られる前に盗らなくてはいけない。

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