始まりの絶望 棺桶カンオケ2

短編2
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始まりの絶望 棺桶カンオケ2

俺の父親わ

優しい人だった、いつも笑い、いつもニコニコしながら頭をなでてくれた

俺はその笑顔を愛していた、父と言う人を尊敬していた。

だから気づかなかった

その父が本当は心を病み、偽りの笑顔を見せているとわ

夢にも思わなかった

俺は四年前に大好きな父親を亡くした

父親は仕事が上手くいかないとストレスを溜めていった。

そして酒に溺れた

優しい優しい父親が酒を飲んだら、まるで

化物のように全てを壊した

父親は化物になった、母親を殴り

姉を殴り、祖母をなぐり、俺を殴り、殴って殴って殴り倒した

でも酒がきれると、父親は元にもどった

いつものようにニコニコした笑顔をみせた

俺は父の笑顔に救われた

父親は言った

酒はもう飲まん、ごめんな

俺はそれを信じた

やっと終わる

悪夢は終わる

絶望は終わる

そう思っていたのになぁ

なんで全て壊れたんだろうなぁ

父親はまた酒を飲んだ、飲み続けて家具を壊し

俺を蹴り、殴り、投げ飛ばした

そんな中

俺は見てしまったんだ、暴れる

父親の後ろに確に居たんだ

確に見たんだ

あの時みたあいつが

長い髪と白い服を着たあいつが

ニコニコしながら父親に抱きついて

俺たちが壊れるのを楽しむように、ニコニコ笑いながら

そいつは神木にいた筈のあいつ

父親に抱きつき、ニコニコしていた

あいつは台風の時にみた、あいつだった

あいつは口を開くとこう言った

「絶望は始まったばっかりさ」

女の笑い声はケタケタケタケタ耳を刺した

始まりの絶望棺桶2

Concrete
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