中編5
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ビックリ箱

今まで投稿した話に出てきた龍平くんの話でございます。

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龍平がコンビニでアルバイトをしいた時期に体験した話

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幾つかアルバイトをやっていて、その中の一つがコンビニだった

コンビニには色んな客が来る 学生やおじいちゃんおばあちゃん サラリーマン..etc

普通の客もいれば変な客もいた

レジを打ってる時にマシンガントークしてくるギャル 買ったエロ雑誌を店員に見せてくるおっさん 毎週末やって来るコンビニ内でイチャついて帰るカップルとか...まだこういう客は良い方だ...一番強烈だったのが...

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コンビニのアルバイトをやり初めた頃

龍平はいつものようにレジに立ち、店内をぼーっと見つめていた

店内にいる客の一人が商品を持って龍平の所へ向かって来る

一番近いレジを無視し一直線に龍平の元へやってきたその客はどこにでもいるような40代後半位の女だった

白髪が数本ある黒髪を後ろで適当に束ねた髪型が印象的だった

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「いらっしゃいませーお弁当は温めますか?」

「...あっ....はい...」

女は龍平を見つめてそう言った

龍平がレジを打ちお弁当を温めている時も女は龍平を見ていた

視線に気づき龍平が女の方を見ると、女はまだ龍平を見つめていた

なんだ?...俺の顔に何かついてるのか?..この女の人目力強くて怖いな...

そんな事を考えていると電子レンジの温め完了の音が鳴り、お弁当を取り出し女に渡した

「お待たせしました!」

「...ありがとうございます....」

女は礼を言うと龍平をじーっと見つめ去っていった

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様子を見ていた同僚が口を開いた

「今の女不気味だな。お前の顔見過ぎだろ笑 一目惚れか?」

茶化す同僚を無視し店のドアへ視線をやった

店の前に先程の女がじーっと龍平を見つめ立っていた

龍平はすぐに視線を店内に戻し変な胸のざわつきを紛らわせようとレジ周りの商品を並べ替えた

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次の日も女は来た

他のレジが空いていても龍平の所へ来た

「いらっしゃいませーお弁当温めますか?」

「....あっ....はい....」

答えた後じーっと龍平を見つめる女

龍平は女の視線に気いたが女の方を見ないようにした

人の顔を見るのが癖なのか?...いや、俺の顔を見てるんじゃなくて後ろの壁を見てるのかも....

お弁当を電子レンジに入れ、時間をセットした

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「少々お待ち下さい...」

「...あっ....はい.........あ..あのう...」

女が龍平に何か言おうとすると、店内から聞き覚えのある声がした

「お兄ちゃん!」

声の方に視線をやるとそこに制服を着た茶髪の青年が立っていた 龍平の弟だ

「お前...なんで来るんだよ〜」

龍平の弟がニコニコしながら龍平の方へ近づいてきて女の真横に立った

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「お兄ちゃんもうすぐ仕事終わると思って、来てみた笑 」

「来てみた笑 じゃねーよ!お客さんの邪魔するなよそこどけ。...お客様すみません..」

チンッ

じーっと弟の顔を凝視する女に温め終わったお弁当を渡しもう一度謝罪した

弟は女の顔をチラッと見るとまた口を開いた

「ごめん!邪魔したわ笑 仕事終わったら寄り道しないで帰ってきてね〜」

「うっせーわ早く帰れ!」

弟が立ち去るまで女は弟の顔を見ていた

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弟が居なくなったら女も帰っていった

「ありがとうございましたー」

また明日もあのお客来るのかな...

項垂れる龍平を同僚がニヤニヤしながら見ていた事を龍平は知らない...

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次の日もまた次の日も女はやってきた

毎回同じお弁当をレジに持ってきては龍平の顔をじーっと見つめる

龍平もだんだん慣れてきて女の視線が気にならないようになった

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コンビニのアルバイトを始めて二ヶ月が経った頃

龍平は突然レジで女に告白された

いつも龍平のレジにやってきてお弁当温めを告げ顔をじーっと見つめるあの女だ

「...あのぉ....好きです....結婚して下さい」

「えっ....と....」

龍平は驚き慌てふためいた

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「結婚して下さい....」

「...すみません。大切な人が居るので......」

大切な人なんて居なかった...

「...彼女...居るんですか...好きな女性が...いるんですか」

「彼女いませんけど...えっと....」

彼女も居なかった....

「じゃあ、大切な人って誰ですか?誰なんですか?」

こういう時に限って同僚がおらず、他に客が居なかった どうしようと考えているとタイミング良く客が店に入って来た

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「お兄ちゃんー漫画の新刊出たー?」

弟がニヤニヤしながら店に入って来た

いつもならすぐに追い返すが今日は弟が天使に見え、龍平はすがるような眼差しで弟を見た

女は尚龍平の顔を凝視しながら問いかける

「大切な人って...誰なんですか」

「えっと....こいつです!これ!大事なんですよ〜すみません〜あっははは」

龍平は弟を指差し女に告げた 女は弟を凄い形相で睨んでいた

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「え?...何の話?」

「....そうですか.....分かりました...」

そう言うと女は温め済みのお弁当を持って出て行った

適当に弟を指差した事を龍平は後々後悔することになる....

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告白された日以来女は来なくなった

これでもう終わったと思い安心していた...

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とある日の夜

「お兄ちゃん!!ねぇ、これみてみて!」

弟が店へ足早に入って来た 手には紙袋が握られている

「なんだそれ?誰かから貰ったのか?」

「そう....誰から貰ったと思う?」

不気味な笑みをうかべながら龍平に問いかける

「学校で貰った?それとも彼女か?」

「ちがうよーお兄ちゃんに告白したあの女から!なんか不気味だよね〜笑」

弟はヘラヘラ笑っていたが、龍平は不安だった これは危ない感じがした

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弟が言うにこの紙袋は龍平のいるコンビニに向かう途中で渡された物で、貴方へのプレゼントだから絶対に貴方が開けて下さいと言ったらしい

龍平はその紙袋を弟から奪い店の外へ出た

「ちょっ!お兄ちゃん!」

「何入ってるかわからないだろ...外で開けよう...」

紙袋の中身は大きめの箱だった 包装紙を破き箱を見る 箱の上にドアノブのようなとってがついている

龍平はそのとってを上に引き上げた

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バァァァァァァーーーー

目の前の視界が真っ暗になり龍平の顔に思いっきり何かが当たった

「うっわぁぁあ!!」

後ろで弟が叫び声をあげるのが聞こえる

反射的に瞑った目を開け目の前を見ると

龍平の周りや箱の中に無数のゴキブリが入っていた...

顔や服につかなかった事が救いだった

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「......」

無言でもう一度と箱の中を見ると、白いメッセージカードを見つけた

『お前には渡さない』と殴り書きがしてあった

弟と自分の身の危険を感じコンビニのアルバイトを辞める事にした

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龍平が辞めた後も女は店に来て、龍平がどこに行ったのか同僚に聞いているようだ

あのコンビニには今も近寄らないようにしている

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おしまい

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イトウさん
怖い コメントありがとうございます!うれしいです。

怖いとは少し違う怖さが楽しめました。