長編19
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屋根裏に潜む者

これは私の友人が体験した恐怖体験です。

一部私も一緒に体験しています。

・・・・・・・・・・・・・・

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あれは確か11月下旬、雪がチラチラと降り始めた頃だったと思います…

その日は土曜日で仕事は休み。私は朝から自宅の駐車場で車のタイヤ交換をしていました。

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すると突然後ろから、「今頃タイヤ交換か?」と声をかけられたのです…

振り返って見てみると、そこには友人の哲二が立っていました。

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「おはよ、本当はもっと早く交換したかったんだけど、面倒くさくてさ……

それより朝からどこ行くんだ?」

「コンビニにコーヒー買いに行くんだよ」

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哲二は私が若い頃、水産加工場で一緒にアルバイトした時に知り合った友人で、家も近く、私の家から歩いて二分位の距離にあるアパートに彼女と二人で住んでいました。

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「なぁ……タイヤ交換終わったらなんか用事あるか?

もし暇なら久しぶりに俺家に遊びにこいよ。飯くらい奢ってやるから」

「……じゃあ後でおじゃまするかな」

「おう、待ってるよ」

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その日私はタイヤ交換を終えれば別にやる事もなかったし暇なので、彼のアパートに遊びに行く事にしたのです。

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彼のアパートは私が見つけたものでした。

彼が彼女と同棲する為、安いアパートを探してる時に、たまたま私が入居者募集の張り紙を見つけ彼に伝えると、あっという間にそのアパートに決めて契約してしまったのです。

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哲二の話によると、そのアパートは管理会社が、入っていないらしく大屋さんと直接契約、敷金礼金等もかからず、部屋の広さも二人で住むには十分なうえに築年数もまだそんなに経っていなかったらしいのです。

しかも家賃もそんなに高くないという好条件のアパートだったみたいで、すぐにそのアパートに決めてしまったみたいでした

◇◇◇◇

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私はタイヤ交換を終わらすと、コンビニに行き、適当につまみ等を買ってから彼のアパートに向かいました。

彼の部屋はアパートの二階の一番左側…

玄関の前までくると呼び鈴を鳴らしそのまま玄関に入って行きました。

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すると玄関に入った途端、不思議な物を見つけたのです。

玄関の隅にこんもりと盛り塩がしてありました…

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「おう、いらっしゃい、とりあえず上がれよ」

「なぁ……この盛り塩はなんの意味なんだ?」

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「やっぱり見られたか……実は今回来てもらったのはその盛り塩が関係あるんだよね……」

「ハッ?関係あるって何?

もしかしてこの部屋曰く付きだったとか?」

「多分違うと思うんだけど、ちょっと確かめたい事があってさ……

それで呼んだんだよ」

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「どういう事?」

「とりあえず上がれよ」

そのまま居間に通されると部屋の四隅に塩が盛ってあって……

天井や壁等には御札が貼ってありました。

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「ごめんなさいね、突然呼んだりして、不気味な部屋でしょ?」

声のする方を見てみると、哲二の彼女の沙織ちゃんがキッチンから顔を出し、申し訳なさそうに話かけてきました。

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「何があったんだよ?」

「それが俺達にも解らなくてさ。

俺達もちょっと精神的にやられてきたんだよね、とりあえず今は何も聞かないで、ちょっと確かめる為に夜まで一緒にいてくれないか?」

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「なんだよ……聞いちゃまずいの?……

そして確かめるって何を確かめるんだよ?」

「いや、言ってしまったら先入観とか出てくるかもしれないからさ、今は何も聞かないで、あまり周りも気にしないで、くつろいでてほしいんだ」

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「こんな盛り塩や御札が貼ってある部屋で、何の先入観ももたずに、何も気にしないでいることは難しいと思うけど……」

その時は哲二の言ってる意味が解りませんでしたが、とりあえず言われた通り、あまり気にしないで夜までいる事にしたのです。

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このアパートには引っ越しの手伝いをした時いらい来ていませんでした。

意外と近場に住んでる人の家って行かないもので、哲二と会うのはお互いの家じゃなくて、近場の居酒屋等が多かったような気がします。

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そして言われた通り、私は普通に三人で話をしたり、飯を食ったり、笑いながらゲームをやったりして過ごしていました。

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何時間位経った頃でしょうか……

突然どこからか『ドン、ドン、ドン』という何かを叩く音が聞こえてきたのです……

よく聞くと隣からでした……

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「ありゃ……ちょっと五月蝿かったかな?

隣の人が壁叩いてるみたいだぞ……」

「やっぱりお前も聞こえるか?

空耳じゃないよな?」

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「どういう事?普通に聞こえるし……

隣の人怒って壁とか叩いてるんじゃないの?」

「そうじゃないんだよ……隣は今空き部屋なんだ……」

「え……マジで?…じゃあ下の階の人の音とか?」

「真下の部屋も今空いてるんだ…」

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すると今度は突然天井から、『ギシ、ギシ、』と人が歩いてるような足音が聞こえてきました……

「随分ここのアパート壁とか天井って薄いんだな……上の階の足音が聞こえるなんて……」

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「それも違う……このアパートは二階建てだし、ここは二階だよ」

「え?そうだったよな……どういう事なんだ?……」

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「俺も解らないんだ、上には人がいないはずなのに、毎日こうやって誰かの足音が聞こえてくるんだよ……」

「……もしかして盛り塩とかしてあるのってこれのため?」

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哲二はコクリとうなずくと、少しずつ今までの経緯を話始めました。

そしてそれはとても理解できない話で、怖いというより気持ちの悪い話だったのです……

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このアパートは一階に四部屋、二階に四部屋の全八部屋の二階建てのアパートです。

哲二の部屋は二階の一番左の端の部屋で、隣と二軒隣の部屋、あと真下の部屋が空いており、こんな物音が聞こえくるのは不自然でした。

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そしてこの物音等は最近になってから聞こえはじめ、しかも物音だけじゃなく、何者かが部屋に入ってきて彼等の部屋の物を盗んだり、物色してるようだと言ってきたのです。

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私はそれはただの空き巣とかじゃないのかな?と思ったのですが、彼等の話はちょっと普通ではありませんでした……

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哲二達はちょうど一年位前にこのアパートに引っ越してきました。

引っ越しの日は粉雪が舞い、朝から凄い寒かったのを覚えています。

私以外にも数人の友人達が集まり、手分けしてほとんどの物を業者に頼まないで自分達で運んできました。

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哲二達が引っ越してきた頃は隣しか空室になっておらず、その他の部屋は全て人が住んでる状態だったそうです。

哲二達は一応全ての部屋に挨拶に行ってどんな人が住んでるのか確認したようでした。

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最初の頃は平和で、別に何も問題はなかったそうです。

そうして新しいアパートにも慣れはじめた頃、二軒隣に住んでるお婆さんと挨拶等をしてるうちに仲良くなっていったそうです。

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そのお婆さんは一人暮らしのようで、会うたびに「困った事はないかい?、分からない事とかあったら何でも言ってきて」と言って何かと話かけてきたといいます。

良くいえば世話好き、悪くいえばお節介焼き、そんな感じのお婆さんだったようです。

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そうして二ヶ月位経った時、直ぐ隣の部屋にも夫婦なのか、カップルなのか分かりませんが二十歳前後の若い男女が引っ越しして来たそうなのです。

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その二人は何の仕事をしてるのか分かりませんでしたが、ほとんどアパートにはいなかったみたいで、たまに姿を見ても早朝か深夜に見かけるだけ、昼間は留守にしてる時が多く、ほとんど言葉も交わした事がなかったそうです。

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そしてその二人が住み始めて3ヶ月位経った頃、最初の不思議なことが起きました。

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哲二がいつものように、朝仕事に行こうとしてアパートの階段を下りていたら、前から二軒隣のお婆さんがやってきたそうです。

哲二はいつものように「おはようございます」と声をかけたそうですが、お婆さんは哲二を凄い目付きで睨むと無言で階段を駆け上がっていったそうです……

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(俺なんかしたかな?)と思いながらもあまり気にしないで哲二はそのまま仕事に向かったそうです……

それから三日位経った時。

またお婆さんに会ったので、頭を下げ「この前は何かあったのですか?」と声をかけたそうです。

するとお婆さんはまた凄い目付きで哲二を睨むと……

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「しらばっくれても分かってるんだよ、この盗人が……

次やったら警察に突き出すからね」

と凄い剣幕で捨て台詞を吐くかのように言って、自分の部屋に入って行ったそうです。

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哲二には何の事かサッパリ分からず、彼女に相談。

すると彼女も同じ事があったようで、そのお婆さんに会った時、突然……

「あんたらがそんな事する人達だと思わなかったわ」

と睨みながら言ってきた事があったそうです。

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二人共何の事だかサッパリ分からなかったのですが……

多分お婆さんがボケたか、何か勘違いしてるか、凄い被害妄想を持った人なのかもしれないという事で、あまり気にしないようにしたそうです。

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それからお婆さんに会っても無視したり、あまり関わらないようにしていたようでした……

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それから数日経った頃、突然哲二の部屋に警察官が訪ねてきたそうです。

哲二達は何だろうと思いながらも、とりあえず警察官を玄関の中に入れ「何でしょう?」と聞いたといいます。

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すると警察官は「変な事をお聞きいたしますが……

最近二軒隣のお婆さんに何か恨まれるような事をしませんでしたが?」

と言ってきたのです。

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哲二達は全く身に覚えがなかったので「別に何もやっていませんが」と言うと……

その警察官は信じられない事を言ってきたのです。

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それは二軒隣のお婆さんが最近になって、哲二達に家の中の物を盗まれたり、イタズラされたと言って警察に相談してきたという事でした。

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もちろん哲二達には身に覚え等全くなく、そんな事やってないし何の事だがサッパリ解らないと警官に言ったそうです。

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すると警察官も、実はそんな事は分かっているんだけど、もしかしたら哲二達がそのお婆さんになにかをして恨みを買われたんでないのか……

と思い心配になってやってきたという事でした。

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哲二達は「どうゆう事ですか?」と訪ねると、警察官の考えでは、もしかするとお婆さんは、被害妄想が強く、何かのキッカケで、哲二達が嫌がらせしてると勘違いしてるんじゃないのかなと思ったそうです。

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というのも、お婆さんの話もちょっと普通ではなかったみたいで……

例えば、哲二達がお婆さんの留守を見計らって、お婆さん宅に屋根裏をつたって侵入し、生活用品や食糧を盗んだり、衣類等を持ち出し、それを着たり穿いたりして、汚れたらそのままお婆さんのタンスに戻してると言ってきたそうでした。

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屋根裏をつたって隣の部屋等に行ける訳がないし、お婆さんの衣類をまだ若い二人が着るわけがない。

警察官はそう思って、お婆さんをなだめながら「勘違いじゃないのかい?」と言ったそうなんですが……

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お婆さんは「絶対あいつらがやったんだ、屋根裏を歩いてる足音も聞いてるし、屋根裏から男女の話声も聞いた」

と言って、全く聞く耳をもたなかったそうなんです。

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哲二達は、「それならうちらじゃなくて隣の若い男女の方が怪しいじゃないんですか?」

と言ったのですが……

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警察官は「隣の人は最近引っ越して、出て行ったみたいですよ……

そしてお婆さんの話では、その若い男女が出て行った後に被害にあってると言ってきたんですよね」

と言ってちょっと困った顔をしたそうです。

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哲二達は隣が引っ越して行った事に全く気がつきませんでした。

最近も隣の部屋から物音等を聞いていたため、住み続けてると思っていたのです。

そしてまさかお婆さんにそんな風に思われてるなんて思いもよらなかったそうです。

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警察官は一応大家さんの所にも行って話をしてきたそうで……

大家の話でも、やはり屋根裏をつたって隣には行けないつくりになっているし。

人が引っ越して出て行ったら、部屋の鍵はシリンダーごと交換してるので戸締まりをしっかりすれば、そんな簡単に部屋に侵入する事はありえないと言ってたみたいです。

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そして警察官は最後に「すいませんね、お婆さんがあまりにもあなた達を疑って、注意してきてくれと五月蝿いもんだから、こうやって来たんですよ。

なるべくご近所さんとは仲良くしてくださいね」

と言ってそのまま帰って行ったそうでした。

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哲二達には全く非がなかった訳で……

ハッキリ言っていい迷惑、なんか変な所に引っ越して来ちゃったかなと思ったそうです。

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それからもお婆さんと顔を合わせると、凄い目付きで睨んできたり、酷い時には『盗人』と書いた紙を玄関に貼られたそうでした。

流石に我慢できなくなった哲二達は、大家さんに相談したそうです。

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すると大家さんも、そのお婆さんには困ってるらしく、お婆さんが相談に来るたびに、何回も屋根裏からは人は入ってこれないと説明してるそうですが……

屋根裏から男女が入ってくる、屋根裏から話声が聞こえる、足音はいつも哲二達の部屋の方からやって来て、そして哲二達の部屋の方に帰って行くと言って、全く人の話を聞かなかったといいます。

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そしてあまりにもしつこく言ってくるので、一度お婆さんの部屋の屋根裏に大家さんが上がって確かめてみたようでした。

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するとやはり隣の屋根裏には繋がっておらず、しかも屋根裏ではまともに歩く事もできないくらい狭いつくりになっていて、どう考えても、屋根裏からは人は侵入等できるはずがないとお婆さんに言い聞かせたそうです。

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それでもなんとかしてくれと、お婆さんが五月蝿いので、これ以上ご近所さんに迷惑かけるなら部屋を出て行ってもらうと怒ったそうです。

すると流石のお婆さんも諦めて帰ったそうでした……

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ですが、まだ哲二達にそんな事をやってるとは思わなかったみたいで……

貼り紙の話をすると、大家さんはちょっとあきれ顔になり、とりあえずお婆さんの家族の人に相談してみます、それでも問題起こすようなら他に方法を考えますと言って、対応してくれたそうです。

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それを聞いて安心した哲二はそのまま家に帰ったそうです。

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それからお婆さんからは変な事を言われたり貼り紙等もしなくなってきたらしいです。

そしてその頃から、お婆さんの姿もあまり見かけなくなっていったといいます。

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安心はできたのですが一つ気になる事もあったようでした……

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それは隣の部屋、空き部屋になってるはずなのですが、たまに物音がしたり、男女の話声が聞こえてきたそうです。

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多分音が反響して、どっかの話声が隣から聞こえてくるように感じるんだろうと思ってたそうですが……

あまりにも隣からリアルに聞こえてくるので不思議には思ってたそうです。

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そしてしばらくは平和な日々が続いたみたいでした。

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そんなある日、哲二達の部屋に一組の夫婦が訪ねて来たのです。

その夫婦はお婆さんの娘夫婦だったみたいで…

母が迷惑をかけたと言って菓子折りを持って謝りにきたそうです。

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哲二達も遠慮せずにそれを受け取り、お婆さんは大丈夫ですか?と様子を訪ねたといいます……

すると娘さんは…「私達が母の部屋を訊ねた時母はおかしくなっていました。

言ってる事もおかしな事ばかりで…

それで心配になって一度病院に連れて行ったんです。

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そして色々検査した結果、母は統合失調症と診断されました。

それで幻覚や幻聴等の症状が表れ、被害妄想にとらわれていたようです。

本当申し訳ありませんでした。

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今は心配なので私達と一緒に暮らしています。

こっちの部屋も近いうちに片付けて引き払おうと思っています。

本当にご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」

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と言って何度も謝り帰って行ったそうです。

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哲二達もこれで何も心配なく暮らせるようになったなと思ったのですが……

これが恐怖のはじまりでした。

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しばらくは何もなかったのですが……

ある日大量に買っておいたカップラーメンが全部なくなってる事に気が付きました。

一個位なら食べてしまった事を忘れるというのはあるかもしれませんが、普通に10個以上はあったそうです。

部屋中探したそうですが、結局見つからなかったようでした。

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そしてそれからもおかしな事が続いたそうです。

食糧がなくなるのはしょっちゅうで、他にも衣類がなくなったり、部屋の物が知らないうちに壊されてたり、酷い時には部屋中が泥だらけになってた事もあったそうです。

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もちろん出掛ける時には窓や玄関はしっかり施錠してたし、誰かが入ってくるって事は考えられなかったそうです。

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そしてそんな日が続くようになってから、更におかしな事が起こったそうです。

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頻繁に屋根裏を誰かが歩いてる音や、何を言ってるかハッキリは聞こえないのですが、ボソボソと男女の話声等が聞こえるようになってきたらしいのです。

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はじめは屋根裏に誰か侵入したのかなと思って、押し入れから天井板を外し、屋根裏に上がって屋根裏を確認したそうですが、人影は全くなく、しかも普通に人が立って歩けるような場所ではなかったそうです。

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もちろん隣の部屋の屋根裏にも全く行く事はできなくなっていて、足音や話声の正体は解らなかったそうです。

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その後も頻繁に話声や足音、部屋の中を物色されたりしたそうですが、どうする事も出来なくストレスだけが溜まっていく一方だったそうです。

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そんな日々が続き、流石に気持ち悪く我慢できなくなって大家さんに相談したのですが……

「あんた達もお婆さんみたいな事を言うのかい?」

と言ってほとんど何もしてくれなかったそうです。

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そして足音や話声をよく聞いてみると、それは隣の部屋から屋根裏をつたってやって来るのがわかったそうでした。

来るのはわかったのですが、問題はどうやってやって来るのかでした。

屋根裏は普通の人間では通れません。

という事は人間ではないのではないかと考えたそうです。

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そこで哲二は自分の親に相談したそうでした。

するとあるお寺を紹介されたそうです。

藁にもすがる思いでそのお寺に行き、相談してみたところ、そこの住職さんが一度部屋の様子を見に来てくれることになったのです。

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そして部屋にきた住職さんが、お経をあげて御札を天井や壁に貼り、「部屋の四隅と玄関に盛り塩をしなさい」と言って帰って行ったそうです。

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そして言われた通りやったのですが、相変わらず被害はおさまらず……

どんどん精神的に追い詰められていったそうです。

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もしかすると自分達もお婆さんみたいに病気になってしまったのではないかと悩むようになってしまい、一度病院で診てもらおうとまで思い詰めたそうです……

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ですがその前に一度本当に病気かどうか確かめようと思い、それで私を部屋に連れてきたというのです。

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「なるほど、それで何も知らない俺に、その足音とか聞こえるかどうか確かめてほしかったという訳か?」

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「そういう事だ」

「じゃあ俺じゃなくてもいいぢゃん」

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「うん、誰でもよかったんだ。

朝コーヒー買いに行ったらたまたまお前がいたからさ、それで頼んでみたんだよ」

「頼んでないぢゃん、飯で釣って連れてきただけだろ」

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「細かい事は気にしないでくれ、それより今日泊まっていかないか?」

「話がいきなりで意味が分からないんだけど……

何でこんなお化け屋敷みたいな所に泊めようとしているのですか?」

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「頼むよ、夜中が一番凄いんだ」

「……余計嫌なんですけど……」

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それから何故か泊まる事になってしまい、夜中まで寝ないでずっと三人で話をしたり、テレビを見たりしました。

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そして夜12時を過ぎた頃、屋根裏からまた『ギシ、ギシ』と足音のような物音が聞こえ始めたのです。

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そして更に何を言ってるか分かりませんが屋根裏の方からボソボソと男女の話声が聞こえてきました。

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「ヤバイ……本当に聞こえる……」

「やっぱり聞こえるよな……」

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そしてしばらくすると、また『ギシ、ギシ』と聞こえ始め隣の部屋の方に足音は消えていきました。

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「なぁ、これなんなんだ?」

「分からない……分からないけど何者かが屋根裏に潜んでるみたいなんだよ」

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「でも人間じゃないよな……」

「多分そうだな……」

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「多分お婆さんもこれに悩んでたんじゃないのか?」

「多分そうだな、もしかするとお婆さんは統合失調症じゃなかったのかもしれないなぁ……」

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「哲二達はこれからどうするんだ?」

「お前のお蔭で自分達が病気じゃないって事が分かったからな、新しい部屋でも探して引っ越しでもするよ」

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「なんか変な部屋見つけちまったな、ごめんな……」

「お前は悪くないよ、この部屋に決めたのは俺達なんだから……」

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それから茶の間に布団を敷いてもらって私は寝る事にしたのです。

哲二達も寝室に行って寝てしまいました。

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私は気持ち悪くて寝れないかなと思ったのですが……

不思議と簡単に眠ってしまったようでした。

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何時間位寝ていたのでしょうか……

私は何かの物音で目がさめました……

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ふと窓の方を見ると、カーテンの隙間から日の光が入っています。

11月下旬頃でしたから、朝6時を過ぎてるのが外の明るさで分かりました。

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物音の方に意識を集中すると、どうやらキッチンの方から音は聞こえてきました。

朝からガッチャン、ガッチャン音をたてて誰かが何かをやっているようでした。

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五月蝿いなぁと思いながらも、沙織ちゃんが朝飯でも作ってくれてんのかな?と思って、起き上がりキッチンの方に歩いて行きました。

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するとキッチンに近づいた途端、音がピタッとやんだのです。

キッチンを覗くとそこには人影がなく、置いてある物等がグッチャグチャに荒らされていました。

私はビックリして、急いで哲二達を起こしに行ったのです。

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寝室のドアを何回も叩いて声をかけました。

すると直ぐに二人は起きてきて、キッチンの荒らされようを見ると、固まってしまいました。

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キッチンの中は凄い状況で、天ぷら粉や片栗粉、何粉だか分からない物が撒き散らしてあって、食器等も散乱しており、その状況を見た沙織ちゃんはその場にペタンと座り込むと、「もう嫌」と言って泣き出す始末。

哲二もプルプルと体を震わせていました。

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私は何て声をかけていいのか判らず、とりあえずキッチンを片付けていきました……

すると哲二達も一緒に片付けはじめ、これからどうするか話し合いをしたのです。

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いつも足音は隣の部屋の屋根裏からやってきて隣に戻って行きます。

それで一度大家さんに言って隣の部屋を見せてもらう事にしました。

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そして時間を見計らって大家さんに電話をかけたのです。

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すると大家さんは午前中は用事があるので、昼からにしてくれと言って、昼から一緒に部屋を見てくれることになりました。

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本当は私も行きたかったのですが…

その日は昼から嫁と買い物に行く予定があったので、哲二に部屋を見に行ったら様子とか後で教えてくれと言って、私は自分の家に帰って行ったのです。

◇◇◇◇

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そしてその日の夕方哲二が私の家を訪ねてきました。

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「いらっしゃい、隣の部屋どうだった?」

「あそこはヤバイよ……直ぐに部屋を見つけて引っ越しする事にしたわ……」

「どうやばかったんだよ?」

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哲二はソファに腰を下ろすと少しずつ話始めました……

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「昼過ぎに大家さんが来てくれてさ、二人で隣の部屋の鍵を開けて入って行ったんだよ」

「それで?」

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「うちらが茶の間に入った途端、屋根裏から『ギシ、ギシ』って歩く音がしてさ……」

「屋根裏に何かいたのか?」

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「大家さんはその音にビックリしてたみたいだけど、とりあえず部屋の中を見てまわった。

そしたら部屋の中は別に何もなかったよ」

「それで?」

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「それで音のした屋根裏を見る事にしたんだ…

押し入れに上がって天井板をずらして懐中電灯を持って屋根裏に上がってみた」

「なんかあったのか?」

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「屋根裏の一ヶ所に何かこんもりと何かがまとまって置いてあるのが見えたんだ。

それで普通に歩ける場所じゃなかったから、四つん這いになって柱をつたって近づいて行ったんだ…」

「んでなんだったんだ?」

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「それは俺や沙織、あと多分お婆さんとかあと誰のだか分からんけど、衣類とか布団とか、あとダンボールやチラシ等で、巣のようなものが作ってあった」

「巣?」

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「そう、柱等をうまく利用して一ヶ所に山積みにされた衣類や布団、ダンボール等でそれなりの大きさの何かの巣がうまく作られてあった。

そしてそのまま食ったカップラーメンや無くなったお菓子、あと何だかわからん物までその中にグチャグチャになって置いてあった……」

「動物か何かいたのかな?」

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「俺も最初はそう思ったんだけど、でも動物がいるなら動物の糞とか毛とかあると思って探したんだよ、でも出てくるのは食糧の食い散らかしたあとだけだった」

「じゃあなんだろな?」

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「分からん、分からんけど屋根裏から聞こえる足音や話声は動物のものじゃないし、動物なら一度くらいその姿を見ててもおかしくないだろ……」

「確かに……」

「しかもお婆さんは盗まれた衣類を汚されてタンスに戻されてたんだぞ……」

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「動物の仕業ではないよな……」

「多分あれは人の想像を超える存在なのかもな」

「もしかして妖怪とかか?」

「解らん……」

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そして哲二は大家さんに、その巣のような物を見てもらったらしいです……

すると大家さんは「どうなってるんだ?何だこれは……

ありえないし信じられない、こんな事は初めてだ」

と言ってちょっとパニック状態になっていたそうです。

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そして哲二は大家さんに「この部屋どうするの?」と聞いてみたところ、とりあえず屋根裏を掃除して、お祓いをしてもらうと言ってたそうです。

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しかし哲二は、多分お祓いとか無駄だと思ったみたいで、直ぐに引っ越しする事を決めたそうです。

それから一週間位で哲二は引っ越し先を決め、引っ越しをしました。

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哲二の話では、引っ越しする二日前に隣の部屋はお祓いしたらしいのですが…

多分効果は無かったのでしょう。

引っ越しした日にも屋根裏から男女の話声は聞こえてました。

引っ越しの手伝いに行ってる私が聞いたのですから、間違いないと思います。

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結局あれは何だったのかは分かりません。

哲二はあの隣の部屋に越してきた若い男女が何か関係あるんじゃないのかな?と言っていました……

それか、もしかしたらあの男女も被害者だったのかもしれないとも……

もし被害者ならあの屋根裏の者達はいつからあそこにいたのでしょう……

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わずか二三ヶ月で引っ越して行った若い男女、引っ越しした後にお婆さんがおかしくなっています……

関係あるかどうか分からないですがちょっと不気味に感じると言っていました。

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あと関係ないとは思いますが、哲二の部屋の真下の住人もいつの間にか引っ越ししていなくなっていたそうです。

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ちなみに今でもそのアパートはあります……

今でも屋根裏に巣のようなものを作り、潜んでいるのでしょうか?

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私が知ってる中で、結構不気味で気持ち悪い話だったので書いてみました。

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時雨さん。 怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉かったです。

りこさん。 怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉かったです。

ぽかぶぅさん。 怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉かったです。

10ミリ坊主さん 怖いをつけてくださり、本当にありがとうございます。
嬉かったです。


怖いのお礼が遅れてしまってごめんなさい。
最近、忙しいのと体調不良のため、なかなか返事ができませんでした。

xxnobuxxさん、怖い&コメントをいただき本当にありがとうございます。

不気味な話ですよね…
本当は音がしてる時に屋根裏を見たかったらしいのですが、怖くて上がれなかったらしいです…

でも音がしてる時に見ても、何も見れなかったかもしれませんね…
キッチンが音してる直後に私が見ても、人影も何もなかったのですから…

結局正体はわからなかったし、何が原因かもわかりませんでした…
ただ不気味な体験というだけでしたね。

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ネタバレ注意

深雪さん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

まるまる丸さん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

なぁさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

りゅ~ちゃん♪さん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

むっぽさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

meeee64さん、怖い&コメントをいただき本当にありがとうございます。

今回の現象をネット等でいろいろ調べてみましたが、結局正体は分かりませんでした。
今でも謎ですね。

アパートは今でも私の家から約2分のところにありますよ。
人が住んでるかどうかはわかりませんけどね……
気味悪くて、怖いですよね……

怖いというより気味が悪いお話ですね、、

結局正体は分からずじまいなんでしょうか?気になってうずうずします

立村俊明さん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。


おにくさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

Justin Magnoさん、怖い&コメントをいただき本当にありがとうございます。
想像するだけで怖いですよね。
私も巣の話をされた時は、あまりの気持ち悪さに鳥肌がたちっぱなしでした……
こんな得体の知れない者がいる状況での生活は、本当に精神的にやられて病気になるかもしれませんね。

これ見て想像したら、完全に目が覚めた。怖い。なんか病気になりそう。

くぬるぷさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。


絶望さん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

ハイキーさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。


チェリールゥさん、怖い&コメントをいただき本当にありがとうございます。

汚れた物が知らないうちタンスに戻されていたら、意味わからないし、本当に気持ち悪いですよね。

確かに家の中が荒らされていたら、言い様のない恐怖がありますね……
しかも正体がわからなければなおさらです。
哲二達もよくこの中で暮らしてたなって思いますよ。

赤ちゃんがいたらどうなってたのでしょうか?
想像したらゾッとしますね……

世の中にはまだまだ常識では理解できない事があるって事が今回の件で思い知らされましたよ。

汚した下着をタンスに戻すとか、意味わかんないですね!
荒らされるのってほんと恐いです
やることが雑で大胆、
赤ちゃんとか居なくてよかった

クレオパトラさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。


ペウタンケさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。


田中たかおさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

ゆりあさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。

ちゃあちゃんさん、怖いをつけてくださり本当にありがとうございます。
嬉しかったです。