中編3
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『夜の公園で』 

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これは、今から数年前の出来事です。実話です。

ある日の夜の9時頃、犬の散歩で、何の気なしに、

いつもはあまり行かない、近所の公園に行った。

普段、夜は誰もいない公園なのだが、その日は珍しく誰かいるようだった。

気にせず、公園の中を横切って歩いた。

小学生くらいの男の子が、黒っぽい犬を連れて、公園の中に立っていたのだが、

私を見ながら

「俺達は、レイチョウノウ、レイチョウノウ。俺達は、レイチョウノウ、レイチョウノウ。」

と、繰り返し言っている。

何だ?ふざけてるのか?

と思いながら、スルーして歩いた。

その男の子から少し離れた場所に、50歳位の女性と、中学生位の女の子が立っていた。

2人とも、なぜか私をじーっと見ている。

私は女だし、かわいい犬も連れている。決して怪しい人には見えないはずなんだけど。

特に気にせず通り過ぎようと、近づいた時、会話が聞こえた。

「私、ずっと病気で、病院にいたの。病気だったの。だから、学校にも行けなかったの。」

「あらそう、可愛そうねぇ。」

何故か、ものすごく視線を感じたので、何だろう、知ってる人?と思って、見た。

女の子は、私を直視しながら話している。

2人とも知らない人だったけど、すごく違和感というか、不自然さを感じた。

季節は9月の初頃で、まだ暑く、私はTシャツ姿なのに対し、その女の子は、長袖のジャンバーを着て、頭にフードを被り、首にマフラーをぐるぐる巻いて、ずいぶん厚着していた。

そして、頭に被ったフードの中の顔が・・・黒なのだ。

肌が黒いのではない。

物体が無い様な、真っ黒な闇の様に見えた。

その黒い闇の中、目だけがギラギラ光ってこちらを見ている。

思わず二度見した・・・やっぱりおかしい。

銀河鉄道999の車掌さんを連想した。

もう1人の女性も、頭にフードを被って、長袖だった。

顔は、普通の人の様に見えたのだが、顔色がやたら青白く見えた。

2人とも、やたらギラギラした目で、私をジーッと見ながら話している。

「私、ずっと病気だったの・・・だから・・・だから・・・」

・・・私に向かって言っているように思えたのだが、

妙な違和感を感じていたので、足早に犬と一緒にスルーして歩いた。

公園を出て歩きながら、さっきのは一体何だったのだろうと考えた。

フードの中の黒い闇の顔・・・。

あれは人間じゃない。人間じゃなかった。

しかも、この近くに病院は無い。

後から胸がドキドキしてきた。

男の子が言っていた「レイチョウノウ」=「霊超能」?って何よ。

あの3人は幽霊だったのか???

あの黒っぽい犬も?

そして私は、確かな根拠は無いのだが、子供の頃の霊体験 『愚痴る男の子』を思い出した。

もしかして・・・あの時の男の子と、男の子が言っていた、病院の女の子なのではないだろうか?と。

だとしたら、何故今現れたのだろう?

未だに成仏していなかったのか?それとも浮遊霊で、時空を移動して来たのだろうか?

とても奇妙な体験でした。

あれからその公園には、あまり近づかないようにしている。

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