中編3
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モザイクお兄さん

私の父の父、オちちは寺の住職さんでした

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既に他界してますが、武勇伝があるようで

妖怪(餓鬼だと聞いた)退治もしてたそうです

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っていっても、死人に口無し・・・嘘か真か・・・微妙

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しかし祖父が写る写真全てに、変な色の紐や柄や顔やら・・・

もう何でも写ってるので

母が写真を気味悪がり、封印(箪笥の奥にしまう)してしまい

もう見せてはくれません

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そういった事を踏まえると、やはりオちち祖父には何らかの

力があったのだと、仄かに思ったりするわけです

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条件的に霊体験をせんばかりの私ですが

まあーーーーーーったくなんもありません

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霊?と思うのはあるのですが、私が見るものは

真っ黒い人型なのです

目も口も鼻も髪の毛も、なんもありゃおへん

ただの漆黒の人の型なので、私は『これがっっ!!!・・・ん?・・霊?』と

非常に曖昧なのです

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それに比べて長女は、けっこうハッキリ見てるようです

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昔から襖やドアをキチンと閉めない私です

なんでか、ピシャッと閉めることが苦手なのです

トイレのドアも他の部屋に通じる襖も、10数cm開いています

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長女が小学生低学年の時でした

耳掻きをして欲しいと、正座した私の股に長女が頭を置いた瞬間

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『うぎょおおおおぉぉぉぉおお!!!!』

と、長女が叫びました

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え!?まだ耳に刺してないよ!?

と私は何をしてしまったのだろう?!と焦っていました

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すかさず長女が

『いやああ!!!!!!襖の間ーーー!!!!!!』

と言うので、ムム!!ブリ夫(ゴキブリ)なのか?!と

スパーーーーーッッッン!!!!!!!!!と襖を開けるも

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シンとした薄暗い玄関しか見えません・・・

え、え、えぇどうしたん??ブリ夫じゃないの??と戸惑いつつ聞くと

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『ママの太股に頭置こうとしたら、襖の隙間の玄関見えてっっ!

そしたら玄関にお兄さんが来ててっっ!』

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実際我が家には、私の弟がよく来てたので最初はソイツだと思ったらしい

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『そのお兄さん、よく見たらお兄さんじゃなくてっっ銀色!!

顔がっ!!顔がブロックだった!!!!!!』

・・・・・・・・・・・・・・

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はいー?

とりあえず、深呼吸させてゆっくり喋って貰った

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襖の隙間から見える玄関に、背格好が弟に似たお兄さんが立っていた

こっちへススーと寄って来て、見えた顔が

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銀色のブロックで出来たような顔だった

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目も鼻も口もあるけど、とにかくレゴブロックで出来た感じの顔

・・・・らしい

更に色は銀色・・・・

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なにそれちょお怖いじゃん!!!!!なんてもん見てるんだよ!!!!!!!

そいつどこ行った?!

半ば興奮気味の私、見えなくて良かった!!と本気で思っていた

あっち・・・と長女が指を指した方向はベランダだった

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数年後の長女に、その事を聞くと

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『ああ~~~あれ、あれ怖かったなあー

その時はレゴっぽいって思ってたけど、今思い返せば・・

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モザイクのちっさい四角あるじゃん?それが集まって顔になってる感じ?

皮膚が銀色なんよ

あ、鼻が異様に高かったよ、ほんと鼻がめちゃ高いの』

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そら泣くわ

私は、そんなハッキリとした霊?を見たことが無いので

だからその怖さは想像の範囲、やはり見てみたい・・・かも

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と言う好奇心はある、いや見たくないかも、いや・・・

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ちなみに未だ襖やドアはちょっと開けっ放しである

でもモザイクお兄さんは、初心者にはキツいので勘弁

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