短編2
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ルームメイトの死

その日、女子大生のA子さんは友達の家でサークルのみんなとお酒を楽しんでいた。

夜も更け、そろそろお開きにしようかという雰囲気になり、部屋の持ち主を残し全員が解散となった。

部屋を出てしばらく歩くとA子さんは友達の部屋に自分の携帯電話を忘れていることに気が付いた。

A子さんは他のみんなに先に帰るように言うと、携帯を取りに友達の部屋に戻った。

部屋の電気は消えていたが、鍵をかけ忘れていたのか、ドアはあっさりと開いた。

「A子です、携帯忘れたから取りにきたんだけど~・・・」

入るときに声をかけたが、返事はなかった。真っ暗な部屋で友達はぐっすり眠っているようだ。

A子は起こしては悪いと思い電気をつけず、手探りで携帯を探し出すと

「ごめんね~。携帯あったから帰るね~」

とだけ眠り込んでいる友達に言い残し自宅へと帰った。

翌日、学校に行く途中に友達のアパートの前を通るとそこには沢山のパトカーが止まり、

進入禁止のロープが張られて警察官でごったがえしていた。

何事かと思いA子は警察官に事情を話すと、友達の部屋の中へと通された。

そこは血が飛び散り部屋は荒らされていた。

とくに友達が寝ていたであろうベッドはすさまじく、血の水溜りが出来ていた。

「被害者は寝ているところを変質者に襲われて殺されたのでしょう。」

警察官はそう説明した。

A子はもし携帯を取りに来た時間がずれていたら、

間違いなく自分も被害にあっていたかもしれないと思い凍りついた。

震えるA子に警官は

「ちょっとわからないものがあるのですが、これに何か心当たりはありませんか?」

と言って壁を指差した。

そこには友達の血で書いたと思われる赤い字で

wallpaper:743

でんきをつけなくてよかったな

と書かれていた。

そう、A子が携帯を取りに来たとき友達は既に変質者に殺されており、

しかも変質者はまだ部屋の中に潜んでいたのだった。

A子が携帯を探すため電気をつけていたら・・・・

Concrete
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