短編1
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目が覚める。

真っ暗な部屋の中、ベッドの上で壁を向いて寝ていた。

取り敢えず起き上がろうとした時、ベッドの側に真っ白な服を着た女が立っていることが分かった。

髪は長く、顔も見えない。そもそも壁を向いて寝転がっている状態なので、姿が見える筈はないのに、そこにいるのが分かる。

嫌な汗が流れ、体もまともに動かせない。早く消えてくれと願っているにも関わらず、女は腰を曲げて上から覗き込んできた。

長い髪が顔にかかり、心臓が早鐘を打つ。女は無言で俺を見下ろしているだけで、何をするわけでもない。

目を瞑り、叫びそうになるのを必死に堪えた。

耳元で、「あと少し。」女がそう呟いた瞬間、目が覚めた。

夢だったことを寝ぼけつつも理解し、心底安心する。携帯で時間を確認すると、丁度深夜2時だった。

風呂にでも入って汗を流そうと部屋から出ようとした時、窓の外に白い何かが見えた気がした。

今でも、視界の隅に。

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