短編2
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おじちゃん

去年の春の話です

知り合いのライブに呼ばれたので、前に住んでいた町にあるライブハウスまで遊びに行きました

ちょうど私が通っていた小学校の学区内に、そのライブハウスはあって

帰り道、懐かしいので遠回りをして帰る事にしました

途中、私が前に住んでいたアパートがあったのですが

そこで嫌な予感がしてきました

そのアパートから50メートルも離れてない場所に、お稲荷さんがあった事を思い出したのです

その、お稲荷さんは

アパートから小学校までの通学路の途中にあり

小さい頃よく悪戯をしました

そのせいか、私はよく幽霊を見る様になったのです

お稲荷さんに散々、悪戯をした罪悪感もあり

怖くてその道を通りたくなかったのですが

何故か私は、その道へ自転車を走らせていました

息を止めながら、お稲荷さんの前の道を走りました

心の中で何度も「ごめんなさい」と言いました

アパートと、お稲荷さんと、小学校は一本道にあり、あっという間に小学校へ着きました

その小学校にも学校の七不思議みたいな話は、いくつかありましたが、正直あんまり怖くなかった

小学校の隣には、公園があります

「ここまで来れば平気だろう」と安心して私は自転車を止めました

小さな頃、よく遊んだ公園なので懐かしかった

でももう夜の11時なので、誰もいません……

真っ暗な公園を眺めていました

公園から見える場所に、昔、ペットショップがありました

そこの店主だった、おじちゃんと私の父は飲み仲間でした

先月、おじちゃんが亡くなってしまった事を父から知らされたばかりです

「お葬式いけばよかったな」そう思いながら

ペットショップだったぉ店を見ると……

店の前の自動販売機から、ニュッと

胴体の長い真っ白になった、おじちゃんが身を乗り出して私を見ていたのです

おじちゃんは口を開けたままで、なんとも言えない顔をして、こっちを見ていました

それから一度も、その町には行っていません。

怖い話投稿:ホラーテラー A子さん  

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