短編2
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長袖の女の子

実話なので少しだけ変えてあるけど

小学校の時、転校してきた奴で、少し変わった奴がいた。

家はやや貧乏そうで、親父さんがいないみたいだった。

お袋さんは2,3回見たことがあるけど、優しそうな人で、

そんなに不幸そうではなくて普通に明るい奴だった。

でも、変わってるのはそいつがどんな真夏でも絶対に

長袖を着つづけていた事だった。寒がりって訳ではなかった。

夏休み前とか、長袖シャツに半ズボンで学校に来てたし。

あと、プールの授業にも絶対出なかった。

なにか体にコンプレックスがあるのかな?ってようやく気付いて

来た頃、クラスの悪ガキ達の間でそいつをよくからかう様になった。

その長袖シャツを剥ぎ取ろうと、みんなでからかったんだけど、

ある日、そいつが無性に怒り出して暴れて、そいつの指が俺の目に入った。

俺は涙がボロボロッと出てきて、他の奴らはそれに感化されてカンシャクを

起こして、数人で本気になってそいつの服を剥ぎ取った。

そうしたら、そいつの右腕にヘンな物が…

「うまれてきてくれてありがとう(ハートマーク)だいすきなわたしのあかちゃん○○くん(ハート)

 ままはとってもうれしいです(ハート)いいこにそだってね(ハート)○○ままより(ハート)」

と、すこし歪んだ「刺青」が施されていた。お袋さんの「お手製」だったのかな。

そいつは、その後しばらくしてまた転校してしまった。

それから一回も会ってないけど、今はどこにいるんだろう?今そいつも俺と同い年の25歳か…

Concrete
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