中編3
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梨の木洞

地元の近くに、クラクションを鳴らすと

手の形が付くと噂のトンネルがある。

そこへ肝試しに行った時のお話。

周りの友達と暴走族の真似事をしていた私達は

若気の至りで、肝試しをたくさんやっていた。

毎週金曜日までに友達たちは雰囲気が怖い場所を見つけては

バイクにまたがり連なって夜な夜な見つけた場所へ走る。

そんなことをして楽しんでいた数年前の夏。

どこかの心霊スポットのサイトで

住んでいるところから30分ほどで行けるトンネルが

紹介されているのを見つけた。

これは行くしかないと、いつものメンバーで

すぐに向かった。

私とAは少しだけ霊感なるものがあり、やばい時は

すぐに引くというルールを持っており

この時も、もちろんそのルールに従いトンネルへ赴いた。

夕方頃だった、山の中は太陽の光がもう届いておらず

薄暗くなってしまい雰囲気だけでも十分に怖かったが

特に嫌な感じ模せずAも同様な感じだった。

トンネルの長さは30mほどでコンクリートの無機質なものだった。

先にも書いたクラクションをみんなで鳴らそうと縦一列にバイクを停め

せーのでクラクションを鳴らした。

一斉に鳴り響くクラクション。

そして直ぐに襲い来る静寂。

そのとき、トンネルの中に風が吹いた。

途端にトンネルの中の空気が重くなりAはもちろん、ほかの子も感じたらしく

皆慌ててバイクにまたがりエンジンを掛けようとしている。

しかし、どうしたものかみんなかからない。

パニックになりながらも私はバイクを押しエンジンをかけ脱出し

トンネルの出口でUターンしトンネルの中を照らすと

一人二人とこちらへ向かってバイクを押して来ている様子が見えた。

その時、一人の友達のバイクの爆音がトンネル内に響き渡ったかと思うと

私の横を通り抜けそのまま走り去ってしまった。

Aが、これはあかんやつ!と叫びながら出てきたので

どうしたのか聞くと、飛び出してったやつが恐らく憑かれてると。

エンジンのかかってるお前が追いかけろと言われ

バイクにまたがった時、下の方でガシャンと聞こえた。

刺さった…咄嗟に嫌な予感がしてAをケツに乗せ

山を下り始めて4つ目のヘアピンカーブで

友達のバイクがガードレールに突き刺さっていた。

ガードレールの奥で友達がうめいており

抱きかかえたら、「やっちった」と。

何があったのか聞くと、トンネルの中で急に耳元で

逃がさない。と女の声がし焦って押しがけをして

逃げようとしたと。

でも、このカーブで女の子が飛び出してきて

轢いてしまったかもしれない。

そんなことを言っていた。

でも、周りを見ても人は疎か村がない。

とりあえずバイクの前輪がおしゃかになっていたので

上から降りてきた友達のケツに乗せその日は

みんな散り散りに帰った。

それからしばらく胸に何かがつっかえている気がしており

なんだろうと思っていた。

一週間程して、事故った友達から連絡が入った。

「オレのバイク、放置なん?」

あの日置き去りにしたバイクの存在を忘れていた。

取りに行かねば……

二つ年上の先輩にケートラを出してもらい

例のトンネルを抜けバイクをキャリアに載せ帰る道中。

先輩が、このトンネルの詳細を教えてくれた。

その昔、女の子がこのトンネルの中で酷いことをされたこと。

あと、大手ポットメーカーお偉方がバラバラにされ

このトンネルの近くに捨てられたこと。

なぜ気配がなかったのかわかりませんが

こんな体験を嫌と言うほどしておりますので

また、投稿いたします。

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