中編3
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ウタバコ・11

此れは、ウタバコ・10の続きだ。

ごめんなさい今回も台詞祭りです。

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・・・・・・・・・。

身体を這う赤い湿疹。

喉を焼かれる様な息苦しさ。

「此れは・・・・・・烏瓜さん!!」

「手負蛇だよ。」

兄が口元を歪め、僕を見ている。

「いやぁ、其処まで騒ぐ事も無いじゃないか。他の御客も・・・居るのかどうかは知らないけど、まぁ、例え居なくとも、マナーって奴が有るだろう?そんな大声を出すもんじゃないよ。」

「でも、此れ・・・・・・!」

「うん。話で出て来た斎藤君と、同じ物だろうね。手負蛇の障りだ。・・・大丈夫。そんな直ぐに面倒な事にはならないよ。」

何処か楽しんでいる様な口調。兄は一体何を考えているのだろう。

不安と共に怒りが沸き上がって来た。

「直ぐにって・・・・・・。其れって、何時かはなるって事ですか?」

「さぁどうだかね。其れこそ君次第だよ。」

「どう言う事ですか?!」

「私に脅かされた時より怯えてるね。やはり蛇は強いなぁ。」

「烏瓜さん!!」

思わず立ち上がると、兄は僕を見上げ、驚いた様に口を丸くした。

「君も・・・そんな顔をするのか。意外だね。」

「話を聞いてください!!」

「聞かずとも分かるよ。分かるなら聞く事は無い。・・・ほら、此れを。」

烏瓜さんが懐から紙包みを取り出した。

「え?」

「飲みなさい。障りを消す・・・かは、君次第だがね。」

余りに唐突だ。まるで、こうなる事を端から予想していた様なーーーーー

「ほら。」

手の中に包みを押し込まれる。

開くと、中身は白い粉。

一瞬、一瞬だけ、不安が過った。

「味も苦いとかじゃないから、安心したまえ。一応、其の玄米茶と飲む事をお勧めするがね。成分的にも平気だろう。何より、噎せてはいけない。」

「でも・・・・・・。」

烏瓜さんがニヤリと笑う。

「おや、私が信用出来ないかい。」

「御自分に信用が有ると・・・・・・?」

「傷付く事を言うね。やはり第一印象は覆せないのかな?」

「・・・・・・。分かりましたよ。飲みますよ。」

もはや、自棄だ。

口に茶を含み、包みの中身を一気に流し入れる。

余り味の分からない内に急いで飲み込む。

粉は甘く、匂いはしなかった。

喉がスッと楽になった気がした。

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・・・・・・・・・。

腕を見ると、湿疹が引いていた。

喉の痛みと息苦しさも消えた。

「・・・治った・・・・・・?」

「そりゃ治るさ。君は治ると思って飲んだんだろう?」

烏瓜さんが肩を竦める。

「じゃ、治ると思って無かったら・・・?」

「どうだかね。まぁ、もしそうだとして、どうにかして治していたさ。」

「あの薬は・・・・・・。」

僕の問いに、兄はニヤリと口の端を上げながら答えた。

「薄荷糖だよ。ミント風味の粉砂糖。」

「・・・・・・ええ?!」

驚きで空いた口が塞がらない僕を見て、烏瓜さんがカラカラと笑う。

「いやー、散々脅かしてしまったね。いやはや、中々に面白・・・いや、何でも無い。狐目以上の逸材だよ。君は。」

「・・・あの痕や喉の痛みも、烏瓜さんが?」

僕がつくづく呆れ果てながら言うと、烏瓜さんは笑いながらブンブンと首を横に振った。

「アレはちゃんと霊障。」

「じゃあ、どうして薄荷糖何かで・・・。」

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・・・・・・・・・。

「だから、君が治ると思っていたからさ。手負蛇の場合、其れで治るんだよ。」

兄はそう言って、さも当然と言う様に、もう一度大きくカラカラと笑った。

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mamiさんへ
コメントありがとう御座います。

今更ですが、返事を書かせて頂きます。

ついカッとなってしまって・・・。
ちゃんと信用してますよ。此の頃には、何だかもう色々と慣れていましたから(笑)

ええ。色々有りました。
宜しければ、此れからもお付き合いください。

まだ信用されていないなんて…(T-T)と、思いましたが、ちゃんと信じておられたのですね。
確かに…初対面の時はひどかったですもんね。懐かしいです。

これからも、色々ありそうな…ゾクゾクしながら読ませていただきます。

裂久夜さんへ
コメントありがとうございます。

本当ですね。いきなり木葉さんが出て来てる。
訂正致しました。
御指摘、誠に有り難う御座います。

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