短編2
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ウタバコ・14

此れは、ウタバコ・13の続きだ。

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・・・・・・・・・。

僕が斎藤の家でウタバコを見てから、五日が経過した日。詰まり、金曜日。

僕は薄塩からの連絡を受け、彼の家へと向かった。

「姉貴の説得、八割は行ったから後の二割手伝ってくれ。」

其の声からは、おおよそ生気と言う物が感じられず、安否を問うと、彼は

「肉体の崩壊のみが死に非ず・・・。」

とだけをボソリと呟いた。

此れは愈、薄塩の精神と命が危ないらしい。

僕は荷物を纏め、急いで家を飛び出したのだ。

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・・・・・・・・・。

「・・・其れは。」

「・・・・・・ああ。そうだよ。笑ってくれよ。」

玄関を開けると、薄塩が立っていた。

彼は、セーラー服を身に纏い、死んだ目をして僕の方を見ていた。

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・・・・・・・・・。

セーラー服。色は紺と白。胸元に大きなリボン付き。

スカートの丈が短いので、ある意味で女子より見えたら行けない汚物がチラリしそうで怖い。

足は黒いニーソックスで被われていた。

僕は其の痛々しさん直視出来ず、

「・・・似合ってるよ。」

「うるせえ。」

「・・・うん。ごめん。」

チョコレートムースだけで此処までさせてしまったのが、心苦しい。

僕は心の底から謝った。

「本当にごめん。」

僕が頭を下げると、薄塩は気不味そうに顔を背けた。

「謝るなよ・・・。気にしてないから。」

こんな辱しめを受けたのに・・・。僕だったら絶対堪えられないだろう。

其れなのに、薄塩は僕を気遣って・・・。

僕が感動している、薄塩が顔を上げ、ニヤリと笑った。

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ガシッ!

薄塩が腕を伸ばし、僕の手を掴む。

「只、お前にも少しばかり、恥ずかしい目に遭って貰うけどな・・・・・・。」

Concrete
コメント怖い
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ちゃあちゃんさんへ
コメントありがとうございます。

ええ。
群を抜いて恐ろしいですね。
他の奴等とは比べ物になりません。

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紫月花夜さんへ
コメントありがとうございます。

御乱心でした。不機嫌でもありました。
もう本当に厄介な人です・・・・・・!!

幽霊の方がずっと可愛気が有りますね。

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裂久夜さんへ
コメントありがとうございます。

簡潔に言えばコスプレさせられました。
無事と言えば無事なのですが、心の傷を負いました。

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紺野さんのお話の中で、1番怖いのは、やっぱりのり姉さまですよねぇ…(;^_^A

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ネタバレ注意
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主様は何をさせられるのか!?
別の意味で怖いです!

※無事な生還、良かったです

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