中編2
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赤鬼

music:1

いきなりだが私の職業は警察だ。

職業柄たくさんの死体と向き合うことになる。

その中でも特に記憶に残る話をすることにしよう。

その日はパトロールの為街に出ていた、そこに一本の無線が入った

話によると民家で遺体がまた見つかったらしい

不謹慎だが

「今度は首吊りかな。」

そんなことを考えてしまっていた

恥ずかしい話、たくさんの「死」と向き合って「生」の価値を忘れていたのかもしれない。

現場につくと先輩の刑事が寄ってきた。

「覚悟しろ、赤鬼だ。」

先輩は葬儀屋で昔バイトしたことがあり、腐乱死体を赤鬼と呼ぶのが特徴だ

私は腐乱死体を実際に見るのはあの時が初めてだった。

現場に近づくにつれて強くなる腐臭は私を緊張させた。

現場の玄関をくぐった時には吐き出している同僚もいた、それほどに強い腐臭だった

music:2

遺体が見つかった部屋に着いた瞬間私は思わず目を逸らしてしまった

部屋の箪笥に寄りかかる人間だったものの悲惨さに驚きを隠せなかった

白濁した眼球に口や鼻、性器から水のように湧き出る蛆、血液が皮下に上がってきているその姿はまさに「赤鬼」だった。

そんな姿に圧倒されながらも遺体を遺体安置室に運ぶ準備をしていた。

その時だ。 私が遺体に近づいたその瞬間

腐りきったその体が限界を迎えたのか私の足にもたれかかるような形になった

その拍子に遺体の頸椎が折れてしまった

遺体を壊してしまって先輩には怒られるし、ズボンは台無しだ。

だが、寄りかかっている遺体がこちらに倒れるなどあり得るだろうか?

今思えばそこからおかしかったのだろうか

そして遺体をなんとか遺体安置室に運び終わった

今日は散々だったなぁと思いながらも帰路についた

色々なことがあった

風呂に入る時間もなく明日の朝に入ろうと決め布団に入った

その夜、私は夢を見た

生きながら四肢が腐り、蛆に喰われる夢だ

それは妙にリアルな夢で私を夢から現実に戻すには十分だった

少し落ち着く為に風呂に入ろうと思った

music:3

だが少しおかしい

この嫌な記憶を思いださせるかすかな腐臭。

おそるおそる、浴槽に近づくと

いた。

白濁した眼球でこちらを見つめながら

「 ユ ル サ ナ イ 」

そこで私は気を失った。

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消える魔球さん、ありがとうございます!
次回はもう少し全体的に詳しく書いてみたいと思います!

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