短編2
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ズリズリさん・1

此は、僕が高校二年生の時の話だ。

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・・・・・・・・・。

春と言えば、暖かな風。舞い散る桜。そして、青く澄み渡った青空を想像する。少なくとも僕は。

春。

出会いと別れが交錯し、新たな恋や友情が芽生えるテンプレート的季節。

僕は此の季節が嫌いだ。

今まで楽しくやっていた仲間達からひっぺがされ、無理矢理に新たな人間関係を築くことを強要される。そして、ドジを踏んでしまうと、新生活に於ける人間関係の希望は、呆気無く瓦解してしまう。

何が春風だ。何が青空だ。

大体、人と人との出会いと言う物は、そんな風に画一化されてしまって良いのだろうか。

春だから別れる、春だから出会う、何だか単純で気恥ずかしくないのか。

少なくとも僕は・・・

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「コンちゃん?」

突っ伏していた机から顔を上げると、友人のピザポが此方を見ていた。

「次、移動だよ。」

呼び掛けに反応して時間割を見ると、国語だと思っていた場所に、生物と、書かれてる。

不思議そうな顔をしていたのだろう。ピザポは察した様な表情で言った。

「二年になったんだから、時間割だって変わるよ。」

腰に手を当て、呆れ顔で溜め息を吐く。

そう言えば、そうだ。もう二年生になったのだ。

そんな僕を少し見てから、ピザポが感慨深げに呟いた。

「二年かぁ・・・。コンちゃん達と知り合って、まだ一年なんだね。」

「・・・あ?・・・・そうか。まだ一年か。一年、一年・・・ん?」

「何?」

出会ってから一年。詰まり、こいつと出会ったのは去年の今頃。今頃。四月。

即ち、春。

「・・・・・・どうしたのコンちゃん。なんでそんな顔してんの?」

ピザポは・・・春に出会った友人は、訝し気な顔で、此方を見ていた。

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