短編2
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ズリズリさん・5

・・・・・・・・・。

雨の中を全力疾走するのは、晴れた日の其れとは比べ物にならない位、疲れる物だ。

しかも、其の日の僕はスニーカーではなく革靴を履いていた。少しでも気を抜くと、靴底が濡れた道路の上を滑りそうになる。

後ろを振り向くと、あの白い服の女性が、頭陀袋を引き摺りながら僕を追い掛けて来ていた。

・・・やはり、普通の人では無かったらしい。

ズリ、ズリ、ズリ、

袋が地面の上を這いずる。摩り切れてしまいそうな勢いだ。

あの袋に入れられるのは・・・絶対に御免だな。

僕は心の中でそう呟き、また一歩、足を踏み出し地面を蹴った。

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・・・・・・・・・。

雨が体温を奪う。荷物が重い。濡れた所為でベタベタと張り付いた下着が、気持ち悪い。

走れども走れども、一向に距離が埋まらない。

僕が遅いのではない。女性が異常に速いのだ。

スタミナもそろそろ無くなる。早く引き離さねば・・・・・・。

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・・・・・・・・・。

曲がり角の途中で、左足が嫌な音を立てた。

バランスを崩し、地面に叩き付けられる。

立ち上がろうとするも、もう遅い。

振り向くと、目の前に女性の顔があった。

女性が僕の方を見詰めたまま、袋の中に手を突っ込む。

僕は覚悟を決め、強く目を閉じ、質問を聞いてしまわないよう、両手で耳を塞いだ。

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・・・・・・・・・。

体に、雨では無い、固くて小さな物がパラパラと降り注がれる。

軈て、何かを引き摺る音は遠退いて行った。

薄目で見ると、誰も居ない。

質問もされなかったし、助かったらしい。

狐にでも摘ままれた様な気分だ。

目を開け、立ち上がる。体から浴びせられた物が地面に落ちる。

見てみると、其れは幾つもの安っぽい棒付き飴だった。

僕は酷く困惑した。

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・・・・・・・・・。

そして、次の日。僕は昨日遭ったことをピザポに話し・・・。

ピザポが初期化した。

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紫月花夜さんへ
コメントありがとうございます。

今晩は。
一応、人ではありませんでした(´・ω・`)

飴の理由も此の後、書きます。ピザポが関係してました。

・・・・・・はい。気を付けます。

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