短編1
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錯覚

人間の脳は結構いい加減だと聞く。

点が三つあればそれは顔に見えるし、背後に気をつけて、なんて前置きのある怖い話なんぞを読むと本当に背後に何かしら存在するように感じる。

時々。

視界の端に人の顔が見えるような気がする瞬間がある。暗闇の隅で誰かと目が合ったような気がする事も。

ん? と目を凝らしてもそこには何もない。

稀に。擦れ違い様に私の背後を凝視する人達がいる。みな一様に目を微かに開き、そして反らし、立ち去っていく私の背中をじっと見ているのだ。

オチも何もない。それだけの話。

だがもしも機会があるなら、恥を覚悟で聞いてはみたい気がする。

「私の後ろに何が見えるのですか?」

と。

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こういうことって、聞くに聞けないものですよね。