短編2
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ラブホテル

母から聞いた洒落にならない怖い話。

当時母はまだ若く、ちょっとした反抗期(?)で、彼氏と遊んでばかりで実家には帰らず、よくラブホテルで一夜を過ごした。

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その日も母は彼氏と仙台の街中で遊んでおり、気がつくと夜の10時くらい。

今からでもチェックインできるホテルを片っ端から探したところ、一件の部屋が空いてる、との事。

ここしかないと思った二人はそこに決めて、街中の路地裏にあるラブホテルにチェックイン。

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妙な事にその部屋だけ安かった。

出るホテルでは定番の話だけど、寝るだけだから別にいい、そう思って部屋に入った。

妙に空気が重く、冷たい気がした。

二人は直ぐにベッドに横になり、就寝した。

しかし、事態は急変した。

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母は夢を見た。

ベッドの横に伸びる廊下、玄関から血まみれのワンピースを着た女が徐々に近づいてくる。

もうやばい、と思ったところで目が覚めた。

彼氏を起こそうとしても、起きない。

彼氏は悪夢にうなされるように、呻き声を上げている。

その時、彼氏が飛び上がるように起きた。

彼氏はとんでもない悪夢を見たと言う。

曰く、血まみれワンピースを着た女がベッドに近づいてくる夢を見たらしい。

母は自分も同じ夢を見た、と状況を伝えた。

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「この部屋おかしい!」と二人はパニックになったが、暫く恐怖で固まって動けなかった。

暫くして落ち着きを取り戻した二人。

その時、母が天井のクロス(?)が剥がれかけている事に気づく。

妙にそこが気になった母は、ベッドに椅子をおき、クロスを剥がした。

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血しぶき…。

クロスを剥がすと、そこは血で染まっていた。

奇声をあげる二人。

「おい、ここ例の部屋なんじゃないか!?」

例の部屋とは数年前に仙台のラブホテルで起きた殺人事件のこと。ある女性が滅多刺しで殺害され、遺体をベッドの下に隠していた事が発覚した事件。

恐らくこの部屋が事件現場なんじゃないか…。

妙に安かった理由はこれだと怖くなり、急いでチェックアウト。

その夜二人は別れ、母は霊感持ちの友人の家に駆け込んだ。

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母は友人に事情を説明したところ、友人が

「多分、◯◯(母の名前)の後ろに憑いてる人、その女の人じゃ…」

友人はどうやら来た時から分かっていたらしい。

とりあえず、毎日身体に塩を塗って、安静にしておくこと、と忠告した。

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あの日以来、重かった肩の重みは友人のアドバイスにより取れ、彼氏も何事もなかったように回復した。

あの部屋で何が起こったのかは想像に難しくない。

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