中編2
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あべこべ

海に彼女と夜釣りに行った。

釣りに行ったことある人なら分かると思いますが、周りの知らない人に「釣れますか?」「寒いですね。」等話しかけたりよくします。

それを何故か気に入って釣りをしないで話かけまくる彼女。

僕は1人で竿を振り続けてました。しばらくして彼女が戻ってきて、「釣れないね...」の一言。

二人で竿先を見ながらボケっとしてると、急に背中に寒気がした。

後ろを振り返ると大人2人子供1人の家族?が防波堤の先に向かって歩いていた。

何故だか分からないけど異様と言うか違和感を感じました。

彼女もその家族らしき人達を見ているが違和感等は感じてることはない様子でした。

また声をかけようと思ったのか彼女は急に立ち上がって家族らしき人達の方へ近づいていった。さすがに僕も心配なので懐中電灯を持って彼女の後についていきました。

3メートルぐらいまで近づいた所で彼女はこんばんはと声をかけた。

向こうは聞こえてないのか全く反応がなく防波堤の先の方に歩みを止めません。

僕は嫌な気しかしなかったので戻ろうと彼女に言ったのですがそれでも彼女は声をかけ続け更に近寄って行きました。

隣を並行して歩くような形になった所で僕は最初に感じた違和感の正体が分かった...

その家族の服装が真っ白な浴衣なんです。それだけじゃなく靴を履いているんですが左右が逆なんです。更に浴衣を見ると合わせ方も右手側が前にきていてそれも逆になっていました。

彼女の腕を強引に引っ張って戻ろうとしたら

「一緒にこの先まで行こう」

と父親らしき人に言われました。

怖くなって元の場所まで彼女の腕を引っ張ったまま走りました。

竿も片付けずにそのまま持って車まで行きました。

彼女は逆になってることに気付いてなかったらしく車の中で説明しました。

僕「あれは絶対生きてる人じゃない!襟を逆にするのも死んだ人にすることだし、死に関係するものは反対にするって聞いたことある。」

彼女「……」

彼女はうつむいて無言でした。

気にはなりましたが、取り敢えずコンビニかどっか明るい所に行きたかったのでエンジンかけようとカギを回しました。

しかしエンジンが掛かりません。必死で何度も何度も回し続けると何とかかかりドライブに入れた途端、車が後ろに下がりました!

何度も確認してもドライブに入ってましたが後ろにしか進まないのです!

仕様がなくパーキングに入れブレーキを踏んでいると彼女が急に顔を上げ…

彼女「すごーーーーい!!!ねっ!すごーーーい!」

と手の平ではなく、手の甲で拍手をしました。

そこからどやって車が前に進んだか覚えていません。

彼女にその時のことを聞いても家族にあったことすら覚えていませんでした。

あの時の彼女の目。

白い部分がなく真っ黒のあの目が忘れられません。

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手の甲での拍手はヤバいって話を以前どこかで聞いた事あります
あと万歳を反対にした扇ぐような動きとかも
普段している行動の反対って実はかなり危険ものだったりするので怖いですね