中編3
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背の高いストーカー

まず、断っておかなければ行かないことがある。

今、ある事情で死ぬほど怯えているので変なテンションでいなければ身が持たない状態にある。

もしかしたらわけわかんないことをしゃべってしまうかもしれない。突然自虐を始めたり草をはやしたりするかもしれない。

だいたい八ヶ月ほど前に、人生初の彼女ができた。

あと五年で魔法使いという年齢だったのでかなり嬉しかった。しかもめちゃくちゃ可愛い。芸能人で例えるなら広瀬すず(が俺のタイプ)かな?

そして四ヵ月前に魔法使いになる可能性も消え、最高の気分で浮かれながら生活していた。そして今ドン底ww幸せのぶんまとめて返されたしwww神様ヒドスww.

ところが一週間前、その彼女から「ストーカーがいるかもしれない」と相談された。

なんでも(相談した時から)二週間程前からなんだか見られているような気がしてきて、ここ2日では足音が聞こえてきていて、誰かついてきているのは明らかだという。

「こんだけ可愛けりゃそんなのも寄ってくるだろう。俺が退治してやる!」などと楽観的に考えながら怯えてる彼女も可愛いなぁなんて思っていた。

この後起こることも知らないでwwwバカすぎ。

さっそく武器とか催涙スプレーなんかの、そっち方面に詳しい友人に魔改造を施したスタンガンと警棒を借りた。

そして事件が起きたのは次の日、彼女をがバイト終えた帰りだった。

尾けられてるのはたいていバイトの帰りだと聞いていたので彼女を迎えに行き、一緒に帰ることにした。当然、スタンガンと警棒を持って。

超適当な作戦()も立てていた。

簡潔に言うと、狭い路地に入ってスタンガンをつきたてるだけだ。

グラセフのスタンガンみたいに電極(?)の部分が飛び出る仕組みだったので避けられないように、という浅知恵を働かせて立てた作戦だ。

そうして、彼女と話しながら歩()いていると、確かに足音が聞こえる。かなり大きい音で、自分がストーキングしていることを隠す気はないようだ。

目的の路地に入り、さらに歩く。

まだ尾けてきているようだ。

スタンガンを構え後ろを振り向くと

薄暗いのでわかりづらかったが

例えるなら外国の都市伝説であるスレンダーマンといったところか。知らない人はググれ。

一応、形は人。素っ裸で、ガリガリで、手足が異常に長く、背は3m近くある(多分)。髪は生えてなくて肌が死人のように真っ白。

そして顔にはパーツがなかった。目も鼻も口も何もないのっぺらぼうだ。怖すぎww

動けんわそんなんでたらwwしょうがないだろ。

ものすごい速さで俺を通り越して彼女に近づくと

ガシッと彼女を掴んでそのままビルの壁面を登っていった。ただ呆然としていた。

遠かったので見えづらかったが、その怪物の顔の真ん中あたりがベリっと裂けて、そこから彼女を丸呑みにしたのが見えた。食われるまでなんか言っていたようだが聞こえなかった。

いつのまにかそいつはどこかへ行ってしまった。

次の日、彼女の親から電話がかかってきた。

俺は彼女を家の前まで送って別れたと言った。

警察にも同じことを言い、なぜそのまま家に帰らなかったかはわからないと言った。

それ以降、暗いところや静かなところが怖くなった。一人でいるのもダメだ。

夜道を歩いていると視線を感じる気がしてきた。最近は足音も聞こえる。

本当に誰かがついてきているのか、幻聴なのかはわからない。

しかも今、階段を登ってくる音がしている。

今は親はでかけてるはずなんだけど。

アレがもう来たのかな。

幻聴にしろ、本当にあいつが来ているにしろ、もう俺はだめなん

shake

shake

Concrete
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たぶん、その(後者)お話だと思います。
あまりに唐突な終わり方に、息を呑みました。

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コメありがとうございます!
同じ話かはわかりませんが、自分も突然コメントがおかしくなる話を見たことがあってそれを参考にした部分もあります。

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コメありがとうございます!
あんみつ姫さんの言っているのは異世界にいった話のことですかね?
最後のほうはその異世界に行く話を少し参考にして作ったんですが。

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