災を喰らい幸を齎す者 第壱夜

中編4
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災を喰らい幸を齎す者 第壱夜

霊体は色によって、その霊が持つ力は判別できる。そして最も厄介な色は赤だ。

作者が出会った見知らぬ老人の説である…

赤い服の少女

夏の修学旅行…北海道で事件は起きた。夏といえば怖い話、ということで私を含めた15人で怖い話を順番にしていった。夜10時…消灯時間でみんなは寮に戻り、各々の部屋で当然ながら夜更かしをしていた。

なぜか、私の部屋は携帯の電波は一切通じなかった機種関係なく。

だが、夜12時30分…友人の携帯に非通知の着信があった。

「◯◯くん、助けて…」

女子寮の友人が私に助けを求める声だった。

しかし、私が携帯の持ち主の友人と同じ部屋だと知られているはずはなかった。

携帯に私が応対すると

「部屋に女の子が居て、◯◯ちゃんの首を絞めてる」と涙ぐむ声で私に訴えてきた。声の向こう側からは

微かに聴こえる「シネ、シネ、シネ」という声が聴こえていた。

ただ事ではないと私は慌てて

先生達の部屋へと走り、女子寮にいる友人が体調を崩していると説明した。先生が女子寮に着いた頃には

友人が言う女の子は消えたらしい。

しかし、首には小さな手形が残っていた。

それから女子寮には女の子は現れなかったが…夜2時25分。

私達の部屋に向かって

コツ…コツ…コツ…

「ねえ…また女の子が出たの…」

私にしか聴こえていない様子だったが、寝ていた友人が突然、激しい痙攣を起こした。他の友人達は、異変に気付き起き始めた。

「な、なんだ!?◯◯!おい!大丈夫か!」

扉の向こう側からは女の子の声が

微かながらも聴こえる。

すると友人は部屋を出ようとした瞬間に私は意識を失って地面に倒れた。

そしてオカルト好きの友人はカメラを回し始めた。

意識を失っている時の状況は友人がビデオカメラで撮影していた。

映像には、気絶した筈の私はむくりと立ち上がり痙攣している友人の上に跨がり、私の声ではない声で部屋を出ようとする友人に

「いま、出てはいけない…彼を先に助けなければ…」と言って痙攣している友人に右手を翳し呪文のようなモノを唱えていた。

しかし、友人は「なにを言ってんだ!早く先生を呼ばないと!」

部屋のドアノブを回すが扉は開かない。「なんでだ!開け!開け!」

力ずくで扉に体当たりしているが扉はビクともしない。

そしてカメラは私に向くと

痙攣が治った友人の顔はカメラを構えた友人に向いていた。

「◯◯、大丈夫か?」

痙攣していた友人は瞬きすらせず

カメラを構えた友人を見つめていた

すると、私は「構えろ!飛び出すぞ!」

痙攣していた友人は大きく口を開き

「ウブァァァァ!!」と叫んだ

その瞬間、友人の口から半透明な顔らしきモノがカメラを構えた友人に向かって飛んできたのである、それに驚いた友人は転んだ。

再びカメラを構えると、気絶している私は開かない扉に向かって歩き出し、扉に右手を当てた。

「失せろ、お前の名は知っている」と呟いた瞬間に私は崩れるように倒れ、扉は勢いよく開いた。

私と痙攣していた友人は先生に運ばれ、目が覚めると眩しい蛍光灯が見えた。

どうやら、私は何度も眠りながらも

お経と聖書に書いてある文章を繰り返し唱えていたという。

オカルト好きの友人は興奮しながら

「◯◯!あれは凄かったな!どこであんなのを学んだの?」

私は戸惑いながら

「いや、何も覚えてないんだよ」

そしてオカルト好きの友人は

ある説を語っていた。

私達以外の部屋の友人達は体調を崩していた。痙攣した友人はもともと霊感が強かったから。とか、女の子が部屋に入って来れなかったのは

電波が入らない部屋だったから。とか、だから幽霊は電波的エネルギーみたいな存在なんだって熱く語っていた。

まあどうでもいいけど。

映像を見てオカルト好きの友人は見落としていたことがある。

半透明な顔が飛び出した瞬間に

私はそれを口で吸い込むように食べる瞬間が僅かに記録されていた。

北海道での事件から2年後、

訳あってお祓いを受けようと

とある場所に向かった。

お祓いが始まる瞬間に

3人のお坊さんがピタっと動きが止まり

私の方へゆっくりと振り向いた。

「あなたにはお祓いは必要ありませんな」私は戸惑いながら

「なぜですか?」

3人のお坊さんは笑いながら

「あなたの守護霊は悪意のある霊を喰らい、運と幸を齎す存在です」

「しかし、喰らわなければ不運に見舞われる。気を付けて下さい。」

名を龍蛇…そんな名前を守護霊に与えると言って、3人のお坊さんは不気味な儀式をした後に巻物が出され

「この文字の円の中に手形を付けて下さい」と言われ墨汁を出された。

両手を墨汁に付けて巻物の文字の円の中に押し当てた。

「これであの時のように気絶したりなどはしません。」

なぜ、気絶したことを知っていたかはわからないが、なんかホッとした。

「それでも気絶した時は、龍蛇が代わりに表に現れます。」と言っていた。だから、あの時に気絶したのは龍蛇?という守護霊が表に現れた時の現象だという。要するに取り憑かれた状態なのか?

終わり。

文章が雑な部分がありましたが、許してください。第二夜もありますので引き続きよろしくお願いします。

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