中編3
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廃校の工事

廃校の改築

そこそこ前の話なんだが

トラックの運ちゃんをしてる俺は配送と大工の手元(雑用)の仕事で栃木県にある廃校に行った。

この廃校がまた、雰囲気のある所で

山に囲まれた場所に

ポツンと二階建ての木造学校

ザ・廃校って感じ

今思えば、案外小さかったかもしれない。

この廃校を改築して老人ホームにするのだが

これがまた大変で……。

まず、現場が山の中にあるから

道が狭くて、大型車や重機がたどり着けない。

だから建材は全部、2t車や3tショートで運ぶ事になってて、

それでも、やはり。

道が悪くて荷物を道路にブチまける奴

動物を避けて事故る奴

とにかく、辿り着くが大変な現場だった。

道路整備も後々やるらしいが

街と隔離された、その場所は……

ある意味、姥捨山だと思った。

そんで、ある日。

無事に廃校に辿り着いた俺は

トラックの前で仲のいい監督と話しをしていた

話の内容は実にくだらない

ウチの猫が可愛いだとか

髪が薄くなってきた禿げたくないとか

嫁さんが温泉に行った、そのまま死んでくれないか。

など、基本的に監督の心の叫びが中心だった。

半分笑えない会話の中で

ふと、監督が言った。

監督「そう言えば……この現場ヤバイよ」

「確かにヤバイですわ。かなり作業が遅れてますよね」

監督「ああ……それもヤバイけど

もっとヤバイ話なのよ」

「無理してヤバイって言葉使わないで下さいよ……」

監督「この廃校……でるよ」

「またまた〜〜」

監督「大工が言ってたのよ」

最初は、いつもの冗談だと思ったが

急に真顔で言うから、気になって聴いたら。

『幽霊がでるから暗くなる前に帰る』

大工達だけじゃなくて他の作業員が口を揃えて言うらしい

「冗談でしょう?」

監督「私もね、最初はそう思ったんだが……

sound:15

監督の言葉を遮るように突然、学校のチャイムが鳴り響いた。

振り返ると廃校の時計が午後3時を指している。

でも、おかしい……

今まで、チャイムが鳴った事なんか一度も無かったのに。

監督「まぁ……ただの誤作動だろう……多分」

「ちょっと、マジやめて下さいよ〜! 今日、二階で作業するの俺1人なんすよ!!」

監督「うん、知ってる」

「確信犯か!!」

まぁ後々、確認したら荷揚げ屋が誤って、チャイムを鳴らしたらしい。

オチいつも、そんな物だよな。

「まったく、仕事に戻りますよ!」

そんな感じで、もうアホらしくなったから

適当に会話を切り上げて、仕事に戻る事にしたんだ。

階段を上がり、長い廊下の突き当たりの教室。

そこが俺の作業場だった

軋む床に古ぼけた机

置きっ放しの教科書にランドセル

初めて見た時は、ノスタルジーになった。

ついさっきまで、授業をしていた様な。

明日もまた子供達が登校してくる気がして

少し悲しい気持ちになったよ。

「よし! やりますかぁ〜」

などと、一喝して一人で黙々と作業をした。

ふと、気が付くと時刻は5時を回ってた。

辺りがうす暗くなり始めた頃

山が静寂に包まれる頃

sound:14

足音が響き渡った。

廊下を誰かが走っている。

一度じゃない、何度も、廊下を行ったり来たり。

一階から、誰か上がってきたのかな?

「…………」

7分くらいかな。

一向に止まない足音に、流石に痺れを切らして

扉を開け、教室から廊下を覗いたんだ。

……誰もいない。

変だなぁ〜と思い廊下にでて

「誰ですかーー」

と、呼びかけた。

……返事はない。

ふと、監督の話を思い出した。

sound:18

『幽霊が出る』

流石に怖くなったから、人の居る一階に降りようと廊下を歩いてたら

ふと、何か、声を感じた。

誰かが叫んでる。

窓を見たら、薄暗い校庭で職人達が俺を指さし、叫んでた。

「え?え?」

何が何だか解らない俺は窓を開けて、

「なんですかぁーー!!」と叫ぶと

より一層、職人が慌てて叫ぶ。

逃げろぉぉぉ!!

music:6

その、瞬間だった。

雄叫びと共に、廊下の向こうから

何か、デカくて黒い塊がこっちに突進してきてる。

クマだった……。

2秒ほど思考が停止した後

俺は躊躇いもなく、二階から飛んだ。

着地に、失敗して、派手に転ぶ俺

窓ガラスを割りながら二階から落ちて来るクマ

悲鳴を上げながら逃げ惑う職人達……

俺のトラックの上に乗ってる監督

人の多さにビックリしたのか、逃げ出すクマ。

改めて廃墟は怖いと、思いました。

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実話ですか?
幽霊より怖い…
怖すぎる…