夏の実話「だるまさんがころんだ」

中編7
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夏の実話「だるまさんがころんだ」

小さい頃、小学校時代の実話です。

あまり、怖くないかも知れませんが、

大事なことなのでもう一回言います。

実話なので聞いてください。

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あの日もちょうど夏で7月の上旬でした。

学校が終わった放課後、学校も蒸し暑かった俺達は、

涼しい別な場所で遊ぼうと談議となり

興味心と探究心から、ある神社で遊ぼうという話になる。

今なら、頑固反対で説教までするかも知れない。

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しかし俺はその時、ノリ気がないのはいいとし

神社にまだ、あまり興味もなかった。

かと言って「家でゲームでよくね?」なんて

輪を乱すのも何だし、神社でも皆で行けば、

楽しめるだろう。そんな、子供らしい

短絡的考えを、持っており結局行くことにした。

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場所は、大人の足だと学校から

約10分ほどの距離にある神社だ。

夕方、学校からまるで遠足の様に歩く足は、

期待を胸に抱いてるせいか、みんなと歩くせいか、

暑さは感じず足どりは軽かった。

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それでも途中、ラムネやお菓子、子供の目に

よぎる誘惑は数えきれず、存在し足を止めさせる

気付けば、やっと神社に着く頃には30分も

かかっており、陽こそ落ちてないが

一般的に言う夕暮れ時の時間だ。

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時間もないのだが、ここで、また談議だ

「何をする?」

さすが、子供、計画性はまるでない。

そして決まっていざ、行うことに

なったのが、神社見物。いや探険隊ごっこかな。

祭具殿、拝殿、手水場などを宝物を探す如く見て回る

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夕暮れ時といえ、陽は落ちない暑い夏の宝物を漁る

すでに手にしているのに(笑)それはおいといて

宝物は目に見えない、まして子供の俺達である。

すぐ飽きてしまい縁に座り込んでしまった。

帰るはずなく懲りぬ子供だった俺達は、また談議。

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「涼しく神社で遊べることしよう」

という展開になってしまう、

一人が、早速声高らかに

「じゃあさ、木いっぱいあるし

{かくれんぼ}は?」

と言いだした。

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これにもう一人が

「だったら、{だるまさんころんだ}

の方が楽しそう」

と輪をかけ、これに多数が賛同。

ついに、

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{神社の木を用いた

だるまさんころんだ}

が開始される。

まずは鬼の位置

「ここよくね?この木だけ輪みたい

の付いてる!!」

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これには全員賛同し、やる気になった様だ。

「よし、じゃあ鬼決めだな、

じゃんけんポン」

案の定俺は、俺・・・・・

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鬼ですよね(溜息)

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インドアの俺はこういうゲームでも

苦手である、それを物語ったのか

鬼じゃなければ誰かが・・・という

気持ちがあったのか、渋々と言う

「だるまさんがころんだ」

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すると、よく言う背筋から・・・

いや、そんな生温いものじゃない

寒気が俺の全身をよぎった。

ただ、今、俺は振り返っているんだ

霊?そんな類は見えない

遊んでる友達の数も合ってる

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そんな思いの繰り返しで

神社に響く、俺の言う

「だるまさんがころんだ」

友達の不気味なパントマイム

まさに俺だけが観客のダンスである

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それは永遠の様に長く、時は止まった

如く神社に相応しい舞である。

詩人?誰しも、あの状況なら

そう感じた、俺は今でもそう思う。

その時、止まっていた時間が

再び動き出す・・・

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「タッチ!!」

触られました(笑)

「逃げろ~」

と叫ぶ、友達。

「ちょっ」

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意味分からないですが、追いかけよう

と1歩2歩と足を踏み出した

その瞬間、一瞬ですが

「・・・こっち」

という聞きなれない擦れ声が俺の足を止める

俺は、その声の方向をキョロキョロ探していると

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木蔭から、友達が来て

「追いかけろ、馬鹿」

と叩く、それはツッコミの様でその声も

気のせいの様に感じさせるほどで

また、空気すら変えてしまう。

さっきより空気は冷たく感じられた。

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その友達が、その空気を裂くが

ばかりに大声で皆に聞こえる様に

「もう一度だるまさんころんだ

やるから集まれ~」

と促す、すると、みんなは走って鬼の場所に

集合、友達がまるで先生みたい(笑)

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まぁ~、その先生の合図で、もう一度俺が鬼で、

だるまさんころんだが開始されたんですけどね・・・

だけど、先程とメンバーが同じでも状況は違う。

みんな走って集合して直後の

「だるまさんころんだ」

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さっきの様にはいかず、ジッと出来ず動く人が連発、

促した友達も最後はコケるという

失態で、俺の勝利となった。

「なんかに足をとられた」

って言ってましたけど、

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「葉っぱでしょ」

ってみんなに笑われるし、

悪いけどいい気分だった(笑)

終いには苦しまぎれに次は

「自分が鬼で、もう一回!」

負けず嫌いって嫌デス

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結局、「みんな帰りたい」みたいだけど

もう一回なら、ってことでやったんだ

けどそれが、いけなかったんだね・・・

俺も、さっきの勝利とかで霊とかさっきの

声とかもう忘れていたんだよ・・・

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で、いざ始めるとさっき鬼の時は、

見えなかったはずの全く違う光景が

広がってたんだ・・・

友達の

「だるまさんがころんだ」

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それを合図の如く、神社内の

沼?一応、池って言った方がいいかな。

そこからありきたりな話なんだけど、

青白い手が何本も伸び、鬼にタッチ

しようとしている。

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中には「おいで」のつもりなのか、

何か欲しいのかな?分かんないけど

手をクルンクルンさせてるのもいてさ。

一緒に遊びたいなら刺激しない方がいい

らしいよね、とりあえず友達に相談しよう

いや出来ねぇよ!などと色々考えた結果、俺は

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鬼の肩を青白い手が何本か掴んでるのに

周りの友達は気づいてないみたい・・・

そこで声出してみんなで逃げようって中断?

もしも信じもらえず、なんかあったらと

考えるとなかなか行動出来なくて、ゲームを

続行し様子見を選んだ。

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その時、鬼は平気そうだし、さっきまで

俺は鬼やってて、寒気したけど何とも

なかったから大丈夫だろ。

見えてない奴らをビビらせる必要は

ないし、俺は自分にそんな言い訳を

言い聞かせていた。

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卑怯?俺だってきっと思ってた、

だから、最後は最初からゲームを

楽しめなかったし、目を逸らしてもいた。

よく分からない罪悪感と今でも

遅くないのでは?という呵責。

それは何よりも前を見せてくれない。

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逃げる様に横目でいる俺にあの池が自然と映る。

「いつの間にか、池まで進んでたんだ・・・」

俺が独り言を呟いた、その時

違和感を感じる、池・・・よく見ると

手と手の間からゴミ袋みたいなのが見えた。

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元々、祭事以外は宮司もろくに顔を出さない

村の神社みたいな場所で、綺麗とはお世辞にも

言えない。だからこそ、最初はゴミもあるだろ

って俺は気にもしなかった。

しかし、違和感は強まる・・・

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俺はとりあえず確かめないと、

と直感が疼いた

「だるまさんがころんだ」

俺は当然前に進む。

だが今回は横目で池を見ながらの為、

小走りで無理はしない。

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そこで1つ気付く、このゴミ袋は

水に浮かんでる訳ではない。ということ。

そして、また友達の

「だるまさんがころんだ」が響く。

今度は歩く、前に進むよりゴミ袋を見る為だ。

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歩いて見るゴミ袋は俺に全てをさらけ出す。

ゴミ袋が声に合わせて跳ねてる・・・?

よく見るとそれは女性の頭と上半身だった。

足は見えない・・・でも、あったら池の中。

手も池から出てるはずなのに池から

波が全くたっていない・・・。

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やっぱり見えてないのか、現状を分からない

周りから「真面目にやれ」と言うヤジがとぶ。

次はもう歩けない。池を横目で見た、その時

あの女性がなんと池から陸に出ようと

這いずくばろうとしている

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波はたたないけど、陸に上ろうと

もがいている、顔は・・・

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苦しみ、妬み、怒りなどが合わさり

あの時の俺は、ただただ俺達を

殺そうとしてると思った

謎は解けた・・・、そうなれば、

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これは流石にもう「だるまさんがころんだ」

なんてやってられない。

俺は「逃げろ、とりあえず人いるとこ家まで」

と叫び、みんなはさっきの俺が鬼だった時の

鬼ごっこもどきの要領でバラバラに逃げ出した。

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偶然言った「家まで」に反応したんだと思う。

みんな帰りたがってたから・・・

俺も呵責の償いの心があったのか、

かなり強く鬼の子の腕を引っ張って、

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近くのスーパーに逃げ込む。

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スーパーに入ると、必死の形相で逃げ込んできた

俺ら二人に、恐らく誘拐犯か通り魔にでもあったか

と思ったのか、レジのおばさんが来てくれて

裏に連れていかれました・・・

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そこで、店長らしき人にこのことを全て語る。

店長は笑う、小学生の戯言を聞く様に・・・

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結局信じてもらえず(鬼の子にも)代わりに、

弁当なんかに入れるポケットサイズの塩をくれ、

これをつければ大丈夫と言われ、

塩を頭から俺はかぶると、塩まみれで

スーパーを後にそれぞれの家に帰りました。

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次の日、学校で俺は事情を話しました

勿論、誰も信じないと思っていましたし

見てないのだから当然の反応と考えてました。

しかし、予想に反し、ほとんどの人が信じて

くれました。その理由については大抵の人は

口を割ってくれませんでしたが、

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「夜寝ようとしたら、窓(二階でベランダなし)から

知らない女の人に睨まれてた」

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「寝てたら、痛み感じ見たら知らない人が横にいて腕

握って折られそうだった」(実際にムラサキ色の痕まで)

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「身体動かせなかった・・・横から何か削る?

(シュシュ)と音してたんだよ、後、水が

流れる音も・・・!!」

そう、数名が渋々教えてくれました。

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~ p.s ~

あの神社だけは、今でも苦手です。

それでも大人になり、1度だけ祭の時に行きました。

あの時は気付かず、読めもしなかった、池の由来を

書いた看板を見つけ、それによると

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「この池はこの地に元々無かったらしく、近くの

山の噴火が原因で出来たとある。その噴火では

多くの人が、火達磨になり逃げまどいながら

亡くなったと書かれてました」

最後に

あの時と同じ様に、池を横目で見る、そこには

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「キケン、このいけとまわりであそぶな」

という看板が設置されてました。

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無かった立て札の注意書が、再度行ったら出来てた。
いろいろ連想してしまいます

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