長編10
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3年前に転校していった友人から手紙が届いた・・・

「久しぶり!今度うちに遊びこいよ!

田舎だけどいいところだぞ~」

まぁざっくりこんな内容の手紙だった

住所も書いてあったな

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友人の名前は斉藤 裕司

小学校の頃はずっと一緒にいた親友で

中2の時に親の都合?かなんかで祖父の家に引っ越してしまった

そこから手紙を何度も書いたけど・・

「そういえば裕司から手紙が来たのは初めてだな・・」

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夏休みという事もあって

親に了承をもらって、

裕司の家に遊びにく事にした

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裕司の家はかなりの山奥で

バスの1日1本しか通らない田舎らしい

俺はその1本しかないバスに乗り

裕司の家へ向かった

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バスに乗って5時間程

ようやく裕司の住む家に一番近バス停へ到着した

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バス停では裕司が待っていてくれた

「待ってたよ・・・・・・久しぶり・・・」

ただ・・・なんか変だ・・

ずいぶん暗い・・・

「裕司?久々にあったのにどうしたんだ?」

裕司「・・・・・お・・おう」

あきらかに様子がおかしい

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とりあえず、バス停で立ち話もなんだから

裕司の家まで案内してもらうことにした

裕司の家には林の中を通っていくらしい

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歩きながら再度聞いてみる

「本当、なんでそんなに元気ないんだ?

新しい学校・・うまくいってないのか?」

裕司「・・・いや・・・

最近家で変なことあってさ・・・」

「変なこと?」

裕司「なんかさ、爺さんがこの間死んだんだ・・・

そして爺さんの部屋かたずけてたら、

古い人形見つけてさ・・」

「人形?」

裕司「そう・・・・それからかな・・

家にずっと家族以外の誰かがいる気がするんだ・・・」

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実際俺はそういった怪談話を信用しないんだが

裕司の様子を見ていると、妙に信憑性を感じた

「しかし、あとどのくらい掛るんだ?」

結構歩いたと思う・・

30分?いや、もっとかな?

裕司「あと1時間くらいでつくよ・・・」

「1時間!?」

さすが長旅で疲れている俺にはつらい距離だった

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あたりが暗くなってきた頃

あまり会話が無いまま

ようやく裕司が住む家に到着した

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裕司「ここだよ」

ずいぶんボロい家だな・・・・・

もちろん口には出していないが

正直、ちょっと泊るのが嫌なくらい

ボロ家だった

??「・・・・・いらっしゃい」

家の扉をあけると

一人の老婆が迎え入れてくれた

裕司「あぁ・・・・俺のばあちゃん」

「あ、初めまして、裕司の友達の武田です!」

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軽く挨拶をして、家に入れてもらい

裕司の部屋に入った

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裕司「なぁ・・・・」

「ん?」

裕司が重く口を開いた

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裕司「さっき話した人形の事なんだけどさ・・・」

「あぁ!あるの?」

裕司「見てほしいんだよね・・・」

「全然構わないけど・・・」

裕司「持ってくるから少しまってて・・」

そう言って裕司が部屋から出て行った

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なんか別人と居るみたいだ、

裕司は学校では人気者だった

話は面白いし、明るくて中心的な存在で

正直俺とは正反対な性格でうらやましかった

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襖があいて裕司が戻ってきた

裕司「・・・・これ・・なんだけど・・・・気味・・・悪いだろ?」

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裕司が持ってきたのは古い日本人形

まぁ実際のところ、こういうのは

古い日本人形だと思っていた

「たしかに、気味悪いね・・・・」

裕司「そうだよな・・・・」

「たぶん、人形が不気味だから、裕司が変な風に考えてるだけじゃないのか?」

裕司「・・・・違うんだよ・・本当に誰かいるんだ・・・本当なんだよ・・・」

「わかった、わかった」

とにかく、俺は裕司を落ち着かせて、

話を変えることにした

正直・・・・・

帰りたかった・・・

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ばあ「ご飯ができたよ~」

そういえば・・・・家から出て何も食べてなかった・・

着いてからコンビニ寄ろうと思ってたんだっけ

コンビニなんて無かったもんな・・・・

裕司「・・・・行こう」

なんで飯行く時まで暗いんだよ

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茶の間に行き、

丸い円卓で、俺と裕司が食事をする

ばあさんは庭をホウキで掃除していて

台所でお母さんかな?洗い物をしている

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裕司「ご飯食べたら、風呂はいれよ」

「あ?・・・うん」

風呂はどんな感じなんだ?

正直不安しかなかった・・・

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食事を終え

一旦裕司の部屋に向かう

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「そういえば、おばさんにまだ挨拶してなかったから、

挨拶してくるよ!」

裕司「は?おばさんって?」

「さっき台所に居ただろ?裕司の母さん・・・」

裕司「何言ってんだよ・・・・俺爺さん死んで・・・

ばあちゃんと二人だけど?」

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「え?だってさっき台所で洗い物してたのは?」

裕司「だから台所は誰もいないって!」

そんなはずは無い、確かに人の気配もしたし

食器を洗う音もしていた・・・

ただ、裕司が嘘をついているようにも見えなかった

裕司「・・・・・・・・・・だから・・・誰かいるんだよ・・」

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!?

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ふと・・・誰かに見られている気がした・・・

確かに何か変だ・・・こうして裕司と話をしている間も

誰かがいる気がする

さっきの人形が原因?

まさか・・・・・な・・・・・・

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・・・・オマエガコロシタ・・・

「え?なに?」

裕司「なにが?」

「今、何か言ったか?」

裕司「言ってないけど」

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確かに聞こえた・・・・・

低いしゃがれた男の声だった・・・

お前が殺したと・・・・

裕司が何かしたのか?

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ここに居るべきではない!

きっと良くないことが起こる

そう感じた・・・

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とは言っても、せっかく遊びにきてすぐ帰るのも申し訳なく

今日くらいは泊って行こうと思った

ちなみに・・・風呂は予想通り汚かった・・・

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夜も更け・・・

相変わらず暗い裕司と

昔の話なんかしながら寝床についた・・・・

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真夜中・・・息苦しくて目が覚めた・・・

すぐに違和感を感じた

なんか部屋の様子が変だ・・・・

何かいる・・・・・

裕司ではない・・・・・

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人形!?

なんで?ここに?

・・・・オモエガコロシタ・・・・・

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!?

またあの男の声・・・・

この家は呪われている?

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さすがにやばいと思い、俺は真夜中だけど

家を出ることにした

「裕司!!起きてくれ!!裕司!!」

裕司は全く起きない

というよりは寝息もなく・・・

まるで死んでいるようだった・・・

もちろんこんな時間にバスは無い!

でも、この家には居たくない・・・・・

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俺は誰にも何も言わず、荷物をまとめて

家を出ることにした

裕司が爺さんを殺した?

オマエガコロシタ・・・・

この言葉が引っかかる

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深夜の山道・・・

懐中電灯もなく

明りは月の明かりだけ

これはこれでかなり怖い

ただ裕司の家で感じた違和感はない・・・・

俺は必至で走り、何度も転んだが

やっとバス停まで到着した

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「ここで朝まで待とう・・・」

一体何だったんだ?

あの人形・・・・

お前が殺したっていうあの声

台所の気配

・・・・裕司・・・本当に死んでるみたいだった・・・・

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息を整え、周りを見てみると・・・

俺以外にも誰かいることに気がついた

一人の男・・・・50代くらいかな・・・・

その男が近づいてきた・・・

男「こんばんわ・・・こんな遅くに何してるのかな?」

そりゃこっちのセリフでもある

「いえ、朝までバスを待とうと思いまして」

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男「バスは明日は来ないよ」

衝撃の一言だった

男「ここのバスは1週間に5日しか運行してないんだよ」

「では・・・・あなたは何を?」

俺はこの男を知っている・・・・

どこかで会った・・・・どこだったか・・・・

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男「わたしはな・・・・人を探しているんだよ・・・」

「え!?こんな遅くにですか?」

男「そうだよ・・・・許せない男がいてな

殺してやろうと思ってるんだ」

「なぜです?」

表情までは暗くてよくわからなかったが

声は震えていて、本気だと思った

男「でも、ようやく見つけてな・・・・」

「え??」

そして・・・・その男は後ろに隠し持っていたナイフを

俺に突き刺した・・・・

「・・・・え・・・なんで?・・・」

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気がつくと俺はバスの中にいた・・・・

気がつくと・・・というより

目が覚めた

「夢?」

俺はどうやら、裕司の家に向かう途中のバスの中で

寝てしまったらしい・・・

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「なんて夢だ・・・・」

あの人形・・・・

刺した男・・・・・・

鮮明に覚えている・・・・

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またしばらくして

目的地に到着した

「なんでだよ・・・・」

夢で見た景色

俺が刺された場所・・・

そして夢と同じように裕司が待っていて迎えてくれた

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裕司が夢と同じように俺に話しかける

裕司「待ってたよ・・・・・久しぶり・・」

「お・・・おう」

裕司と林を歩き・・・・

夢で見た景色・・・・

「なぁ・・・・」

裕司「どうした?」

「最近なんか変な事起きたりしてないか?」

裕司「!?・・・・・・・・なんで知ってんだ?」

裕司が驚いたように言った

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「なんか、ここに来る前夢で見たんだよ・・・・」

俺は夢で見たことを裕司に話そうとした

「ん?」

ここで俺はあることに気がついた

俺はただ手紙をもらってここへ来た

なぜ・・・裕司が待ってる?

電話もしてない・・・来る時間や日にち

そもそも来ることすら伝えていない・・・・

じゃあ何故、裕司は来ることがわかってるかのように

バス停にいた?

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裕司「夢?・・・」

この先に行ってはいけない・・・きっとまた殺される

「ご・・ごめん!俺やっぱり帰るよ!」

裕司「どうしたんだ?せっかく来たのに」

俺は裕司の話も聞かず、来た道を引き返した

裕司「おい!まてよ!どうしたんだ?」

裕司が追いかけてきている

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山道に慣れていない俺は、裕司に追いつかれ腕を掴まれた

振り向くと・・・裕司ではなかった

あの男だ!

男「今度は逃がさないよ」

「なんなんですか!?俺が何をしたって言うんですか!?」

男「君が見たのは夢じゃない」

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男の手を必死で振りほどき、

必死に走った

狂ってる・・・・

裕司もおかしい・・・・

ここは人殺しの集落か?

オモエガコロシタ・・・

きっと裕司が爺さんを殺し

さっきの男も人を殺している

俺も逃げなきゃ殺される・・

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俺はバス停の近くにある民家に身をひそめた

ここは誰も住んでいないのか?

全く人の気配が無い・・・

そういえば、バス停付近はいくつか家があるが

誰も見ていない・・・・

まるで廃墟のようだ・・・・

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2時間くらいかな?

誰か来る気配もない・・・・

俺は静かに動き出した

きっとあの男諦めただろう

「そういえば、あの男夢じゃないって

言ってたな・・・・どういう意味なんだ?」

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俺はその家を出ようと玄関の扉を音を出さないように空けた

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男「見つけた!!!!!!」

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俺は意識を失った・・・

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ハッ!?

気がつくとバスの中

俺は裕司の家に向かっていた

「いったい何なんだ?誰なんだよあの男は・・・・」

ひどい汗をかいている・・・・・

まるで夢じゃない・・現実と同じ感覚

そして・・・・・・・・・

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しばらくして

また、バスは目的地へたどりついた

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今度は夢じゃない!

そう確信した

目的地は、今まで見た夢とは違った

普通の住宅街

裕司が待っているわけでもない

「今度は夢じゃない・・・・・」

俺はホッとして手紙に書いてある住所へ向かった

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ピンポーン

ピンポーン

裕司「はーい」

がちゃ!

裕司「おぉ!!!!武田じゃねぇか!!来てくれたのか!」

「おう!久しぶり」

裕司「本当にな!なんだよ~来るなら電話くらいくれよ」

昔のままの裕司だった

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俺はリビングに入れてもらい

裕司がジュースを出してくれた

「あれ?おじさんとおばさんは?」

裕司「今日は帰ってこないんだ~だから丁度よかったよ」

「あ、そうなんだ」

俺は裕司に夢の話をしてみた

裕司はなんだよそれ!って感じで聞いていた

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裕司「なんか怖い夢だなそれ!」

「だろ・・・・本当に怖かったよ・・・」

裕司「あ、でも、変な人形なら家にもあるぜ!

妹の人形なんだけどな」

「はは、日本人形か?ってか

ん?妹なんていたのか?」

たしか妹はいなかった気がするけど・・・・

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裕司「人形見てみるか?結構可愛いんだけど

ちょっと変なんだよ」

「いや、いいかな」

もう人形が怖くて正直見たくなかった

裕司「まぁいいから!ちょっと待ってろ!」

そういうと、裕司は人形を取りに行った

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まぁ、今までの夢と明らかにちがうし・・・

そうは思っても、やはりあの人形を持ってくるんじゃないかって

不安な気持ちだった

裕司「なぁ・・・・これなんだけど見てくれよ・・」

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それは、夢で見た人形が泣いてるように

目から血を流していた・・・

!!??

裕司「なぁ?ずっと泣いてるんだぜ?なんでかな?」

「お・・・おい・・・なんだよこれ・・」

裕司「なぁ・・・なんで泣いてるか

教えてくれよ・・・・なぁ」

「そんな事わかんねぇーよ!」

あきらかに裕司はおかしくなっていた・・・・

裕司「おまえは知ってるんだよ!!!

教えてくれよ!!!!」

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裕司がいきなり俺に襲いかかり

首を絞められた

「・・お・・・い・・やめろ・・」

人とは思えない力だった・・・

遠くなる意識の中で・・・

俺はまたあの声を聞いた

・・・・・・オマエガコロシタ

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・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・夢か・・・・・・・・

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今度は現実だ・・・

ハッキリとわかる

なぜなら俺は今、少年刑務所にいる

そうだった・・・

俺は中2の夏・・・・裕司を殺した

人気者だった裕司を妬み、好きな子まで奪われ

俺は裕司の家まで行き

裕司を刺し殺した

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何度も刺した・・・・

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次に

止めようとした父親も刺し殺した・・・・

夢でバス停にいた男だ・・・

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刺した時の顔・・・・これが俺の記憶に残っていた

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母親も刺したが

一命を取り留めたらしい

ただ・・・・

お腹の中にいた子供が死んだらしい・・・

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そっか・・・

それが・・・・

妹か・・・・・・

オマエガコロシタ・・・・

そう・・・俺が殺した・・・・・

裕司と

父親と

お腹の中の妹

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数日前、獄中に裕司の祖母から手紙をもらっている。

「出所したら是非、遊びに来てください

あなたが殺したみんなの思い出があります

住所を送ります」

裕司の婆さんはきっと俺を殺したいんだろう

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そういえば・・・・・

この独房一人部屋なのに・・・

・・・・もう一人ずっと居るんだよな・・・・

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ずっといるんだよ・・・・

裕司の妹が・・・

もう疲れた・・・・・

なんで殺したのか

後悔しても遅い・・・・・

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そして

俺はまた眠りについた・・・

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3年前に転校していった友人から手紙が届いた・・・

「久しぶり!今度うちに遊びこいよ!

田舎だけどいいところだぞ~」

丁度夏休みだったし

俺は裕司の家へ行くことにした

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