短編1
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深夜ドライブ中に

あれは寒い冬の夜の出来事でした。

私は車の免許を取ったばかりで、そういう時期というのは例に漏れず運転が楽しくてしょうがないんですよね。

それで次の日が休みであったりすると深夜ドライブに出かけておりました、私の住む所は山々に囲まれ深夜には殆ど車も人もおらず明かりはコンビニだけ...そんなところでありますのでやはり恐怖心はありましたがすぐにその恐怖心にも慣れるものですよね。

そして、その日もいつもの様に1人で深夜の誰もいない山道をテレビを見ながらずっと走っているとやがてテレビも終わり静寂に包まれた車内が怖くなって音楽を大きめに流しながら走っていると、ヘッドライトが照らす道の端っこに何か影のようなものが見えてきました。

普段からよく「見る」体質の私は(またか...何もしてあげられませんので...)といつもの様に念を唱え走り去ろうとしたその刹那、その影の正体をハッキリと視界に捉えたと同時にオーディオから男性の呻き声のようなものが聞こえてきて、私は咄嗟にアクセルを強く踏み逃げるように家路に着きました。

その後は体調が崩れやすくなったとはいえ普通に生活しておりますがこの一件以来深夜ドライブには行っておりません。

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