短編2
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あした

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砂に埋もれた一人の少年がいた。

少年は、何かを唸るようにつぶやいていた。

「あした」

そういう少年に気になった少女がいた。

「ねえ、いつもそんなところにいて、楽しいの?」

少女が問うも少年も同じようにして答えた。

「あした」

少女が何度か話しかけても同じ答えで返す少年。

次第に少女は訊くのをやめ、あることを発言した。

「あした」

すると、少年は唸るのをやめ、砂から出ると少女にすれ違いにこうつぶやいた。

「あした」

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翌日、少女が同じ砂場に埋もれ、少年と同じ行動に出た。

少女は唸るようにつぶやいていた。

「あした」

そこに気になった高校生の身長と制服を着た男が、なぜ少女がそのような行動をしているのかと尋ねた。

「あした」

少年と同じように、少女は答えた。

男は意味が分からなかった。なぜ、あしたというのか。その意味が分からない。

「あしたって、何かの暗号かい?」

男は尋ねたものの、少女は同じようにして男に言った。

「あした」

男は頭を抱え、立ち去って行った。

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翌日、男が公園に訪れると、砂場に少女の姿はなく、不気味な穴だけが残されていた。

男は、唾を飲み込み、その穴を覗き込む。

何ともない、何の変哲もない穴だ。深さは1メートルほどだろう。

男は苦笑いを浮かべると、後ろから少女が

「あした」

と、男を穴の中へ突き飛ばした。

男は頭から穴の中に堕ちてしまい、身動きが取れない。

さらに変な方向からダイブしたことにより腕と体が挟まり、うまく出ることができず、足をばたつかせる。

「あした、あした」

男は、理解した。

あしたという意味に、男は絶望した。

言葉を発することも、出ることもできないことに。

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